妊婦健診はいつから行く?健診内容と費用は?スケジュールも紹介
妊娠したと分かっても、つわりが少ない方などは変化が分かりにくいかもしれません。
初めての妊娠だと、今後の妊婦としての生活を心配する人もいることでしょう。
また、どの位費用がかかるのか不安に感じて、健診を受けることを控え「費用を抑えることはできないか」と考える方もいるかもしれません。
お腹の中では胎児が成長していて、ご自身の体も妊娠による変化をしています。
その確認をするために、定期的に妊婦健康診査(以下、妊婦健診)を受けておくと、自覚症状のない感染症や、自分の体の状態、体質を調べることができ、早めにトラブルにも備えることができます。
妊娠は病気ではありませんが、健康な女性でも妊娠によるトラブルは起こる可能性があるため、妊娠が判明した以降は、リスクを避けるためにも、きちんと妊婦健診を受けるようにしましょう。
また妊婦健診の費用の補助を受けられる受診券(以下、補助券)や、助産師、保健師さんへの相談や母親、両親学級の紹介など情報をスムーズに受けることもできます。
妊婦健診の際には毎回母子手帳を持参してその記録を残します。
毎月、ご自身で書く欄もあります。
保育園や幼稚園の時にも記載された内容を確認する機会があり、今後長く使用するものです。
忘れないように記録を行っていくと良いですよ。
目次
妊婦健診はいつから行く?
産婦人科の受診
まず妊娠検査薬の結果や、生理が遅れて「妊娠しているかも?」と分かると、産婦人科を受診すると思います。
妊娠をしているかどうか検査するだけであれば、婦人科でも妊娠検査を受けることができます。
初診は、最終の月経の開始日から数えて5週から6週を目安に受診すると、正確な妊娠が判定できるようになります。
初診で、赤ちゃんの心拍と胎嚢(赤ちゃんが入っている袋、のこと)が確認できると、医師からの指示があり、母子手帳を取りに行きます。
ただし、この時の健診費用に補助などはありません。
心拍、胎嚢の確認
その後、超音波で心拍と胎嚢を確認できた時点で、正常な妊娠であると診断を受けます。
住民登録している市区町村の役所や保健センターで「妊娠届出書(妊娠届)」を提出すると「母子手帳」を受け取ることができます。
だいたい妊娠5~6週までに医師から案内があり、受け取る方が多いようです。
「母子手帳」を受け取ると、自分が妊婦になったんだなと自覚しますよね。
その後の妊婦健診から使える「妊婦健診受診票(補助券)」も交付されます。
やっと、健診費用の補助を受けられるようになります。
定期的な妊婦健診のスケジュールが決まってきます。
お仕事をしている方は妊婦健診時の時間を取る必要が出てきますので、会社に連絡をしましょう。
【補助券で気を付けるべきこと】
妊婦健診で補助券を忘れた場合、払い戻しはありません。
交付された補助券は母子手帳や保険証などと一緒にして、忘れないようにしておきましょう。
このタイミングに、母子手帳ケースを用意する方も多いようです。
母子手帳や補助券、診察券、保険証、超音波写真などを一緒に入れられる大きさのものがおすすめです。
出産後もそのまま利用できます。
また、補助券は切り離すと無効になる場合もあるようですので、注意してください。
妊婦健診の健診内容は?
妊婦健診では週数によって、問診や診察の内容が異なります。
基本の項目は、尿検査や体重測定、血圧測定、内診、超音波検査(エコー)などで、赤ちゃんの発育具合を見るために子宮底長や腹囲、血圧、浮腫、尿検査(糖、蛋白)、体重測定(1回目は身長も測ります)も行います。
毎回の妊婦検診では、母体や胎児の状態を確認するとともに、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などのトラブルの有無、そして、流産や早産などの心配がないかを調べます。
胎児に異常があるかどうかを調べるために、胎児超音波検査(胎児スクリーニング)という検査があります。
これは、お腹の中の赤ちゃんに外見上の異常などがないかを調べることが可能な精密検査で、出生前検査の一つです。
こちらは自費での検査の対象のため、希望する人のみに行われ、費用も検査する施設ごとに異なります。
また食事や生活のアドバイスを保健師の方から受けるサービスもあり、精神的や経済的に不安な方も妊娠、出産、育児の不安や悩みを相談できる場があって安心ですね。
妊婦検診の流れは下記の通りです。
妊娠初期から23週まで
基本項目の他に、血液検査(血液型や血算、血糖、B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体)や子宮頸がん検診(細胞診)、超音波検査があります。
妊娠初期の超音波検査では、出産予定日や、赤ちゃんの心臓の動き、子宮の異常などを判定するため、母体と胎児にとって重要な検査である位置づけされています。
妊娠初期から30週までに
血液検査(HTLV-1抗体検査)と性器クラミジアがあります。
妊娠24週から35週までに(妊娠中期)
基本項目の他に、血液検査(血算、血糖)、B群溶血性レンサ球菌、超音波検査があります。
ここで血液の検査を行うことで貧血の有無がわかるようになります。
貧血の値が確認できた場合は、鉄剤が処方されますが、鉄剤を服用する前後にお茶や紅茶を飲むと体内で吸収されずに排泄されるため、お茶などを飲む時間に気を付けるようにしましょう。
B群溶血性レンサ球菌の検査では、母体がB群溶血性レンサ球菌の抗体を持っているかを確認します。
もし母体がB群溶血性レンサ球菌の抗体を持っていない場合、自然分娩の際に赤ちゃんが新生児GBS感染症に感染する可能性があるため、抗生剤が処方されることになります。
また、母体と胎児の状態によっては、経腟エコーで胎盤や子宮頸管の状態を検査し、早産や流産の危険がないかなどを検査したりします。
妊娠36週から出産までに(妊娠後期)
基本項目の他に、血液検査(血算)と超音波検査があります。
また、妊娠36週前後に、NST(ノンストレステスト)と呼ばれる、胎児の心拍数の変化を観察して胎児の健康状態を調べる検査も、多くの病院で実施されています。
もしも、この検査で胎児の状態があまりよくなく、自然分娩が難しいと判断されるようであれば、帝王切開の予定を立てるなどの準備が行われます。
他にもつわりの症状が落ち着いてくる頃に「妊婦歯科健康診査」もあります。
妊婦健診を受けられる場所は、病院や診療所、助産所などでつわり中や臨月に近い時も定期的に通うことになります。
そのため、通いやすいところを選ぶことも大切ですね。
母体と胎児の健康状態を把握するためにも、妊婦検診をきちんと受診するようにしましょう。
妊婦健診の費用は?
妊娠は病気ではないため、診療にかかる費用は基本的に全額自己負担です。
健康保険の適用はされませんが、自治体によって公費の助成が14回あります。
(補助を超える場合は自費になります。)
健診費用の目安は、基本検査1回で3千円から7千円、特別な検査も同時に受けると1、2万円ほどかかります。
特別な検査とは、子宮頸がんや子宮がん検診、クラミジア検査などです。
補助の合計は7万円から14万円ほどになり、実費は3万円から7万円ほどに抑えられます(2022年調べ)。
また妊娠高血圧症候群や糖尿病合併、切迫早産など特別な治療や検査、受診に関する料金は保険扱いになるようです。
さらに妊娠中や出産でかかった費用に限らず、1年で10万円を超える医療費も「確定申告」をすることによって、ある程度戻ってくる場合もあります。
かかる金額を見て落胆することなく領収書をきちんと残しておくと、ある程度お金が戻ってきます。
ただ補助券は、受ける場所で利用できる回数や金額が異なります。
お住いの自治体については確認しておきましょう。
妊婦健診のスケジュール
妊娠初期、中期、末期と妊婦健診を受けます。
理想的な妊娠中の健康診査の回数
厚生労働省では、標準的な妊婦健康診査の回数を下記のように例示しています。
◆妊婦健診の頻度
- 妊娠満23週までは、4週間に1回
- 妊娠24週 から妊娠35週までは、2週間に1回
- 妊娠36週から分娩までは、1週間に1回
受診回数は約14 回になります。
お母さんの体調や赤ちゃんの様子、出産をする週によっても回数は異なり、妊娠週数が進むにつれて出産に向けた妊婦検診の回数が多くなり、検診の間隔が短くなります。
また、必要に応じて行う医学的検査の内容は医療機関などの方針や主治医の判断によってもこの限りではありません。
まとめ
分娩前後に帰省する里帰り出産や、住まいの自治体以外で過ごす方もいます。
市区町村によって内容が異なる場合もありますので、母子保健担当に電話などで連絡をとり、母子保健サービスの説明を受けましょう。
自治体によっては領収書を残して、全ての健診が終了した後にお住いの自治体で手続きをすると、返金をしてくれるところもあるようです。(払い戻し)
私は里帰り出産を選びました。
妊娠早々に「切迫早産」という診断を受けてしまい、入院を余儀なくされてしまったからです。
周りに親族がいない地域で入院、出産をすることに大きな不安を感じ、つわりが少し落ち着いた時に実家に戻りました。
主治医と相談して、入院はしないで自宅でお風呂と食事以外は横になって過ごすことを条件に、実家で過ごしましたが、費用の面でいえば切迫早産は入院をした方が保険適用になって良かったのでは、とも思います。
同じ時期に、いくつか年上の友人に「産院によって里帰り出産を受けていないところがあって、何週までに健診を受けていないと予約が取れないというところもあるよ。」と聞いていましたので、里帰り前に産院に連絡をしてスケジュールを組めたことも良かったです。
産院の予約を取っていましたので、とても安心できました。
私の場合、健診の合計回数は14回、体重は12kg増加しました。
妊婦健診もこんなにお金がかかることを知りませんでした。
妊娠、出産で想像をしていなかった日々を過ごすことになり、日々忙しさと疲労で記憶があいまいですが、母子手帳を見返して思い出せています。
また、妊娠をきっかけに自治体ごとの努力も分かり「今後、どこに住んで子育てをしていきたいか」考えるきかっけにもなりました。
ぜひ、妊娠をきっかけに「子育て」や生活について考えて、安心して過ごせると良いですね。
この記事を書いた
サポーターママ
何回かの引っ越しを経て、気づけば4人家族。
下の息子の保活をきっかけに、ライター業を始めました。
私自身はダンスや旅行、動物などに興味があり、新しい経験をすることが大好きです。
現在は「家事も育児も携わりたい!」という想いで、一筋縄ではいかないことも多々ありますが、そのような私の経験が他の方の力になるように気持ちを込めてお伝えできればと思います。
この記事が気に入ったらシェア
歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修