乳幼児期における発達の遅れを解決するための支援方法と、親ができること|学習プリント.com

乳幼児期における発達の遅れを解決するための支援方法と、親ができること

乳幼児期における発達の遅れを解決するための支援方法と、親ができること
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お子さんの発達について、パパママ誰しもが気になるところですよね。
わが子が月齢に沿った発達の段階に達しているか、日々子育てをしながらその状況を見守っておられることと思います。

そんな中「もしかしたら月齢に対してお子さんの発達が遅れているかも」と感じても、それが個人差によるものなのか、それとも専門機関の診断が必要なものなのか、誰に相談したら良いのか、悩むこともあるかと思います。

今回はお子さんの発達の遅れについて

  • 発達の遅れとはどのようなものがあるのか
  • どういった支援機関やサービス、治療方法があるのか
  • お子さんの発達の遅れに対して親ができること、または注意点

について解説していきます。一緒に見ていきましょう。

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発達の遅れの原因や種類について

発達の遅れの原因や種類について

お子さんの発達の遅れにはどういった原因や種類があるのでしょうか。
発達の経過をみるにあたって参考にするものとしては、お子さんが生まれた際にもらえる「母子健康手帳」が一般的です。
これには月齢に応じた発達の基準が書いてあり、お子さんの成長を見る目安にすることができます。
お子さんの成長には個人差もありますので、必ず母子健康手帳どおりになるとは限りませんが、いろいろな項目がくわしく書いてあり、長い期間使えるものなので、しっかり活用しましょう。

今回は、その中からお子さんの発達を3つの項目にわけて解説していきます。

運動能力

手足などのからだを動かすといった、生活するにあたりとても重要な能力です。
お子さんが成長する過程で次のような傾向が見られたら注意が必要です。

  • 生後6ヵ月を過ぎても首がすわらない
  • 生後10カ月を過ぎてもお座りができない
  • 1歳半を過ぎても一人で歩くことができない

また、運動機能そのもの以外の動きの特徴として

  • 立つとつま先立ちになってしまう
  • 抱っこをするとからだをそり返らせてしまう
  • 支えて立たせると下半身がつっぱって、両足がクロスしてしまう

などの傾向がみられたら保健所や小児科などへ相談し、しっかりと経過をみていく必要があります。
運動能力発達の遅れはさまざまな理由があり、検査をしてもはっきりとした診断がでない場合もあります。しかし、これは個人差によるところも大きいので、専門機関からのアドバイスをもとに、あせらずに様子を見守っていきましょう。

言語能力

声や音を聴く、だれかとお話しするなど、まわりとコミュニケーションをとるための大事な能力です。
言語能力に関する発達の遅れは次のようなものです。

  • 2歳までに意味のあることばがでない
  • 3歳までに2語文がでない

これらの傾向がみられたら、かかりつけの小児科などに相談してみるとよいかと思います。
ただし、ことばの発語の遅れに関しては、個人差や保育園への入園などによる環境の変化によるところもあるかもしれません。
それまで耳で聴いて頭の中で蓄えてきたことばたちが、3歳を過ぎてから爆発的にあふれて、たくさん話すようになることもあり「ことばの爆発期」などとも呼ばれているようです。
ただし、次のような傾向がみられたら要注意です。

  • 音に対する反応がとぼしい
  • パパママの言うことには反応が薄いが、ジェスチャーを入れるとわかる
  • 4歳を過ぎてもことばの発音がおかしい(舌足らず、鼻に抜けるようなしゃべり方、「ライオン」を「だーおん」と言うなど、サ行やラ行がうまくしゃべれないなど)

これらの兆候は聴覚やことばを発する器官の異常の可能性があるため、小児科や言語聴覚士などに相談し、検査を受けた方がよいでしょう。

また

  • こちらからの呼びかけに無反応
  • 特定の音などに強く反応する
  • 一方的にしゃべる
  • オウム返しが多い

など、これらの兆候は聴覚の異常だけでなく、発達全体のバランスに問題がある可能性があるため、自閉症等の発達障がいも含めた総合的な検査が必要になってきます。
まだ月齢が低いうちははっきりとした診断がされないケースも多く、その後月齢とともに自然と改善していく場合もあるため、しっかりと経過を見守っていきましょう。

経口摂取能力

食べ物を口に入れ飲み込むといった、生きていく上でとても大切な能力です。
この発達の遅れに関しては次のようなものがあげられます。

  • 離乳食を嫌がり、なかなかおっぱいや哺乳瓶を卒業できない
  • 離乳食後期になっても固形のものが上手く食べられない
  • 飲み込んでもすぐにむせたり吐いたりしてしまう など

これらの原因もさまざまなものがあり

  • 生活リズム(食事の時間、寝る時間など)が不規則
  • 月齢やお子さんのお口のサイズに見合った食べ物の大きさではない
  • 食べた食感、味などにこだわりがある

などが考えられます。
小児科や管理栄養士などに相談しつつ、家庭でもゆっくり少しずつ訓練していくとよいかと思います。

支援機関やサービス、治療方法など

支援機関やサービス、治療方法など

お子さんの発達が遅れているのかどうかは判断がとても難しく、ときには専門的な診断が必要なこともあるかと思います。
皆さんがお住いの地域でも、こういったことを相談、検査、治療できる機関がたくさん存在します。
どういったものがあるのでしょうか。

保健所、小児科

お子さんの発達に関するさまざまな相談をすることができます。
場合によっては、より専門的な施設を紹介してもらえることもあります。
お子さんの発達のことで心配なことがあれば、まずはここから訪ねてみるとよいでしょう。

乳幼児健康診査

皆さんがお住いの各自治体では、月齢に応じて無料で健康、発達に関する診断を行っています。
6ヵ月健診や1歳児健診などがそれにあたり、聞いたことがある方も多くいらっしゃるかと思います。

ここでは、身長や体重、視力や聴力の検査や、簡単な運動能力のテスト、絵を見て名前を言い当てさせたり、質問に対して受け答えができるかなどの知能をみるテストなどにより、お子さんの発達状況をみていきます。
お子さんの発達に関して心配なことがあれば、そこで相談もでき、場合によっては適切な専門機関も紹介してもらえます。
今後支援を受けるにあたっての重要な参考になるかと思いますので、しっかりと受診しておきましょう。

理学療法士

大きな総合病院やリハビリ専門の病院などの中には、小児向けのリハビリを行う施設もあります。
主に運動面での発達の遅れの相談や、運動機能を身につけるための訓練などを行ってくれます。
月齢があがっても一人歩きに移行しない、手足がうまくつかえないなどの心配があれば相談してみてください。

言語聴覚士

理学療法士に比べるとまだあまり整備されていないのが現状のようですが、言語に関する小児向けのリハビリを行う施設もあります。
話す、聞く訓練を行うほか、食べることが苦手なお子さん向けに、口を動かして食べ物を食べる訓練を行ってくれる施設もあるようです。

管理栄養士

お子さんが通園している保育園や、市役所、また民間で活動されている管理栄養士の方がいらっしゃるかと思います。
食の栄養や離乳食移行に関する相談、パパママ向けにも調理のしかたや食べさせ方などの指導などを行っています。
お子さんの食のことで不安なことがあればぜひ相談してみてください。

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親ができることや、乳幼児期に注意すべき発達のポイントについて

親ができることや、乳幼児期に注意すべき発達のポイントについて

お子さんの発達に遅れを感じた場合、パパママとしてはお子さんのこの先を案じ、とても不安で心配な気持ちになるかと思います。
できることなら代わってあげたい、何か親としてお子さんの発達をサポートしてあげたい、そう感じる方も多くいらっしゃることでしょう。
では、具体的にはどういったサポートができるのか、注意すべきお子さんの発達のポイントと合わせてみていきましょう。

しっかりと経過を記録しておく

自治体での定期健診や小児科、専門機関の支援を受けるにしても「普段どういった様子なのか」というのを必ず聞かれるかと思います。
発達に遅れがある子でも、病院や専門機関に行ったときに、その症状がはっきりとみられるとは限りません。
そのため、家庭ではどういった症状があり、どういった点が心配なのかということをなるべく具体的に記録しておく必要があります。
「ハイハイをしない」「つかまり立ちはするが一人で歩かない」「ことばを話さない」など、日常で気になることがあればしっかりと記録しておきましょう。

スキンシップは大事

文部科学省が提唱している「子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題」のなかで、乳幼児期の発達における重視すべき課題を次のようにあげています。

  • 愛着の形成
  • 人に対する基本的信頼感の獲得
  • 基本的な生活習慣の形成
  • 十分な自己の発揮と他者の受容による自己肯定感の獲得
  • 道徳性や社会性の芽生えとなる遊びなどを通じた子ども同士の体験活動の充実

少し固い内容かもしれませんが、お子さんが発達していく上で、まわりの人、特にパパママからの愛情はお子さんにとっての何よりの栄養だということです。
いくら発達に遅れがあったとしても、パパママから愛情を受け、お子さんにとって安心できる居場所があれば、そこをより所にしてゆっくりと少しずつお子さんは成長していきます。
たっぷりとお子さんに愛情を注いであげてください。
なかでも特に「抱っこやほほを合わす」「手をにぎる」などといった「スキンシップ」は効果バツグンです。

まとめ

乳幼児期の発達の遅れは、まだ成長途中の段階ということもあって、今現在はこういった状況だけれど、今後どうなっていくかはわからない部分も多くあります。
それだけにパパママとしても、気持ちのモヤモヤが解消されず、不安な気持ちが続くこともあるかと思いますが、専門家に相談し、適切な診断を受け、経過をきちんとみていくことがその後の改善につながっていくと思います。
完全に発達しない子どもはいません。どんなにゆっくりでも、障がいがあっても必ず子どもは成長していきます。
大切なのはパパママの愛情です。
愛情をたっぷり注いであげて、なるべくあせらず、ゆっくりとお子さんの成長を見守っていきましょう。

この記事を書いた
サポーターパパ

つーちゃんパパのプロフィール写真 つーちゃんパパ 1女のパパ

お出かけ大好き、あそぶこと大好き一児のパパです。
児童館、学童クラブに15年勤め、現在は新たなフィールドである、会社員兼子育てwebライターとして活動しています。
子どもってかわいい!楽しい!おもしろい!子育てはとても素敵な発見と刺激を毎日与えてくれます。大変なこともたくさんありますけどね(ぐったり…)。
今までたくさんの子どもと関わってきた子育て支援員としての視点、そしてパパならではの視点で、子育て真っ最中のパパママ、これからパパママになる皆さんのお役に立てるような、いろんな情報を発信していきます。

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