赤ちゃんのお風呂入れ方の基本と注意点
新生児期の赤ちゃんは、感染予防の面からママやパパと同じお風呂には入れません。
『沐浴』と呼ばれ、ベビーバスなどに赤ちゃんを入れて体を洗ってあげます。
ママやパパと一緒のお風呂に入れるのは、生後1ヶ月以降が目安と言われています。
赤ちゃんといっしょにお風呂に入れると、「少し楽になった」という声を聞いたりもしますが、「より注意が必要になった」「大変になった」という声もよく聞きます。
お風呂には危険がいっぱいあります。
ただ、そうは言っても、ママやパパも自分のことをやりつつ赤ちゃんの面倒を見なければならないので、みんな試行錯誤しながらお風呂タイムを過ごしているのが現状です。
今回は、そんな赤ちゃんとのお風呂について詳しく書いていきたいと思います。
注意することや必要な道具、手順などをご紹介します。
目次
赤ちゃんのお風呂入れの前に知っておきたい注意点
赤ちゃんとのお風呂で、事前に知っておきたい注意点をご紹介します。
「まさか、そんなことで?」と思う内容もあるかと思いますが、大切なことなので一度目を通していただければと思います。
乳幼児は水深5センチで溺れ、音もなく溺れる
1番気をつけなくてはならないのが、溺れないようにすることです。
特に月齢の低い赤ちゃんは、まだうまく手足を動かせないので注意が必要です。
乳幼児は、『水深が5cmもあればおぼれてしまう』というデータがあります。
鼻と口が水でふさがれ、呼吸ができなくなれば、大変なことになってしまいます。
溺れた状況を理解できず、また呼吸に精一杯で声を出す余裕もなく、音もなく静かに沈んでしまうそうです。
赤ちゃんをお風呂に入る時には、溺れないようにしっかり見張ってあげましょう。
また、湯船を出たら蓋をする、湯船の周りに踏み台となるものを置かないようにして、転落事故を防ぎましょう。
お風呂は滑りやすい
お風呂は石鹸を流したりするため、滑りやすくなっています。
大人なら注意できるものの、赤ちゃんは自分で注意ができません。
足を滑らせて転んでしまったり、湯船の中では溺れてしまう…なんでことも考えられます。
赤ちゃんが滑らないようにマットを敷くなど、工夫してあげましょう。
また、湯船の中では滑っても支えられるように手を添えてあげるといいと思います。
お湯の温度にも適温がある
赤ちゃんが入るお風呂の温度は、季節によって適温があります。
春・夏では38度、秋・冬は40度が目安です。
赤ちゃんの皮膚は大人の皮膚よりも薄いため、ぬるめに感じるぐらいの温度がいいそうです。
また、熱すぎるお湯につかると、肌のうるおいが逃げやすく、乾燥の原因にもなります。
赤ちゃんが入る前に、一度お湯加減をチェックしてあげてください。
アトピーや湿疹がたくさんある赤ちゃんは、さらに1度くらい低めのお湯がいいそうです。
長湯しない
身体の小さい赤ちゃんには、あまり長湯は良くありません。
目安としては、赤ちゃんが浴室に入ってから出るまでの全体の時間は15分ほどがいいそうです。
私が出産した産院で、お湯に浸かるのは5〜10分程度がいいと教えられました。
あまり長湯しすぎると、肌のうるおいが逃げて乾燥の原因になったり、のぼせてしまったりします。
時間はあくまで目安ですが、ママやパパに合わせて長々とお湯に浸かることのないように気をつけてあげてください。
赤ちゃんにお風呂を入れる際の道具や用意するもの
ここでは、赤ちゃんとのお風呂タイムで必要な道具などをご紹介します。
赤ちゃんの月齢によって、必要なものとそうでないものもあります。
お子様の月齢に見合ったものを確認してみてください。
ベビーバス
あると便利なのがベビーバスです。
特に生後1ヶ月までの赤ちゃんの沐浴時に活躍します。
ベビーバスにお湯を溜め、赤ちゃんをお湯の中に入れながら体を洗うことができます。
また、ママやパパが身体を洗ったりする時に、待機するスペースとしても使えます。
商品によっては赤ちゃんを支えてくれるシートがあったり、おすわり補助をしてくれるもの、2歳ぐらいまで長く使えるものがあります。
種類が豊富なので、ご家庭にあったものを探してみるといいと思います。
湯温計
赤ちゃんの肌を守るためにも、季節によってお湯の温度を調節しなければなりません。
湯温計があると、お湯の温度がすぐわかるので大変便利です。
値段もリーズナブルなので、是非買ってみてください。
ベビーソープ
赤ちゃんを洗うのに使います。
赤ちゃんの肌に合うように作られているため、大人と同じものを使わずに、赤ちゃん用のものを使用しましょう。
ベビーソープといっても『シャンプー』『ボディソープ』『全身用シャンプー』とあります。
髪の毛がしっかり生えてくるまでは、全身用シャンプーで全身を洗っても大丈夫です。
ガーゼ
沐浴時に泡を拭き取ったり、身体を拭くために使用します。
出産した産院では、沐浴時に赤ちゃんのお腹に濡らしたガーゼを置いてあげると、赤ちゃんが安心すると教わりました。
特に月齢の低い赤ちゃんにおすすめです。
お風呂タイムに1枚あると安心して入れると思います。
掛け湯用のおけ
シャワーを弱くしてかけてもいいのですが、嫌がる赤ちゃんも多いので、掛け湯用の桶があると安心です。
お湯を溜めておいて、優しくゆっくり流してあげましょう。
柔らかい大判バスタオル
赤ちゃんの湯上がりに、身体を拭くものとして大判のバスタオルが必要です。
お風呂を出たところに広げておくと、すぐに包んで拭くことができます。
湯上がりに待機させる場所としてクーファンやバウンサーを使う方もいると思います。
クーファンやバウンサーにタオルを敷いてあげるのもいいでしょう。
赤ちゃんの肌に優しい素材の、柔らかい生地のタオルを用意してあげましょう。
保湿ケアアイテム
お風呂から出たら、必ず保湿をしてあげましょう。
赤ちゃんの肌は非常にデリケートです。
タオルで水分を拭き取り、赤ちゃん用の保湿剤を塗ってあげてください。
赤ちゃんにお風呂を入れる際の手順とコツ
ここからは、赤ちゃんをお風呂に入れる手順やコツについて書いていきます。
『沐浴』か『いっしょに湯船に入る』かで、入り方も変わってきますので、別々にご紹介したいと思います。
沐浴の場合(生後0ヶ月〜) | |
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①ベビーバスに1番湯をためます。 | お湯は湯温計で適温かどうか確認しましょう。 お湯の量はベビーバスの1/2~2/3が目安です。 |
②湯上がりを想定して、タオルや着替えを用意しておきます。 | タオルや着替えは、すぐに使えるように広げておくと便利です。 また、保湿ケアアイテムも近くに準備しましょう。 |
③赤ちゃんの洋服を脱がせ、裸にします。 | お腹にガーゼを置きます。 左手で赤ちゃんの首の後ろをしっかりと支え、右手でおしりを支えます。 耳は閉じなくても大丈夫です。 この状態で足からお湯の中に入れてあげます。 |
④目から顔全体を洗います。 | めやにをとって、目尻から目頭に向かって優しくガーゼで拭きましょう。 その後、額から鼻のわきへ『3』の字を描くように拭きます。 1回ごとにガーゼをすすぎましょう。 |
⑤頭を洗います。 | ベビーソープを手のひらで泡立て、手のひら全体で大きな円を描くように洗います。 ガーゼで泡をよく落とし、ガーゼを絞って頭の水分を拭き取ります。 |
⑥首→両手→胸→おなか→両足の順に洗います。 | 首や足の付け根など、くびれの多いところはしっかり丁寧に洗いましょう。 おへその周りもやさしく洗います。 足はお湯の中で洗います。 |
⑦赤ちゃんをうつ伏せの姿勢にして、背中とお尻を洗います。 | 赤ちゃんの首の後ろを左手で支えたまま右手を脇の下に入れ、両手を使ってゆっくりとうつ伏せにします。 この時に顔がお湯についていないか注意しましょう。 ベビーソープを泡立て、優しく撫でるように洗います。 うんちやおしっこで汚れているおしりは、丁寧に洗いましょう。 |
⑧広げたバスタオルの上に赤ちゃんを乗せ、水分を拭き取ります。 | 保湿ケアアイテムを身体全体に塗り、おむつ、洋服を着せたらおしまいです。 |
いっしょに湯船に入る場合(生後1ヶ月〜) | |
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①先にママやパパが身体を洗います。 | 脱衣所でまず、いっしょに服を脱ぎ、赤ちゃんが寒くならないようにタオルで包んであげましょう。 肌着やおむつだけ着せた状態で待たせても大丈夫です。 ママやパパが洗い終わった後、すぐに脱いで入れる状態にしておくとバタバタすることがありません。 また、赤ちゃんが待機できるスペースを確保しましょう。 ベビーバスの中にお湯を張っておく、ベビーチェアに座らせておく、脱衣所にクーファンやバウンサーをおいて座らせておく…やり方は様々です。 外で待機させるときは、お風呂のドアを少し開けておき、声をかけつつ様子を見ながら行動しましょう。 |
②赤ちゃんをお風呂に入れ、掛け湯をします。 | 優しくお湯をかけてあげましょう。 寒い冬などは、一度湯船に浸かってもいいでしょう。 |
③赤ちゃんの身体全体を洗います。 | ママやパパは胡坐をかくように座り、その上に赤ちゃんを乗せると、安定して洗えます。 ベビーソープで頭を洗い、顔や首、お腹とその周辺、手足を洗って、最後に背中やおしりを洗ってあげましょう。 月齢が低い時期はガーゼを使って洗い流し、お湯に慣れてきたら水圧を弱めたシャワーで流してあげます。 |
④湯船に浸かります。 | 湯船に浸かるときは、ママやパパの足の上に乗せたり、つかまり立ちするときは支えてあげましょう。 赤ちゃんが溺れないように注意しつつ、歌をうたったり、おもちゃで遊んだりして楽しみましょう。 湯船につかる時間は5~10分が目安です。 |
⑤湯船から出たら、先に赤ちゃんの身体を拭き、タオルを巻いてあげます。 | 次に、ママやパパが体を冷やさない最低限の着替えをしましょう。 そのあと、赤ちゃんに洋服やおむつを履かます。 赤ちゃんの着替えが終わったら、落ち着いてママやパパも着替えを完了させましょう。 ママやパパがのんびり着替えていると、赤ちゃんが湯冷めしてしまうので気をつけてください。 |
まとめ
今回は、赤ちゃんとのお風呂に関する内容を書かせていただきました。
説明してみると長くなってしまいますが、必要な道具を準備して、赤ちゃんが溺れたり湯冷めしないように気をつけて入れることが大事です。
赤ちゃんがお風呂から出たら、水分補給を忘れずにしてあげてください。
母乳やミルクでももちろんいいのですが、おすすめは白湯です。
夜ご飯の後にお風呂に入る方や、お風呂後に赤ちゃんが寝てしまうことが多い方は、白湯を飲ませた方が虫歯予防になります。
赤ちゃんとのお風呂タイム、コツを掴むまでは大変かもしれません。
慣れてしまえば楽しくなります。
おもちゃで遊んだり歌をうたったりして、楽しい時間を過ごしてみてください。
この記事を書いた
サポーターママ
みんなにちやほやされすぎて、すっかり甘えるのが上手になった次女と、そんな次女を溺愛してやまない、家族一しっかり者の長女がいます。
私は昔から工作や絵を描くことが好きで、長女とよくかわいいプリンセスの絵を描いたり、簡単なおもちゃを作ったりして遊んでいます。
また、なるべく低コスパで、みんなが楽しめるようなものを考えて作るよう、工夫しています。
自分のアイデアやほかの人のアイデアを吸収して、これからも2人のかわいい娘のママとして成長していきたいと思っています。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修