七夕を楽しもう!由来や七夕飾り、子どもとの当日の過ごし方を解説
夏の風物詩の1つとして広く親しまれている「七夕」。
季節が近づくと、ショッピングモール、駅の催事スペースなどで短冊を書いて笹に吊るすコーナーがあったり、七夕をモチーフにしたグッズやパッケージを見かけたりしますよね。
「子どもの頃に、彦星と織姫の絵本を読み聞かせてもらった」
「夜空を眺めて、天の川を探したことがある」
というパパママも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、日本でなじみの深い七夕について、その由来や飾りに込められた意味、おすすめの過ごし方をご紹介します。お子さんが日本の季節行事を身近に感じて、楽しく過ごせるようにまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
七夕の由来
七夕の由来
七夕は「たなばた(しちせき)」と読み、桃の節句、端午の節句などと同じ五節句のひとつです。
日本で古くからある「棚機津女(たなばたつめ)」信仰と、中国で7月7日に行なわれていた「乞巧奠(きこうでん)」という行事が合わさったものだといわれています。
- 棚機津女(たなばたつめ)とは、罪や穢れを落とす「禊ぎ(みそぎ)」、いわゆるおはらいのことで、乙女が水辺で布を織って水神に捧げ、秋の豊作を願ったとされる。
- 乞巧奠(きこうでん)は、中国由来の行事の一つ。織姫星(夏を代表する星ベガ」にあやかり、手芸や裁縫、書道といった芸事の上達を祈ったとされ、庭に祭壇を置き、針などが供えられた。
現在では7月7日の夜に、願いごとを書いた短冊や飾りを竹笹につるし、星にお祈りをするという風習が残っています。
また、竹笹が使われる理由については、
- 暑さや寒さ、風、雪などといった日本の厳しい環境下でも緑を保ち、力強くまっすぐ成長することから「生命力の象徴」とされた
- 童謡『たなばたさま』の歌詞にもうたわれている笹の葉のサラサラとなびく音が、神様を招く音とされた
- 葉の香りが強く、また殺菌効果をもつことから不浄をはらう魔除けの意味をもつとされた
- 竹笹の節(空洞)に神聖なものがやどるとされていた
など諸説あり、日本では古くから様々な神事に用いられてきました。
子どもへの説明
1年に1度のせっかくの機会。できるだけ正確に、たくさんの情報を知ってほしいとの思いから、あれもこれもと知識をつめこんでしまっては、かえって子どもを混乱させてしまうものです。
現在も続いている風習(子どもが経験すること)を中心に理由を伝えたり、子どもから質問されたことに応える形で話を広げていったりするのがおすすめです。
また、「1年に1度、織姫と彦星が天の川を渡って会える」という言い伝えも子どもに話せたらいいですね。
いくつか子どもへの説明例をご紹介します。
- 「7月7日は七夕だよ。1年に1回、織姫と彦星が会える日なんだって。夜にお星さまが見えたら、パパママと探してみようか。」
- 「7月7日は七夕。日本では昔からこの日をとても大切にしていたんだよ。短冊っていう紙にお願いごとを書いて飾ろう。お願いごとがかなうかもしれないよ。」
- 「七夕は中国と日本のお祭りが1つになったお祭りだよ。みんなの幸せや、ありがとうの気持ちをお星さまにお祈りする日なんだよ。」
笹に飾る七夕飾りを作ろう
七夕飾りには、おなじみの短冊をはじめ、いくつか定番の形があります。その中から特に子どもが取り組みやすいおすすめの七夕飾りについて、その意味と作り方をご紹介します。
<準備するもの>
おりがみ、はさみ、のり、穴あけパンチ、糸(毛糸、ゼムクリップなど)
<飾り方>
七夕飾りに穴を開けて糸を通し、竹笹と結びつける
短冊
【意味】
「願いごとがかないますように」
特に赤、白、青(緑)、黄色、黒(紫)の5色は邪気をはらうとされている
【作り方】
- おりがみが長方形になるよう3等分の折り目をつけ、折り目に沿ってハサミで切る
- 自分が好きな面に願いごとを書く
ちょうちん
【意味】
「願いごとを書いた短冊や、みんなの心を明るく照らしてくれますように」
【作り方】
- おりがみが長方形になるよう半分に折って、山折りしたほう(袋になっているほう)を下にする
- 3㎝の切り込みを垂直に何回か入れていく
- おりがみを広げて、筒状にまるめてのりで止める
- 切り込みを入れた部分が提灯の形になるように整える
菱飾り
【意味】
「人とのつながりや夢が続いていきますように」
星が連なる天の川をイメージしている
【作り方】
- おりがみを正方形になるように4つ折りして(竹笹が小さければさらに2回)、折り目に沿ってハサミで切る
- ダイヤの形になるように3~5つほど縦に並べて、対角をのりづけする
竹笹は、時期になると花屋、雑貨屋、100均などで販売しているので、ぜひ好みのものを探してみてくださいね。
また、最近ではウォールステッカーの取り扱いも増えています。わが家では、子どもが2歳頃になるまで七夕飾りをリビングの壁(平面)に飾っていましたが、室内の雰囲気がガラリと変わるので子どもは大喜びでした。
七夕の日のおすすめの過ごし方
これまでなんとなく過ごしてきた七夕。子どもが生まれたことをきっかけに、もっと気分を盛り上げたいと考えるパパママも多いのではないでしょうか。
ここでは、七夕の日におすすめの過ごし方をご紹介します。
食事のメニュー
- そうめん
昔、中国では七夕に「索餅(さくべい)」というお菓子を供えていました。日本では、そのお菓子に形が似ていること、織姫の織り糸や天の川を連想することからそうめんが食べられるようになりました。そうめんには、無病息災を願う意味があります。
- ちらし寿司
「寿(ことぶき)」を「司(つかさどる)」という漢字が使われることから、ハレの日に食べられることが多い料理です。
成長や長寿を願うエビや、財宝や富に恵まれるよう願う錦糸卵、先の見通しがきくよう願うレンコンなど、縁起のよい食材が使われていて七夕にぴったりです。
- 夏野菜
七夕の日に旬の食べ物を供えると、豊作に恵まれ、芸事・習い事が上達するといわれています。
お盆で精霊馬として用いられるナスやキュウリ、切り口が星の形をしているオクラが人気です。
過ごし方
- 七夕クイズ
- 質問「七夕の夜、空に流れるのは何川?」 答え「天の川」
- 質問「織姫と彦星が会えるのは何月何日?」 答え「7月7日(8月7日)」
- 質問「彦星が飼っている動物はウシだっけ?ウマだっけ?」 答え「ウシ」
他にはどんなクイズが考えられるでしょうか。選択肢をつくったり、穴埋め問題にしたり、ぜひお子さんにあわせて難易度を工夫してください。
- 絵本の読み聞かせ
七夕に関する絵本はたくさん出版されています。中でも『みんなのおねがい(ほるぷ出版)』『たなばたものがたり(教育画劇)』『10ぴきのかえるのたなばたまつり(PHP研究所)』は引き込まれるような絵が魅力です。
普段読み聞かせの時間をとっていないというパパママも、この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか。
- 星座観察
20時以降とやや遅い時間になりますが、晴れて星がよく見えるようなら星座観察もおすすめです。
一等星でつくられる夏の大三角は、市街地でも見つけやすいといわれています。
夏の大三角のうち、一番明るく見える星が織姫星(ベガ)、二番目に明るい星が彦星(アルタイル)で、運が良ければその間に天の川が確認できます。
- 歌をうたう
七夕の時期、スーパーやショッピングモールなど街のあちこちでに耳にするのが「ささのは さらさら~♪」で始まる童謡「たなばたさま」。
短く、歌詞も覚えやすい曲なので、お子さんと一緒に歌ってみるのも素敵です。
まとめ
以上、七夕の由来、七夕飾りの意味や作り方、食べ物、おすすめの過ごし方をご紹介しました。
七夕が日本の信仰と中国の行事とが1つにまとまって生まれた風習とは驚きですよね。
今回の記事では割愛しましたが、七夕の時期や伝説、風習、食べ物などは地域によってさまざまです。ぜひお住まいの地域ならではの七夕祭りを調べ、お子さんと一緒に夏の星空に想いを馳せていただけたらと思います。
この記事を書いた
サポーターママ
-30℃から30℃まで外で駆け回る元気いっぱいの長女、恐竜とおままごとが大好きで甘え上手な次女のママです。
沖縄出身で、海や川であそぶのが大好き。結婚を機に北海道に移住してからは、子どもと一緒に雪あそびを楽しんでいます。
大がつくほどの暑がりでしたが、最近は温泉の魅力にハマりつつあります。
子育て中のママパパはもちろん、妊活中・妊娠中のプレママパパが、妊娠や出産、子育てを前向きにイメージできるような情報をお届けしたいと思っています。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修