妊娠後期(臨月)なかなか眠れない原因は?赤ちゃんへの影響はある?対処法・快眠グッズ紹介
妊娠中のマイナートラブルの一つである不眠問題。
特に、「つわりの頃は眠くて仕方なかったのに妊娠後期に入ってからなかなか眠れなくなった」などと、妊娠後期・臨月に不眠に悩まされる妊婦さんは多いものです。
安定期の頃にはぐっすり眠れていた方にとってはとてもつらいのではないでしょうか。
自身の体調だけでなく、おなかの赤ちゃんへの影響も心配になってくることでしょう。
妊娠後期(臨月)になると寝れなくなる原因や赤ちゃんに及ぼす影響、心地よく眠るための対処法などについて解説していきます。
目次
妊娠後期(臨月)なかなか眠れない原因は?
妊娠後期に入ると、
- 眠いのになかなか寝つけない
- 夜中に何度も起きてしまう
- ぐっすり眠れないから寝た気がしない
- 昼間はすごく眠いのに夜になると眠れない
などの不眠に関する悩みを持つ方が増えます。
それらの原因としては、以下のようなことが考えられます。
お腹が大きくなってくるから
妊娠後期にもなると、赤ちゃんがグンと成長してお腹が大きく重くなってきます。
あおむけに寝ることがつらくなったり、股関節や腰が痛んで寝苦しくなったり、寝返りすることがつらくなったりすることが増えます。
また、膀胱が子宮に圧迫されることで頻尿気味になる、大きくなった子宮によって心臓や肺が押し上げられることで動悸や息切れが起こりやすい、血行不良のせいでこむら返りが起きる、といった体の様々な不調が眠りの妨げとなってしまいます。
胎動が激しくなってくるから
お腹の中の赤ちゃんは昼夜関係なく動いています。
ママが寝ているときでもお腹を蹴ってくるため、「痛い!」と目覚めることもしばしば...激しい胎動以外にも赤ちゃんのしゃっくりやお腹の張り等が原因で目覚めてしまい、再度寝ようと試みても気になって眠れなくなってしまうことが増えてきます。
臨月になると『前駆陣痛』という不規則な痛みが現れるケースもあります。
筆者も上の子の出産1週間前から毎晩あったのですが、夜に寝ようとすると生理痛のような痛みや腰痛が定期的に起こるので、痛みが起こるたびに陣痛アプリで間隔を測ったり、5分間隔になったときには産院に連絡して行ったものの着くころには痛みが無くなっていたりとバタバタでした。
熟睡状態であるノンレム睡眠ができなくなって、体や休んでいても脳が起きている状態である『レム睡眠』が増えるため、ちょっとした物音や刺激でも敏感に起きてしまうようになるのです。
不安やストレス
お産が近づいてくると嬉しい気持ちが増す一方で、「いつ陣痛や破水が起こるんだろう」と緊張して神経が過敏になりがちになります。
日々変化する自身の体への不安、お産への不安、産後の育児や生活への不安等が過度なストレスとなり、眠りにくくなってしまうことがあるのです。
また、臨月にもなると産休に入り、仕事をしていたときよりも活動量が減ってしまうケースも多いでしょう。
大きなお腹を抱えて動くこともつらくなり、つい運動不足になってしまうことも。
不安な気持ちやストレスをうまく発散できないことが寝つきや睡眠の質に悪影響を及ぼしてしまうこともあるようです。
ホルモン
臨月になると、プロゲステロンとエストロゲンという2つのホルモンの分泌量が増えます。
プロゲステロンの増加は眠気やだるさ、精神不安定などの症状を、エストロゲンの増加は眠りを浅くしたり基礎体温の低下を引き起こしたりすることがあります。
その結果、“眠いのに寝られない”状態が続いてしまうとされています。
赤ちゃんへの影響はある?
たとえママが睡眠不足であってもお腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。
赤ちゃんはママとは異なる睡眠リズムでお腹の中でちゃんと寝てくれているので安心してくださいね。
ただし、睡眠不足のママは体力が落ちやすかったり注意散漫になりやすかったりするもの。
転倒してしまう、出産時に体力が持たずに分娩が長引く、といった事態にもなりかねません。
また、不眠であることを思い悩むあまり、それが過度のストレスとなって流産や早産のリスクを高めてしまう恐れもあります。
ママが疲れていては赤ちゃんに十分なエネルギ―を送ってあげることができません。
眠れないことでストレスをためてしまわないよう、次にご紹介する対処法や快眠グッズをぜひ試してみてくださいね。
妊娠後期(臨月)なかなか眠れないときの対処法
適度な運動をする
激しい運動は刺激が強すぎてしまったり体に負担をかけてしまったりするので避けた方が賢明ですが、“適度な”運動は積極的に取り入れたいところです。
近所を10~30分ほど散歩する、マタニティママ向けの動画を見ながらストレッチやエクササイズをするなど、「気持ちいいな」と感じる程度でトライしてみましょう。
日中に運動することで血流がスムーズになったり、肩こりや便秘などの不快な症状がマシになったり、自律神経がおだやかになったりしますよ。
ただし、お腹が張るときには無理して続けず中止してくださいね。
リラックスする
気持ちが高ぶっている状態では眠れません。 深呼吸やストレッチをする、足のマッサージをする、クラシック音楽を聴く、読書をする等の自分に合った方法でリラックスするようにしましょう。
入浴時間の調整をする
安眠のための入浴のベストタイミングは就寝の1時間半~2時間前。
この時間に入浴することで就寝の頃には眠りにつきやすい体温まで下がるので、自然に眠ることができます。
寝室の環境を整える
寝室の温度や湿度はどうでしょうか。
寝具やパジャマ、明るさ、音などについても今一度見直してみましょう。
テレビやスマートフォンの使用もブルーライトが睡眠に影響を与えてしまうので、就寝前の使用は控えてくださいね。
妊娠後期(臨月)なかなか眠れないときの快眠グッズ紹介
抱き枕
お腹が大きくなってくると寝るときの姿勢の取り方に悩まされますが、そんな妊婦さんにオススメの寝姿勢といえば「シムスの体位」。
- 体の左側を下にして横向きに寝る
- ややうつ伏せ気味になり、左足を楽な位置までのばす
- 上側の右足を付け根から曲げ、左足より前に出す
- 右手はひじを曲げて前に置き、下側の左手は後ろにのばす
といった手順で寝るのですが、寝姿勢に関しては個人差もあるので自分に合った方法でOKです。
クッションやタオル、抱き枕などを使うと手足の位置が安定するので姿勢が楽になり、より眠りやすくなりますよ。
タオルは高さ調節をしたり足元に置いてむくみやこむら返りを予防したりするのにも役立ちます。
寝苦しさを軽減してくれる抱き枕は様々な種類がありますが、
- 妊娠中の肌にもやさしい綿素材のもの
- 清潔を保つために丸洗いできるもの
- 授乳クッションとしても使えるもの
という点を押さえて選ぶと良いですよ。
温かい飲み物
白湯やホットミルク、ノンカフェインのハーブティーなどの温かい飲み物を飲むと体の芯から温まります。
むくみや便秘を改善したり、不安や緊張を和らげてくれたりもします。
リラックスすると眠りにつきやすくなるのでオススメですよ。
まとめ
妊娠後期は、体だけでなく気持ちの面でもお産に向けて様々な変化がある時期です。
臨月ともなると不安や緊張でぐっすり眠れなくなってしまうのも無理はありません。
眠れなくても過度に心配せず、普段の生活の中で取り入れやすいものから実践し、眠りにつきやすい環境を少しずつ整えていってくださいね。
この記事を書いた
サポーターママ
教師としての経験や自身の子育て経験を元に、webライターとして活動している1男1女のママです。
北欧インテリアや雑貨、お花、ショッピング、料理などが好きで、最近は娘にも料理ブームが到来し、親子クッキングを楽しんでいます。
子育てには悩みがつきもの。
これまで私が経験してきたことや失敗してきたこと、こうすればもっと上手くできたという失敗から学んだことなどを軸に執筆した記事が、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いに思います。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修