赤ちゃん返りとは?いつからいつまで続く?その理由と対処法
下の子が生まれてしばらくすると、上の子によくみられる現象「赤ちゃん返り」。
下の子のお世話だけでも大変なのに、上の子まで手がかかるようになり、二倍三倍に育児が大変との声がよく聞かれます。
下の子に嫉妬して、自分も構ってもらいたい、気を引きたい、という気持ちもわかるのですが、実際にはどういうふうに対処したらいいのか難しいところですよね。
今回はお子さんの「赤ちゃん返り」について解説していきます。
「赤ちゃん返りとはいったいどういう現象なの?」
「いつまで続くのだろう」
「なぜ赤ちゃん返りをするの?」
「どういった対処法があるの?」
皆さんの「赤ちゃん返り」に対するご参考になれば幸いです。
目次
赤ちゃん返りとは?
赤ちゃん返りとは、幼児期にある程度出来るようになってきたことを出来ないと言ってみたり、一度卒業したことをまた要求したりして、赤ちゃんのように振舞うことをいいます。
具体的には
- 抱っこやおんぶなどパパママとのスキンシップをせがむ
- トイレに行かず、おもらしをする
- おむつをはきたがる
- 飲み物を哺乳瓶で飲みたがる
- ママのおっぱいをさわりたがる。またはおっぱいを飲みたがる
- 言葉づかいが赤ちゃん言葉に戻る
- 泣いたり、泣きマネをするようになる
などのように、赤ちゃんのようなことをしてパパママの気を引こうとします。
赤ちゃん返りに個人差は?
赤ちゃん返りにはお子さんによって個人差があります。
- 少しのきっかけでひんぱんに赤ちゃん返りをおこす
- しょっちゅうではないが、たまに赤ちゃん返りをおこす
- ほとんど赤ちゃん返りをおこさない
など様々です。
お子さん自身の性格、家庭環境やまわりの環境など、みんな違ってあたりまえなので、個人差はあって当然です。
あまりほかの子どもと比べて悩まなくても大丈夫です。
赤ちゃん返りはいつからいつまで続く?
赤ちゃん返りが始まる時期は、お子さんのまわりの環境によって変わってくるので、一概にいつから始まると決まっているわけではありません。
4歳頃になると特に環境やお子さん自身の心の成長によって、徐々におさまってくるケースが多いようです。
4歳頃の主な変化としては
- 交友関係が親子兄弟だけでなく、幼稚園や保育園の友だちなど外へ広がっていく
- 恥ずかしいという感情がめばえ、まわりの目を気にするようになってくる
などがあてはまります。
しかし、4歳頃というのはあくまで目安で、ここでもやはりお子さんによっての個人差はあり、下の子が生まれたタイミングや幼稚園や保育園での出来事、お子さん自身の心の成長によって始まる時期もおさまる時期も違っていきます。
早い子では2歳頃でおさまってきたり、4歳を過ぎて小学校にあがってもまだ続いたり、一度おさまったのち、しばらくしてからまた赤ちゃん返りがみられるケースもあるようです。
赤ちゃん返りの理由と対処法
赤ちゃん返りの理由
なぜ子どもは赤ちゃん返りをおこすのでしょうか。
赤ちゃん返りをおこすお子さんの心の中では、とても複雑な感情がぐるぐるまわっています。
- 好きな人(ママやパパなど)の関心を引きたい
- 一緒に遊んだり構ったりしてほしい
- 好きな人とふれあえなくて寂しい
特に下の子が生まれると、下の子のお世話が中心になり、上の子に構ってあげられる時間が以前よりも少なくなりがちです。
今までママやパパの愛情を独占していたのに、それが下の子に向いてしまったように感じ、寂しくて、どうにかして以前の愛情を取り戻したくて、でもそれをどう表現したらいいのかわからず、愛情をたっぷり受けていた赤ちゃんの頃に戻ろうとしてしまうようです。
しかし、言いかえれば、上の子も赤ちゃんの頃にはママやパパからの愛情をしっかりともらっていた証拠でもあります。
なので、上の子の赤ちゃん返りに悩んで、下の子に接することを遠慮する必要はないかと思います。
下の子にも上の子にしたように、たっぷりと愛情をそそいであげてくださいね。
一人っ子は赤ちゃん返りをしない?
では、一人っ子の場合は赤ちゃん返りをしないのでしょうか。
結論から言うと、一人っ子でも赤ちゃん返りをすることがあります。
お子さんの月齢とともに、お子さんのまわりの環境はいろいろと変化していきます。
- 幼稚園、保育園に通いだした
- 保育園、幼稚園で下級生が入ってきた
- パパママが共働きになった
- パパママの仕事が忙しくなり、帰りが遅くなったりする
- パパまたはママが体調を崩して入院した
- 引越しをして生活環境が変わった
これ以外にも、大人にとっては些細な出来事でも、お子さんにとっては重大な変化に感じられることもあるかと思います。
このような、様々な環境の変化がお子さんへのストレスとなっていき、不安に感じて、赤ちゃんのように振舞ってパパママに守ってもらいたいという気持ちのあらわれによって、赤ちゃん返りをおこすケースもあるようです。
これは、お子さんが周囲の変化を感じられるようになってきた証拠でもあり、大きな成長のひとつでもあります。
ただ、まだその周囲の変化に気持ちが追い付いていないだけです。
お子さんの変化をしっかりと受け止めてあげて、愛情をそそいであげれば、自然と落ち着いていくかと思います。
赤ちゃん返りの対処法
まずは気持ちを受け止めてあげる
子どもが赤ちゃん返りをするのには必ず理由と動機があります。
寂しい、関心を引きたい、欲求を満たしたいなどの、子どものサインをしっかりと受け止めて上げることが大事です。
受け止め方のひとつとして、子どもの気持ちを代弁してあげることがあげられます。
「〇〇してほしいんだよね」
「〇〇出来なくて寂しいんだよね」
などと、お子さんの気持ちを本人に伝えてあげましょう。
ある程度月齢が上がってきた頃とはいえ、まだ複雑な感情を上手くことばにすることが苦手な段階ですので、ママパパがしっかりと気持ちを汲み取ってあげることで、お子さんにも安心感がうまれてくるかもしれません。
ある程度月齢が上がってきた頃とはいえ、まだ複雑な感情を上手くことばにすることが苦手な段階ですので、ママパパがしっかりと気持ちを汲み取ってあげることで、お子さんにも安心感がうまれてくるかもしれません。
話すときはきちんと顔を見る
お子さんと話すときは、きちんとお子さんの方に顔を向けて話すようにしましょう。
下の子のお世話の最中や、家事をしているときに子どもから話しかけられると、つい背中で返事をしてしまう場面もあるかもしれません。
赤ちゃん返りの子どもは、とにかく自分を見てもらいたいという気持ちがあるので、家事や育児中の時は大変かもしれませんが、きちんと見てもらえれば、それだけでお子さんの欲求が満たされ、徐々に赤ちゃん返りの軽減につながっていきます。
スキンシップは全力で
ママやパパの手が空いているときには、子どもの「抱っこして」などのリクエストに出来るだけ応えてあげましょう。
それも全力で、普段あまりスキンシップをとれない分、めいっぱい抱っこしてあげましょう。
ときには子どもが嫌がるくらい全力でもアリかと思います。
からだ全身でお子さんに愛情を伝えてあげましょう。
出来たこと、良いところを見つけてあげる
ある程度の月齢になり、色々なことが出来るようになったといっても、まだまだ成長の途中の段階。
毎日新たに出来るようになることがどんどんうまれていき、子どもとしてはそれをママやパパに見てもらいたいもの。
パパママもその気持ちに応えてあげましょう。
お子さんの「出来た」「良いね」を出来るだけ見つけてあげて、成長をたくさん褒めてあげることで、心もそれにともなってだんだんと成長していきます。
感謝の気持ちを伝えてあげる
特に下の子の月齢がまだ低いうちは、なにかと下の子から目が離せず、そのため上の子にはしたいことを我慢してもらわなくてはいけない場面も出てきます。
ですが、上の子が我慢をしてくれるおかげで下の子のお世話も出来るし、家事などをすることも出来るのです。
その感謝の気持ちを、しっかりとお子さんに伝えてあげましょう。
「あなたのおかげで○〇することが出来てわたしも嬉しい。ありがとう」
我慢すること、感謝されること、これは子どもにとって、とても大事な経験であり、成長の大きな財産になっていきます。
ときには二人だけの時間をつくる
下の子のお世話、家事や仕事などで、なかなか上の子との時間がとれないこともあるかと思います。
ときには下の子をパパ(またはママ)、祖父母、ベビーシッターなど誰かにあずけて、上の子と二人だけの時間をつくってあげましょう。
家でゆっくりするのもよし、どこかへおでかけするのもよし。
また、パパが下の子をお風呂に入れている間など、まとまった時間でなくても二人だけの時間は意外と簡単につくれたりします。
そんなときは、めいっぱいお子さんに愛情をひとり占めさせてあげてくださいね。
たまにはママパパもリフレッシュ
わが子の赤ちゃん返りをしっかりと受け止めてあげたいのは山々だけれど、忙しいさなか頻繁に赤ちゃん返りをされてしまうと、さすがにパパママも疲れてしまいますよね。
例えば、今日はパパが子どもたちをみて、ママは一人でのんびり過ごしたり好きなことをしたり、などと、ときにはパパママで協力し合って、お互いにリフレッシュ出来る時間をつくるようにすることも大事です。
まとめ
赤ちゃん返りは、ママパパとの関係の変化、まわりの環境の変化などによって引き起こされます。
これはお子さんがしっかりとまわりの変化を感じられるようになってきた証拠であり、立派な成長の証でもあります。
とはいえ、下の子のお世話や、仕事や家事などで忙しい中で、我が子の赤ちゃん返りと向き合うのは大変です。
ときにはパパママも適度にリフレッシュしながら、無理せずに、のんびりとお子さんの成長を見守っていきましょう。
この記事を書いた
サポーターパパ
お出かけ大好き、あそぶこと大好き一児のパパです。
児童館、学童クラブに15年勤め、現在は新たなフィールドである、会社員兼子育てwebライターとして活動しています。
子どもってかわいい!楽しい!おもしろい!子育てはとても素敵な発見と刺激を毎日与えてくれます。大変なこともたくさんありますけどね(ぐったり…)。
今までたくさんの子どもと関わってきた子育て支援員としての視点、そしてパパならではの視点で、子育て真っ最中のパパママ、これからパパママになる皆さんのお役に立てるような、いろんな情報を発信していきます。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修