2〜3歳の幼児と遊ぶときに役立つアイデアと工夫
子どもにとっての「遊び」は、食事や睡眠と同じくらい大切なこと。
子どもは遊びを通して、体を動かす力を身につけたり、考える力や表現力、社会性を育んだりします。
心身のすこやかな成長のためには、遊びの時間を十分にとりたいものですが、毎回おなじみの遊びだと、子どももママパパもマンネリ化してしまいがち。
そんなときは、子どもの年齢や発達に合わせた遊びを取り入れ、興味の幅を広げていけたらいいですね。
今回の記事では、2~3歳の幼児と遊ぶときに役立つアイデアや工夫を紹介します。
遊びのタネに悩んでいるママパパは、ぜひ活用してみてくださいね。
目次
幼児の発達に合わせた遊びの工夫
まずは2歳児・3歳児の特徴と発達目安を確認しましょう。
ここでは、特に遊びに関連のある「運動能力」と「手指の器用さ」に注目してまとめています。
発達には個人差があるので、「こんな動きができるようになったら、こういう遊びが楽しめるんだ!」と気楽に考えましょう。
「目の前のお子さんと一緒に楽しく遊べそうか」それが一番大切です。
2歳児
自我や自立心が芽生え、「自分でやってみたい」という気持ちが強く表れます。
洋服・靴の着脱や排せつなどの手助けを「ヤダ」「○○がやる!」と嫌がって怒ったり、自分の思い通りにいかないと癇癪を起こして泣きわめくことも。
いわゆる「イヤイヤ期」「魔の2歳児」とよばれる時期です。
運動能力
- しっかりとした足取りで歩く(走る)ことができる
- 足首ほどの高さをまたぐことができる
- 手を使わず両足を交互につかって階段の上り下りをする
- しゃがむことができる
- 両足でジャンプすることができる
- ボールを蹴ることができる
- つま先立ちや背伸びができる
手先の器用さ
- 力強い線を描くことができる
- 1㎝ほどのものをつまめる
- ドアノブ(蛇口)をひねることができる
- 手を使うときに力の加減ができる
- ボタンのかけ外しができ簡単な洋服・靴の着脱を行える
発達に合わせた遊び
- 体の使い方や柔軟性、バランス感覚を養う(例:風船バレー、追いかけっこ)
- 感覚の発達を促す(例:お水遊び、粘土遊び、積み木、お砂遊び)
- 生活の中で体験したことを表現する(例:おままごと、ごっこ遊び、お店屋さん)
- 情緒の安定やコミュニケーションを楽しむ(例:タッチケア、手遊び歌)
3歳児
自我が発達し、理解力やコミュニケーション能力、社会性などさまざまな力を育んでいく時期です。
3歳になれば落ち着くのでは?とひそかに期待していたイヤイヤ期は、さらに拍車がかかり、これまで以上に反抗するように。
この時期は「悪魔の3歳児」とよばれています。
運動能力
- 片足で2~3秒立っていられる
- つま先立ちやその状態で歩くことができる
- うしろ向きに歩ける
- 30cmほどの高さから飛び降りることができる
手先の器用さ
- 衣服の着脱が自分でできる
- 四角や丸など簡単な図形を描ける
- 紙を二つに折ることができる
- ハサミを使うことができる
発達に合わせた遊び
- 簡単なルールのある遊び(例:だるまさんがころんだ、サーキット、しっぽ取り)
- 手指の動かし方やコントロールを養う(例:制作遊び、折り紙、お絵かき)
- 集中力や思考力,創造力を養う(例:カード遊び、なぞなぞ)
- 想像力や表現力などを育む(例:ダンス、リトミック)
家にあるものを使った手作りおもちゃのアイデア
2歳児・3歳児の発達段階に応じた遊び、また、発達を促す遊びを紹介しましたが、すべての遊びをカバーするおもちゃを購入するのは経済面でも収納面でも難しいもの。
そんな悩みは、ぜひ「手作りおもちゃ」で解決しましょう。
おもちゃを手作りすると聞くと「材料や道具をそろえるのが大変」「時間がかかりそう」「不器用だから自信がない」…と不安になりますが、今回紹介するのは家庭で簡単にできるものばかり。
ぜひママパパの隙間時間に、また、お子さんと一緒に取り組んでみてください。
ペットボトルで簡単ぽっとん落とし
赤ちゃんの頃に夢中になって遊んでいたというお子さんも多いのでは?
実はぽっとん落としは、2~3歳児も十分に楽しめる魔法のおもちゃなのです。
手指を器用に動かして小さなものがつまめるようになった2~3歳児用はコンパクトサイズ。
ぐっと難易度が上がります。
<準備するもの>
- ペットボトル
- ストロー10本ほど(カラーモール、細長く切った厚紙でも)
- はさみ(必要な場合)
<作り方>
ペットボトルの胴(円柱部分)の長さを目安にストローを切る
<遊び方>
ストローをペットボトルに入れていく
わが家では、発達段階に応じて「赤と青のストローを入れて」「○〇ちゃんが好きな色のストローを入れて」「緑のストローを2本入れて」「10秒数えるよ。全部入れられる?」など、お題を出すと盛り上がりました。
油性ペンやビニールテープがあれば、ペットボトルに模様を描いたり、巻き付けて飾りつけをしたり、子どもの製作遊びにもつながります。
プリンカップがマラカスに変身
「手作りおもちゃの代名詞」と言えるほど有名ですね。
外周をテープで止めるのに少々コツがいりますが、見た目がいまいちでも遊んで楽しければOK。
普段3個(4個)入りのプリンを買っている方なら、一度に複数作れるので、両手に持って遊べます。
<準備するもの>
- プリンカップ2個(ゼリーカップ、ヨーグルトカップでも)
- ストロー5本ほど(お米、小豆、ボタン、お散歩中に拾った木の実でも)
- ビニールテープ(セロテープでも)
- はさみ
<作り方>
- すべてのストローを1cmほどに切る
- プリンカップ1つに①を入れる
- もう1つのプリンカップをさかさまにして②と重ねる
- プリンカップのつなぎ目をとめる
<遊び方>
完成したマラカスを手に持って振る
わが家では「幸せなら手をたたこう」「おもちゃのチャチャチャ」のような明るい歌、毎朝見る子ども番組の歌に合わせて振っていました。
歌いながら、踊りながらノリノリでマラカスを振っている様子は、しっかり写真や動画で記録。
あとで子どもと一緒に見て楽しんでいました。
複数のマラカスを作れる場合は、中に入れるものを変えて、音の変化を感じるのも楽しそうですね。
食品トレイでカラフルギター
身近な素材ですぐに作れる本格ギターです。
飾りつけ作業がメインなので、子どもが手持ち無沙汰になる「親の作業時間」は少しだけ。
はさみやのりを使うのが苦手な子なら、ビニールテープやシールを貼ったり、油性ペンで模様を描いたり…アイデア次第で2~4歳頃まで楽しめます。
<準備するもの>
- 食品トレイ(発泡)
- 輪ゴム4個(食品トレイの大きさに合わせて増減)
- 厚紙(段ボールでも)
- ガムテープ(ビニールテープでも)
- はさみ
- のり(両面テープでも)
- 色紙(包装紙、明るい色のチラシ、画用紙でも)
- 油性ペン
<作り方>
- 色紙を切ったりちぎったりして、発泡トレイに貼り付ける(油性ペンでお絵かきしたり、ビニールテープを貼っても)
- 厚紙を長方形に切り、ギターのネック部分を作る(こちらも色紙やビニールテープ、油性ペンを使って飾りつけ)
- 食品トレイの短い辺にそれぞれ4か所切り込みを入れ、輪ゴムをかける
- 長さを見ながら③の裏側に②をつける
<遊び方>
ネックを左手に持ち右手で輪ゴムをはじく
わが家では歩き回りながら熱唱し、ノリノリで弾いていました。
ネックが外れてもハープのように抱え込んで遊ぶほどお気に入りで、第2号、第3号、…と何度も作りました。
太い輪ゴム、大きい(小さい)輪ゴムは音色が変わりますし、色つきの輪ゴムは特別感があるようで反応が良かったです。
安全性に配慮した遊びの提案
2~3歳といっても、まだおもちゃを口に入れてしまう可能性は十分にあります。
衛生面も気になるところですが、特に注意が必要なのは誤飲。
おはじきやビー玉、ボタンなどの取扱いにはくれぐれも気をつけましょう。
針などの先が尖っているものや、首に巻きつく恐れのある紐・コード類も避けたほうが安心です。
子どもが道具を使ったり、おもちゃで遊んでいる様子を見守っていると、時に大人が思いつかないような使い方(遊び方)をしていてヒヤリとすることも。
安全に遊べるものを整えることが大切です。
また、使っているうちに無理な力が加わって壊れたり、縫い目がほつれてしまうこともあります。
こまめにチェックして、その都度修繕をしたり、処分することを心がけましょう。
まとめ
子どもの成長は目まぐるしく、周りの大人やお友達とのコミュニケーション、物との関わりからさまざまなことを感じ、学んでいきます。
そのため、子どもの年齢や発達段階にともなった遊びをすることは、子どもの興味の幅を広げる大きなチャンス。
天気が悪い日や保育園・幼稚園がお休みの日、風邪やインフルエンザがはやっている時期などは、ぜひ自宅で身近な素材をつかったおもちゃを手作りして遊んでみませんか。
普段の子どもとは違った一面が見られるのでおすすめですよ。
この記事を書いた
サポーターママ
-30℃から30℃まで外で駆け回る元気いっぱいの長女、恐竜とおままごとが大好きで甘え上手な次女のママです。
沖縄出身で、海や川であそぶのが大好き。結婚を機に北海道に移住してからは、子どもと一緒に雪あそびを楽しんでいます。
大がつくほどの暑がりでしたが、最近は温泉の魅力にハマりつつあります。
子育て中のママパパはもちろん、妊活中・妊娠中のプレママパパが、妊娠や出産、子育てを前向きにイメージできるような情報をお届けしたいと思っています。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修