お月見っていつするの?お月見の時期や由来、子どもとの当日の過ごし方を解説
花火大会、海水浴、夏祭り……。
イベントめじろ押しの夏が過ぎると、やってくるのは秋。お月見の季節です。
特に旧暦8月15日の十五夜は、童謡「うさぎうさぎ」にも歌われ、一年の中でもっとも空が澄んで美しく見えることから、「中秋の名月」と呼ばれています。
お月見には、だんご、ススキ、うさぎなど、親しみやすいワードがたくさんあります。
そのため、子どもも「お月見って何をするの?」「どうして他の動物じゃなくてうさぎなの?」というように、次々と疑問がわくようです。
ところが、あらためて聞かれると、どう答えたらいいのか困ってしまうパパママも多いのではないでしょうか?
今回の記事では、お月見の時期や由来、当日の過ごし方をいくつかご紹介します。
子どもへの具体的な伝え方もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
目次
お月見の時期や由来
現在のお月見は、平安時代に中国の「中秋節」が伝わり、貴族に広まったものがはじまりといわれています。
当時は、船の上でお酒やご馳走を口にしながら名月を鑑賞し、管弦や詩歌を楽しむ催しでした。
その文化が庶民にまで浸透したのは江戸時代。ちょうど農作物の収穫をすませ、1年の農作業が終わりを迎える時期と重なることから、「秋の実りに感謝し、翌年の五穀豊穣を祈る」という意味合いをもつようになりました。
団子・芋・柿・栗といった秋の味覚を供えるようになったのもこの頃です。
旧暦の秋は7・8・9月。
初秋は台風や長雨で天候が不安定ですが、中秋は秋晴れが多く、くっきりとした月がきれいに見られます。なかでも、旧暦8月15日の十五夜は「中秋の名月」として有名ですよね。
旧暦は月の満ち欠けを基準にしており、太陽の動きを基準にしている新暦(現在、一般的につかわれている暦)とは1年の長さが異なります。
そのため「旧暦8月15日」も、新暦では9月中旬から10月上旬の間で毎年変動しています。
また、お月見と聞いて「うさぎの餅つき」を思い浮かべるパパママも多いと思いますが、これは中国から伝わった「月のうさぎは杵と臼で不老不死の薬をつくる」という考えからきています。
薬が餅に変わった理由については、「神様のため」「食べ物に困らないように」「望月(もちづき)という言葉の響き」「杵と臼=餅つきを連想するため」など、さまざまな説があるようです。
子どもへの伝え方
上記をそのまま説明しても、小さな子どもにはなかなかピンとこないかもしれません。
現在も残っている風習を中心に、お子さんの年齢や興味関心に合わせた伝え方をするよう心がけましょう。
いくつか子どもへの伝え方の例をご紹介します。
- 「〇月〇日(その年の旧暦8月15日)は、お月さまがすごくきれいに見える日なんだって。パパママと一緒に見てみようよ」
- 「○○くん/ちゃんは、何の食べ物が好き?お月さまに、『ぼく/わたしは、○○が好きです。これからもたくさん食べられますように…』ってお話してみない?」
- 「〇月〇日(その年の旧暦8月15日)は、お月さまを見ながらお楽しみ会をする日なんだよ。○○くん/ちゃんがすきな料理を食べたり、お花を飾ったりして楽しく過ごそう!」
お月見の準備や食べ物
お月見といっても、「夜に月を眺める以外にどのようなことをするの?」と疑問に思うパパママが多いかもしれませんね。
この項目では、お月見の準備や流れ、お月見にぴったりな食べ物をご紹介します。
どれもすぐ揃えられるものばかりで手順もシンプルなので、お子さんと準備するのも楽しいですよ。
月見台を用意する
月見台とはお供え物を飾り、月見をする場所のこと。「月がよく見える場所」ならどこでも大丈夫です。
わが家では、出窓の30cm×60cmほどのスペースを使い、月見台としています。
窓辺にテーブルを置いたり、ベランダや庭がある場合は、ローテーブル(チェスト)などを運び、月見台をしつらえたりしても素敵ですね。
月見台にお供え物を飾る
月見だんご
満月のように丸いだんごをお供えすることで、健康・幸せになると考えられています。
十五夜では、おだんごを15個お供えするのが一般的ですが、それを5個に省略したり、1年の満月の数と同じ12個にしたりする場合もあります。
ススキ(稲穂)
農作物の収穫や家の繁栄を見守る月の神様が宿るとされています。
本来は稲穂がふさわしいのですが、入手が難しいため、形が似ているススキを使うようになりました。ススキの鋭い切り口は魔除けの力があるとされ、無病息災を願って軒先に吊るす風習もあります。
身近な野草
有名な秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ)や、自宅近くに見られる野花を飾っても素敵です。心を込めてお供えしましょう。
旬の農作物
旬の野菜(里芋、サツマイモ、ジャガイモ、豆、栗、梨、柿)や果物を供え、収穫に感謝します。
とくに葡萄やアケビのようなツルものを供えると、お月様とのつながりが強くなるとが考えられています。
お供え物の準備ができない場合は、食事用に作ったものを感謝の気持ちを込めてお供えしてもかまいません。
月を眺めながら食事をする
よく晴れて月明かりがあるときは室内の照明を落とし、キャンドルを灯すと風情がでます。
もちろん、子どもが怖がる場合や、まだお世話が必要な場合は、普段通りで大丈夫です。
月見団子(準備できなかった場合は食事用の料理)は月へのお供え物ですが、しばらくお供えした後、下げていただきましょう。
お月見の食べ物
お月見にぴったりな食べ物はこちら。子どもが小さい家庭でも気軽にチャレンジでき、比較的好みが分かれにくいメニューを選んでいます。
月見団子
- 上新粉(米粉)、片栗粉、砂糖を5:1:1の割合で混ぜ、耳たぶの固さくらいになるよう、少しずつお湯を加えながらまとめていく
- お団子のサイズに丸める
- お団子を沸騰したお湯に入れ、浮かんできたら網じゃくしですくう
サツマイモのレモン煮
- 皮つきのサツマイモを1cm幅の輪切りにし、水にさらしてアクをとる
- たっぷりの水にレモン汁と砂糖を入れ、落し蓋をして中火で10分程ゆでる(必要な場合はゆで時間を加減する)
月見そば(うどん)
- 普段どおり、そば(うどん)を作る
- 満月に見立てた生卵をトッピングする
わが家の場合、子どもが小さい時期は卵の黄身を使って十分に加熱した卵焼きをつくり、まるく切り抜いてそば(うどん)の上に載せていました。
子どもと楽しむお月見当日の過ごし方
前の項目でお伝えした「お子さんと、お月見の食べ物を準備する」という過ごし方以外に、次のような過ごし方もおすすめです。
紙皿をデコレーション
わが家では定番の過ごし方ですが、紙皿をかわいらしくデコレーションするというものです。
クレヨンやペンでお絵かきしたり、絵の具で色づけしたり、折り紙でちぎり絵をしたりと楽しみ方は自由。
年齢に関係なく取り組むことができ、短時間(5分ほど)で完成、ゴミもほとんど出ないという、忙しいパパママにぴったりな過ごし方です。
上にラップをかければ、実際の食事の皿として利用できるので、子どもの満足度も高いのがおすすめです。
お月見の絵本
「子どもと一緒に料理する時間がとれない」「工作系は後片付けが大変」というパパママには、絵本の読み聞かせがおすすめです。
『14ひきのおつきみ(作・絵 いわむらかずお)』
『おつきみおばけ(作・絵 せなけいこ)』
『おつきみうさぎ(作・中川ひろたか 絵・村上康成)』
これらは、お月見絵本として人気の作品です。
月を見ながらお話
普段「月」を話題にする機会が少ないというパパママは、ぜひ月を眺めながらお子さんと話をしてみてはいかがでしょうか。
「どう?うさぎ見える?」
「外国では月の中に、イヌ(モンゴル)、ワニ(インド)、カニ(中国の一部)、ライオン(アラビア)、ロバ(中南米)が見えるんだって。○○くん/ちゃんはどう思う?」
などと質問してみてください。
きっと思わぬ返事がかえってくるはずです。
まとめ
日本の伝統的な「お月見」は、月明かり、涼しい風、虫の音、秋の味覚など、秋らしさを五感で感じられる大切な行事です。
この記事で紹介した由来や過ごし方を伝えることで、お子さんがお月見について理解を深めてくれたら嬉しいですね。
毎年、旧暦8月15日(十五夜)は変動します。
ぜひ、夏が終わったら早めにお月見の日程を確認しましょう。
そして、少しずつできることを取り入れながら、お子さんと心豊かな時間をお過ごしください。
この記事を書いた
サポーターママ
-30℃から30℃まで外で駆け回る元気いっぱいの長女、恐竜とおままごとが大好きで甘え上手な次女のママです。
沖縄出身で、海や川であそぶのが大好き。結婚を機に北海道に移住してからは、子どもと一緒に雪あそびを楽しんでいます。
大がつくほどの暑がりでしたが、最近は温泉の魅力にハマりつつあります。
子育て中のママパパはもちろん、妊活中・妊娠中のプレママパパが、妊娠や出産、子育てを前向きにイメージできるような情報をお届けしたいと思っています。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修