子どもの季節の行事・イベント一覧と意味を解説
日本には四季があり、その季節ごとに全国的に有名なものから地域特有のものまで大小様々な行事やイベントがあります。
皆さんの中にも、好きなイベントや、毎年必ず参加している季節行事があり、その時期が近づいてくると「もうそんな季節になったのか…」と思いを巡らす方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
お子さんが生まれると、今まで好きだった行事やイベントにもまた新たな楽しみが生まれ、お子さんの成長を実感できる一つの節目にもなっていきます。
今回は、お子さんと一緒に楽しみたい季節行事やイベントの一般的な内容や意味などを、季節ごとにまとめて紹介していきます。
季節の区分には色々な基準があるのですが、今回は気象庁が発表している区分をもとに紹介していきます。
春:3月~5月
夏:6月~8月
秋:9月~11月
冬:12月~2月
子どもの春の行事・イベント一覧と意味を解説
ひな祭り(3月3日)
雛人形を飾り、女の子の健康と健やかな成長を願う行事です。
「桃の節句」とも呼ばれています。
女の子がいるご家庭ならば、お子さんと一緒に雛飾りをしたり、ひな祭りの歌を歌ったり、ちらし寿しや雛あられなどを食べてお祝いしましょう。
ちなみに、3月3日というゾロ目の数字、これにはちゃんとした意味があります。
大昔、中国から日本に最初の暦が伝わったとされています。
古代中国では奇数を「陽の数字」とし、縁起が良いとされ、それが暦とともに日本に伝わりました。
ひな祭りの他にも、1月1日(元日)、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕)と奇数ゾロ目の日にお祝いやお願い事をするのはこれが由来だといわれています。
ちなみに、9月9日も「菊の節句」という無病息災や長寿の願う行事として現在まで伝えられています。
ホワイトデー(3月14日)
2月14日のバレンタインデーでチョコレートなどのお菓子をもらった人が、相手にお返しのプレゼントを贈る日です。
親子でもお菓子などのプレゼントを贈り合ったり、月齢が上がれば一緒にクッキーやチョコレートを作ってみるのも楽しいですね。
ちなみに、ホワイトデーはバレンタインデーのお返しをする日として日本の老舗お菓子メーカーが考案したとされていますが、バレンタインデーは日本発祥のものではなく、古代ローマのお祭りが起源とされています。
お花見(主に3月下旬~5月上旬)
桜を鑑賞しながら春の訪れを楽しむイベントです。
桜を鑑賞し心を和ませたり、桜の下で友人や仲間と食事をしたり、夜にライトアップされた夜桜を鑑賞したりと、楽しみ方も様々です。
お子さんが小さいうちは日中天気が良い日にお散歩がてら見るのも良いでしょうし、少し月齢が上がってきたらお弁当を持ってお花見をしながら外でごはん、というのも楽しいですね。
イースター(4月・日付は毎年変わる)
現在日本で代表的なイベント「クリスマス」や「ハロウィン」と同じく、海外から伝わってきたイベントです。
日本ではまだあまりなじみが無いかもしれませんが、某大型テーマパークで春に毎年イベントを催していることから、日本でも徐々に名前が知られるようになってきました。
お子さんと一緒に卵の殻にお絵描きをして遊んだり、卵料理を食べたりして楽しみましょう。
イースターは、キリスト教の創始者「イエス・キリスト」が十字架にはりつけされ処刑された3日後、奇跡により復活したとき催された復活祭が由来とされています。
その復活、生命の誕生を象徴するものとして「卵」が用いられていたため、卵にペイントをして飾る、卵料理を食べる、といった風習が伝え続けられているそうです。
潮干狩り(4月~5月ごろ)
遠浅の砂浜で熊手やシャベルを使って砂の中にいる貝を採って集める遊びです。
砂浜での遊びなので夏のイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的には春頃が潮干狩りのシーズンとされています。
ちなみに、俳句や短歌の世界では、潮干狩りは春の季語として用いられています。
お子さんがまだ小さいうちは難しいかもしれませんが、少し月齢が上がって歩けるようになってきたら、連れて行ってみてはいかがでしょう。
貝を見つけた時の喜び、海辺の解放感などが味わえてとても楽しい体験になるかと思います。
子どもの日(5月5日)
鎧兜や鯉のぼりを飾り、男の子の健康と健やかな成長願う行事です。
「端午の節句」とも呼ばれています。
一緒にちまきや柏餅を食べたり、兜や鯉のぼりを飾ったり、「こいのぼり」や「せいくらべ」などの子どもの日ならではの歌を歌ってお祝いしましょう。
母の日(5月の第2日曜日)
ママの日ごろの苦労を労い、感謝する日です。世界中で母の日があり、日にちも様々なのですが、日本では昭和初期~中期に徐々に定着していき、アメリカの母の日を参考に5月の第2日曜日となりました。 感謝の形としてカーネーションをプレゼントするのが一般的ですが、特に決まりはありません。お子さんの書いたお手紙や似顔絵のプレゼントなども良いでしょう。パパとお子さんで相談してサプライズパーティを開いてみる、というのも面白いかもしれませんね。
子どもの夏の行事・イベント一覧と意味を解説
父の日(6月第3日曜日)
パパの日ごろの苦労を労い、感謝する日です。
アメリカで母の日にならって始まったのがきっかけで、その後世界的に広まったとされています。
ネクタイなど仕事に関するものや、お酒や好きな食べ物などを贈るのが近年でのトレンドのようですが、何か購入するということにこだわらずとも、お子さんの書いたお手紙や感謝の言葉だけでも、パパとしてはとても嬉しいと思いますよ。
七夕(7月7日)
織姫と彦星が1年に1度天の川を渡って会える日、というストーリーで有名なお祭り行事です。
桃の節句や端午の節句など、日本の五節句のうちの一つとして数えられています。
お子さんと一緒に願い事を書いた短冊や飾りつけをして楽しみましょう。
花火大会
毎年夏には各地で花火大会が催されます。
夏季に行われるご先祖様の霊を祀る「お盆」で霊が迷わないように導く迎え火、送り火として、夏に花火をする風習が伝わっています。
現在では夏の一大イベントとして欠かせないものとなっています。
近年ではコロナ禍の影響で開催規模縮小などの影響が出ていますが、開催の折にはお子さんを連れて夏の風物詩を一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。
海開き・プール開き
各地の海水浴場やプールで泳ぐことが解禁される日です。
1歳未満の乳児のうちはまだ様子を見た方が良いかもしれません。
ある程度月齢が上がれば大丈夫でしょう。
小さいうちから水に慣れさせておくことは後々とても役立ちます。
始めのうちは水に慣れさせるためにパパママが抱っこしながら一緒に入ってあげて、慣れてきたら顔を水に少しつけてみる、手を引いてあげるなどして、徐々にステップアップしていけば、どんどん楽しくなっていきますよ。
砂浜でビーチボールや砂遊びをするのも楽しいですね。
日焼け対策、熱中症対策はきちんとしていきましょう。
お祭り
全国的にお祭りが多い時期です。
この時期にしか着られない浴衣や甚平などをお子さんに着させてみるのもかわいくて良いですよね。
お盆の時期には地域によっては盆踊りを行っている所もあります。
盆踊りや出店、地元の方との交流など、お祭りならではの賑やかで楽しい雰囲気をお子さんと一緒に味わいましょう。
子どもの秋の行事・イベント一覧と意味を解説
十五夜(9月頃)
秋の澄んだ夜空に浮かぶお月様を眺める行事です。
十五夜は別名「中秋の名月」とも呼ばれ、中秋とは現在の9月15日を表していますが、実際にはお月見が生まれた昔の旧暦(354日)と現在の新暦(365日)では1年の長さが違うため、毎年十五夜の日にちは変わります。
また、十五夜はお米などその年とれた作物を感謝する収穫祭としての意味もあり、そのためお月様に収穫を感謝するお供え物としてすすきやお団子を飾る風習が伝わっています。
ちなみに、神様へのお供え物を食べるのはバチが当たるとされていますが、十五夜ではお供えしたお団子を食べることで「お月様がお供え物を食べてくれた」という考えもあり、それが風習として残っている地域もあるようです(別名「お月見どろぼう」と呼ばれています)。
秋の夜、きれいで大きなお月様を眺めて、お子さんと一緒に秋を感じてみてはいかがでしょう。
敬老の日(9月第3月曜日)
長い間社会のためにつくしてきたお年寄りを敬い、長寿を祝い、これからも元気で長生きしてねと願う日です。
この日を機会におじいちゃん、おばあちゃんの欲しいものを買ってプレゼントする、旅行に招待するなどのケースもありますが、お子さんが小さいうちはそういったプレゼントは難しいので、日ごろの感謝を込めてお手紙を書いたり手作りの作品をプレゼントしたり、肩を揉んであげたりするのも喜ばれると思います。
ハロウィン(10月31日)
現在ではお菓子のやり取りや仮装などで有名になったイベントですが、元々はヨーロッパ発祥のお祭りで、秋の収穫をお祝いし、ご先祖様の霊を迎え悪霊を追い払う意味があります。
かぼちゃをお化けの様な顔にくり抜いて飾り、魔女やドラキュラ、ガイコツなど怖い姿に仮装するのも、それを見て悪霊が驚いて逃げていくためと言われています。
ここではお菓子も悪霊を追い払う意味を持つようで、悪霊を追い払うために子どもが「トリックオアトリート」とお菓子をねだり、大人が「ハッピーハロウィン」と返してお菓子をあげるのが習わしです。
近所のお友だち同士で仮装してお菓子を交換し合い、そのお菓子をみんなで食べるのも楽しいですね。
七五三(11月15日)
お子さんの健やかな成長を願って神社などでお祓いをしてもらう行事です。
一般的には3歳は男の子女の子、5歳は男の子、7歳は女の子が対象です。
お子さんの成長を祝う大事な節目の行事ですので、しっかり準備をしてお祝いしてあげたいですね。
日にちは11月15日となっていますが、神社の予約の関係やお子さんやご家族の都合もあるので、多少時期がずれても大丈夫です。
紅葉(9月~11月)
秋になると緑の葉っぱが次第に赤や黄色に紅葉し、色鮮やかな景色が見られるようになります。
平野部では10月中旬~11月下旬、気温の低い山間部では9月下旬~11月中旬が大体の見ごろになります。
これを機会にお子さんと一緒に山に遊びに行ってみるのはいかがでしょう。
景色を楽しみながら、紙にのりなどでいろんな色の葉っぱを貼って絵や模様を作ってみたり、落ち葉をたくさん集めて舞い上げたりと、自然と触れ合う良い機会になるかと思います。
子どもの冬の行事・イベント一覧と意味を解説
クリスマス(12月25日)
お子さんだけでなく大人でもワクワクしてしまう、現在日本でとても有名で代表的なイベントです。
一般的に聞く話としてクリスマスはキリストの誕生日というのが有名ですが、実はキリストの誕生日は正確にはわかっていないようです。
それなのになぜ12月25日をクリスマスとしたのか、それについてもはっきりとしたことはわかっていないとされています。
ちなみに12月24日クリスマスイヴの「イヴ」は英語で「前夜」という意味があるそうです。
クリスマスの時期の飾り物にもそれぞれ意味があり、クリスマスツリーには永遠の象徴、その1番上に飾られる星はキリストが誕生したことを知らせたベツレヘムの星、リースには豊作や魔除け、新年の幸福祈願など、様々な意味が込められています。
そしてクリスマスの有名な人物と言えばサンタクロース。
サンタクロースは大昔に生まれた伝説上の人物で、起源は諸説あるのですが、4世紀頃現在のトルコにあたる東ローマ帝国のカトリック教会の司教をしていたセント・ニコラウスという人物が起源というのが有力だそうです。
セント・ニコラウスは当時の教会のカラーである赤の衣装を着て、貧しい子どもたちの家に煙突から金貨を投げて贈っていたそうです。
そして投げ入れられた金貨が煙突下の暖炉のそばに干してあった靴下に偶然入ったことから、現在でも靴下をプレゼントの入れ物とする風習が伝わっています。
ちなみに、現在では日本を含む世界のいくつかの国にサンタクロース協会というものがあり、日本から手紙を出すとサンタクロースから返事が返ってくる、といったサービスも行われています。
お子さんにプレゼントを贈ったり、ケーキを食べたりする楽しいイベントですが、こういった意味を知るとまた違った楽しみ方も生まれるかもしれませんね。
大掃除
年末にそれまで1年間でたまった家の煤(すす)を払い、家を清めて新年を迎える行事です。
江戸時代、新年の年神様を迎えるための清めの行事として広まったのが由来とされています。
この日を機会に普段はあまり掃除をしないような個所なども、お子さんと一緒に掃除してみてはいかがでしょう。
あまり使わなくなったおもちゃなどの整理にも良い機会かもしれません。
大晦日(12月31日)
旧暦では各月の最終日を「晦日」と呼んでおり、1年で最後の月の晦日である12月31日を1番大事な晦日「大晦日」と呼ぶようになりました。
注連縄(しめなわ)や門松を飾り、その年の年神様を祀り、次の年の年神様をお迎えする行事として古くは平安時代から行われていたとされています。
ご自宅で年越しそばを食べながら家族でのんびり過ごすのも良いでしょうし、特別に少し夜更かしをして近所のお寺に除夜の鐘を突きに行ってみるのも良いかもしれません。
お正月(1月)
1年最初のひと月のことをいいます。
現在では正月行事をする期間(1月15日まで)をお正月と呼ぶのが一般的ですが、正確には1月すべてをお正月と指します。
おせち料理などの正月料理を食べたり、初詣に行くなどしてお子さんと一緒に1年の始まりをお祝いしましょう。
節分(2月3日)
家にやって来る悪い鬼(厄)を厄除けの意味がある食べ物、豆を投げて祓い、健康や安全を祈願する行事です。
節分は「季節を分ける」という意味があり、立春(2月4日)、立夏(5月5日)、立秋(8月7日)、立冬(11月7日)それぞれの前日が節分とされていましたが、江戸時代頃から立春の前日を節分と呼ぶようになったようです。
当日はお子さんと一緒に「鬼は外」「福は内」と元気に豆まきをしてみんなの健康を祝いましょう。
また、パパやママもしくは近所の方などが鬼役をしてみるのも良いかと思います。
演技の迫力によっては、お子さんの違った一面も見られたりして面白いですよ。
バレンタインデー(2月14日)
キリスト教の中でカップルがお互いの愛を祝いプレゼントを贈り合う日として欧米で生まれたイベントです。
日本ではお互いに、ではなく主に女性が男性に愛情の印としてチョコレートを贈るのが一般的でしたが、近年では女性から男性、に限らず様々な理由により贈り方も多様化してきています。
これを機会にお子さんと一緒にお菓子作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここで紹介した行事やイベントの他にも、調べてみると日本ではさらにたくさんの季節行事やイベントがあり「こんなにたくさんの行事があるのか」と驚かされます。
日本の四季のように、およそ3カ月ごと、定期的に季節がはっきり分かれている国は世界的に見ても珍しいケースなのだそうです。
それぞれの行事やイベントにもきちんとした意味があり、それらを楽しみながら季節を感じられるというのは日本の素敵な文化のひとつなのかなと思います。
もちろん、これらの行事やイベントは絶対にやらなくてはいけないものではありませんが、昔から伝わっている日本の文化を行事やイベントを通してお子さんに少しでも伝えていく、というのも子育ての大事な一環なのではないでしょうか。
是非、お子さんと一緒にいろんな行事やイベントを楽しんで、季節を感じてみてくださいね。
この記事を書いた
サポーターパパ
お出かけ大好き、あそぶこと大好き一児のパパです。
児童館、学童クラブに15年勤め、現在は新たなフィールドである、会社員兼子育てwebライターとして活動しています。
子どもってかわいい!楽しい!おもしろい!子育てはとても素敵な発見と刺激を毎日与えてくれます。大変なこともたくさんありますけどね(ぐったり…)。
今までたくさんの子どもと関わってきた子育て支援員としての視点、そしてパパならではの視点で、子育て真っ最中のパパママ、これからパパママになる皆さんのお役に立てるような、いろんな情報を発信していきます。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修