小学1年生におすすめの本は?読んでおきたい日本・海外の名作や児童文学をご紹介
小さい頃の絵本読み聞かせは好きだったのに、いざ自分で読める歳になったらすっかり読書離れしてしまったと悩んでいるパパ・ママは多いのではないでしょうか。
読書自体は好きでも、選ぶのが図鑑ばかりだと親としては物語性のある本も読んで、文章力や読解力、想像力を培って欲しいと願ってしまい・・・ついつい多くを望んでしまうものです。
ある程度ひらがな、カタカナの読み書きができるようになり読書の幅もぐんと広がる小学1年生。
せっかくであれば、良い作品を読んで欲しいですよね。
今回は、2022年時点で小学1年生の子どもを持つ筆者が、1年生におすすめの本を紹介します。
どれも実際に読んでみて良かったもの、小学1年生でも無理なく読めるものですので、ぜひ本選びの参考にしてくださいね。
目次
小学1年生におすすめの本【日本の名作】
まずは、日本の名作からご紹介します。
筆者自身が小学生の頃読んでいて、いまだにベストセラーとなっている作品もありますよ。
長年に渡って多くの人に愛される名作、ぜひ一度読んでみてください。
どうぞのいす
- あらすじ
小さなイスを作ったうさぎさんは、そのイスに「どうぞのイス」と看板を立てました。
すると、ロバさんがやってきます。
ロバさんはそのイスを見てどんぐりのカゴをイスに置き、お昼寝を始めます。
次に、くまさんがやってくるとイスの上に置かれたどんぐりを食べ、お礼に持っていたハチミツを置いていきます。
その後はパンを持ったきつねさんがやってきて、次は栗を持ったリスさんがやってきて・・・といつのまにかカゴの中にあったどんぐりが他のものに変わってしまい、お昼寝から起きたロバさんはびっくりしてしまうという、ほっこり温かい気持ちになれるお話です。
- おすすめポイント
ほんわかとした優しいタッチのイラストで、赤ちゃんから幼児期の読み聞かせ絵本としても人気の作品です。
文字数としてはそれほど多くありませんが、その分小学1年生でも無理なく1人で読み進めることができます。
また、この作品が伝えたい「次の人のことを考えて行動する思いやりの心」「優しい心」はこれからの成長過程においても大切です。
赤ちゃん、幼児期と比べるとできることが増え、だいぶ親離れしてきた小学1年生でも、集団生活の中ではまだまだ自分中心になってしまいます。
周りの人のことを考えられるような優しい気持ちを持ってほしい時にこの作品はおすすめです。
読み終えると心が温かく、幸せな気持ちになりますよ。
100万回生きたねこ
- あらすじ
主人公のねこは生きる、死ぬを何度も繰り返して100万年も生きています。
ある時はねこの王様だったり、ある時はサーカスのねこだったり・・・その時その時でいろいろな人に飼われ、死ぬ度に多くの人に悲しまれてきました。
しかし、ねこは一度も泣いたことはありませんでした。なぜなら、どの飼い主のこともあまり好きではなかったからです。
ある時、ねこは野良ねこに生まれ変わりました。
初めて誰にも飼われずに自由となれたため、ねこは楽しくなります。
立派なトラねこだったため、多くのねこがお嫁さんになりたいと寄ってきましたが、たった1匹だけ寄ってこない白ねこがいました。
ねこはその白ねこのことが好きになり、白ねこのそばにいるようになります。
やがて白ねことの間に子どもが生まれ、ねこにとって白ねこと子ども達は自分よりも大切な存在となります。
その後子ども達が巣立っていき、再び白ねこと2匹での生活が始まりますが、ほどなくして白ねこは死んでしまいます。
ねこはこの時初めて大泣きしました。
100万回生きてきて初めてのことです。
しばらくしてねこは泣き止みますが、その時には白ねこの隣で静かに息を引き取っていたのです。
その後、ねこが生き返ることはありませんでした。
- おすすめポイント
1977年に発売されたロングセラー絵本で、筆者自身も小学生の頃読んで、いまだに印象に残っている作品です。
お話の内容としては小学1年生には少し難しく、少し悲しい結末ではありますが、生死について親子で考える際におすすめです。
また、最後の主人公のねこが死んでしまう場面では、「ご想像におまかせ」といった読者に考えさせるような終わり方になっているため、読解力を身につけたい時にもよいですね。
大人になってから読むとまた違った視点での解釈もでき、長く楽しめます。
日々を大切に生きようと思える作品です。
となりのせきのますだくん
- あらすじ
主人公である小学生の「みほちゃん」は、学校に行くとなると毎朝憂鬱になってしまいます。
その理由は、となりの席の「ますだくん」。
ますだくんは、机に線を引いて「線から出たらぶつぞ」と言ったり、みほちゃんの苦手な科目の授業の時はできないことをばかにしてきます。
ある時、ますだくんはみほちゃんが気に入っていたピンクの鉛筆を折ってしまい、みほちゃんは悔しくなり、ますだくんに消しゴムを投げつけてしまいます。
その日の夜、みほちゃんは消しゴムを投げつけてしまったことを後悔し、学校へ行くのがなおさら憂鬱になります。
翌日、みほちゃんがおそるおそる学校へ行くと、ますだくんが「ごめんよ」と謝ってきます。
その瞬間、それまで怪獣に見えていたますだくんがはじめて人間の男の子の姿に見えたというお話です。
- おすすめポイント
全体的に文章量も多くなく、全てひらがな表記のため、小学1年生でも読みやすい本です。
小学生特有の、好きな女の子についついいじわるをしてしまう男の子の心理と、そんな男の子が苦手で怪獣に思えてしまう女の子の心理が分かりやすく描かれています。
改めて大人になって読むと、「あー、あるあるこういう時期」とほほえましく思える楽しい作品ですが、小学校1年生からするとこのような“ジャイアン”タイプの子との関わり方は難しいもの。
小学校に入ると、幼稚園・保育園の時と違い、親がいない中子どもだけで解決していかなければならないことが増えます。
筆者個人的には、この作品は好きな子をいじめてしまうという男の子の心理描写だけでなく、「思っていることはきちんと口にしよう」「悪いことをしたらちゃんと謝ろう」というメッセージ性も感じられ、今後の小学校生活にも活かせる作品だと思っています。
小学1年生におすすめの本【海外の名作】
続いては、海外の名作です。
海外の名作は英会話スクールなどで教材として使われることもあり、話の内容を把握しておくと英語の勉強にもなりますよ。
ふたりはともだち
- あらすじ
楽観的なかえるくんと、悲観的ながまくんという40年以上に渡って愛され続けているシリーズの1作目です。
この「ふたりはともだち」には5つのお話が入っていますが、その中でもおすすめが「おてがみ」というお話です。
今まで手紙をもらったことがないというがまくんは、郵便が来る時間になるといつもちょっぴり悲しくなってしまいます。
そのことを聞いたかえるくんはがまくんにお手紙を書くことにします。
ところが、お手紙の配達を頼んだのがかたつむりくんだったため、がまくんのところに着くまでにずいぶんと時間がかかってしまいます。
かえるくんは毎日お手紙の時間になると悲しい顔をしているがまくんがかわいそうになり、ついにお手紙が届く前に自分がお手紙を出したことと、お手紙の内容をがまくんに話してしまいます。
するとがまくんの表情はたちまち明るくなり、2匹の友情はさらに深まります。
その後、お手紙が届くまでのんびり仲良く一緒に待っているというお話です。
- おすすめポイント
教科書にも掲載されたことのある、「おてがみ」。かえるくんとがまくんが仲良く並んでいる絵を見て懐かしく思うパパ・ママも多いのではないでしょうか。
この作品では、相手のことを想う優しい心、共感する心が培われ、友達の大切さについても教えてくれます。
大きめの字で書かれているため1年生でも読みやすく、短編小説なので、時間がない時やこれまであまり読書の習慣がなかった子にもおすすめです。
「おてがみ」以外のお話も優しい世界観で描かれており、ついつい集めたくなりますよ。
スイミー
- あらすじ
ある広い海に小さな魚たちが暮らしていましたが、その中で赤い魚に混じり、一匹だけ黒い魚がいました。
その魚の名前はスイミーです。
ある日、魚たちの群れにお腹をすかせたマグロがやってき、赤い魚たちを飲み込んでしまいました。
その中で唯一逃げ出せたのが、スイミーでした。
ひとりぼっちになったスイミーはしばらく海の中を寂しくさまよっていましたが、しばらくしてクラゲや伊勢海老、イソギンチャクなど海の仲間たちに出会います。
徐々に元気を取り戻してきたところ、スイミーは赤い魚の群れに出会います。色は違えど、見た目がそっくりな魚たちを泳ぎに誘いますが、大きな魚を恐れてみんなは岩の陰から出てきません。
何とかみんなが自由に泳げる方法はないか考えたスイミーは、自分が魚の目になり、みんなで大きな魚の形を作って泳ぐことにしました。
以降、赤い魚たちとスイミーはのびのびと泳げるようになりました。
- おすすめポイント
1977年より、光村出版が発行する小学2年生の教科書に掲載されているスイミー。
当時のことを覚えているパパ・ママも多く、親から子に引き継ぎたい名作のひとつです。
この作品では、一度ひとりぼっちになってしまったスイミーが、悲しみや寂しさを乗り越えて新たな仲間と出会い、課題にぶつかりつつも色々と考え抜いて改善策を見つけます。
小学校生活、楽しいこともたくさんありますが、やはり辛いこと、悲しいこともあるでしょう。
そんな時の立ち直り方や頑張り方について、前向きに教えてくれる作品です。
エルマーのぼうけん
- あらすじ
ある雨の日、エルマーは野良ねこを拾い、家で飼おうと連れて帰りますが、ねこ嫌いのお母さんはカンカンに怒ってしまいます。
あきらめられないエルマーはこっそり地下で飼い始めますが、ほどなくしてお母さんに見つかってしまい、野良ねこは追い出されてしまいます。
しばらくして、エルマーは追い出された野良ねこと再会し、いろいろな話をしているうちに野良ねこからどうぶつ島の話を聞きます。
そのどうぶつ島では、怠け者の猛獣たちがおり、猛獣は龍に過酷な労働を強いているというのです。
野良ねこがその龍を助ける約束をしたという話を聞いて、エルマーは龍を助けるための冒険に向かうというお話です。
- おすすめポイント
これまで紹介してきた作品と比べると文章量が多く、読み応えのある作品です。
野良ねこと普通に会話できるというファンタジー要素がありつつも、怠け者の猛獣が龍だけに働かせているという現実的な要素も混ざっています。
小学校生活、勉強や友達関係など成長とともに複雑になり、難しく感じることがあるでしょう。
そんな時、この作品の信頼のおける仲間(家族)と協力しながら困難に立ち向かっていく姿は読者を勇気付けてくれます。
「動物」と「冒険」という設定も小学1年生に向いており、わくわくしながら読み進められますよ。
小学1年生におすすめの本【児童文学】
最後に、小学1年生におすすめの児童文学についてです。
2022年時点で小学1年生の子を持つ筆者が、実際に自分の子が読んで気に入っているもの、学校で流行っているものをご紹介します。
大ピンチずかん
- あらすじ
「バッグの中で水筒が漏れていた」「傘を忘れた」など子どもが遭遇するであろうさまざまなピンチがレベルごとに描かれています。
そのピンチの対処法やそのピンチから派生するであろう別のピンチなどを面白く伝えてくれています。
- おすすめポイント
小学校に入ると子どもだけで過ごす時間が格段に増えます。
授業や翌日の準備など、パパ・ママが手伝ってあげることは簡単ですが、子どもの自立のためにもここはそっと見守っておきたいもの。
とはいえ、まだまだ小学1年生。予期せぬピンチが起こると慌ててしまうもの。
そんな時、この大ピンチ図鑑があると対処法が分かりますし、「あー、これよくある」と共感できる部分も多く、子ども自身も「このピンチ、自分だけでは?」と言った不安がなくなります。実際に、筆者の子もこの「大ピンチずかん」を読んでから水筒のロックを確認して漏れないかチェックするようになり、危機管理能力が身につくと思っています。
さかなくん
- あらすじ
水の中で暮らしているさかなくんは、水の外の小学校に通っています。
学校へ行く時はゴムのズボンにガラスのヘルメット、ゴムの靴とフル装備。
なかなか準備は大変ですが、知らないことを学べ、友達と遊べる学校をさかなくんは気に入っています。
ですが、走ることが苦手なさかなくんにとって、体育だけは苦痛なのです。
ある日、さかなくんは体育でリレーの練習をしている際にケガをしてしまい、早退します。
どうしても毎回みんなより走るのが遅くなってしまい、さかなくんはちょっぴり学校が嫌になってしまいます。
そんな時、クラスのお友達が、さかなくんが走りやすいようにとローラースケートを家に届けてくれます。
やがてケガが治り、さかなくんがローラースケートを履いて小学校へ行くとなんと走りやすいこと。
さかなくんは以前にも増して学校が好きになりました。
- おすすめポイント
色鉛筆画のような優しいタッチの絵にほっこり優しい気持ちになれる作品です。
この作品では、お友達の不得意なことや自分との違いも認め、状況をより良くしていくにはどうすればいいか考えることを教えてくれます。
人を思いやる気持ちを大切にしてほしい、優しい心を持ってほしい時に読みたい作品です。
作品の中では、さかなくん以外にもとかげやきつね、いぬ、人間などがクラスメイトとして登場し、多様性を尊重する現代に合った作品です。
しょうがくせいのおばけずかん
- あらすじ
2022年には映画化もされた、大人気シリーズ「おばけずかん」のしょうがくせい編です。
筆者の子の周りでもブームが続いており、小学校や近隣の図書館でもいつも貸し出し中になっている人気作品です。
なかでも、しょうがくせいのおばけ図鑑では、小学生が考えたおばけを元に作られており、「ランドセルのなかのこびと」や「わすれんぼうや」など完全に作り話ではありますが、どれもユーモアたっぷりに描かれています。
- おすすめポイント
おばけと聞くと怖いイメージがありますが、この「おばけずかんシリーズ」は全く怖くありません。
また、短編集なので読みやすく、字も大きめで小学1年生におすすめです。
どんなおばけがいて、どうしたら現われるのか、遭遇したくない場合はどうすればいいのか(例えばわすれんぼうやに遭遇したくない場合は忘れ物をしないよう気をつける等)、面白くちょっぴりシュールに描かれています。
大人が読んでもクスッと笑えるようなお話が多く、親子で楽しめる作品です。
他にも「レストランのおばけずかん」や「こうえんのおばけずかん」などもあり、ついつい集めたくなりますよ。
まとめ
小学1年生におすすめの名作や児童文学、いかがでしたか。
せっかくひらがな、カタカナの読み書きができるようになったのであればたくさん本を読み、できるのであれば良い作品に触れて欲しいですよね。
とはいえ、あまりに難しすぎたり、子どもが興味のない内容で本そのものが嫌いになっては元も子もありません。
ここでご紹介したものはどれも筆者が小学1年生の子どもと共に実際に読んだり、自分が子どもの頃に読んでいまだに記憶に残っている本です。
本は読解力や文章力、想像力などさまざまな力が培われ、世界を広げてくれます。
子どもの興味のあるお話や絵など、少しでも気になったものがあれば手に取り、幼いうちに多くの本に触れ、豊かな心を培っていってくださいね。
この記事を書いた
サポーターママ
すみっこぐらしが大好きなおてんば女の子のママです。
育児とパートのすきま時間に、久しぶりのライター業を楽しんでいます。
趣味はランニングですが、最近はなかなかできていない現状...からだを動かすことも好きですが、食べることも大好きです。
コストコ、KALDIなどの輸入食品には目がありません。
「家族が楽しく過ごせるのが1番」をモットーに、程よく手抜きしながら日々家事・育児を楽しんでいます。
これまでの私の経験が少しでも多くの方のお役に立てたら嬉しいです。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修