胎教を始める時期は?効果はあるの?やり方やおすすめ絵本と音楽をご紹介
妊娠中、耳にすることの多い「胎教(たいきょう)」。
ひと昔前までは、お腹の赤ちゃんにクラシック音楽や英語を聞かせて頭の良い子になることを期待した「英才教育」というイメージが強くありました。
「胎教」と呼ばれることから、「お腹の中の赤ちゃんのためにする教育」というイメージを持つかもしれませんが、現在では、お腹の赤ちゃんに思いを馳せ、触れ合ったり話しかけたりしながら、お腹の中の赤ちゃんと一緒に音楽を聴いたり、本を読んだりしてコミュニケーションをとり、親子の絆を深めるひとときを過ごす目的を重視して行われています。
妊娠中のママやパパの中にも、胎教に興味を持つ人は多いのではないでしょうか。
ところが、ひと口に胎教といっても様々な考え方や方法があります。
そのため、ママやパパが胎教について調べれば調べるほど、webサイトで検索しても出てくる結果が多いため、その情報量に戸惑ってしまうということも珍しくありません。
この記事では、胎教を始める時期や効果、方法、おすすめの絵本と音楽をわかりやすく紹介しています。
ぜひこの記事を参考にして、お腹にいる赤ちゃんとの穏やかな家族時間を楽しんでください。
胎教を始める時期は?
胎教を始める時期については、ママが始めようと思ったタイミングで大丈夫ですし、逆にいつまでに始めないと遅いということもありません。
妊娠が分かったタイミングで始める人もいれば、胎動を感じるようになってからという人もいます。
お仕事をしているママなら、産休に入ってから始める人が多いでしょう。
いつ始めても大丈夫なのですが、おすすめはおなかにいる赤ちゃんの耳の機能が完成し、耳と脳を繋ぐ神経が成長して、聴覚が発達し始める妊娠16週(妊娠中期・妊娠5ヶ月)頃から。
妊娠27週(妊娠中期・妊娠7ヶ月)頃になると、おなかの赤ちゃんは外の音も聞こえているといわれています。
つわりが落ち着いたママはこの時期を目安に胎教を始めてみましょう。
多くのママが胎動を感じ始める時期とも同じになります。
胎教をして、おなかにいる赤ちゃんから反応が返ってくると、より赤ちゃんのことを愛おしく、生まれてくるのが楽しみに思えますよね。
心身の変化がないパパも、ママのおなかを通して赤ちゃんと触れ合うことができれば、家族みんなで赤ちゃんが生まれるのを心待ちにする気持ちが一層強くなることでしょう。
とはいっても、妊娠中のママの心身の状態は個人差が大きいもの。
ママに負担がかかることのないよう、少しずつ始めることが大切です。
胎教って効果はあるの?
胎教をすると「安産になりやすい」「赤ちゃんの夜泣きが少ない」「情緒が安定した子に育つ」といった効果を聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし残念ながら、これらは科学的に証明されているわけではないため、胎教についてまだはっきりしたことは分かっていません。
ただ、妊娠中のママが穏やかな気持ちで妊娠期間を過ごすという意味で胎教を行えば、おなかの赤ちゃんも穏やかに過ごすことができるのはたしかです。
ぜひ、おなかの赤ちゃんのためだけでなく、心身に負担がかかりやすいママの心の安定のためにも上手に胎教を役立ててみましょう。
新米のママやパパの中には、生まれてくるわが子への接し方に不安を持っている人もいるかもしれませんね。
数を重ねて胎教を続けていると、自然に声かけのスキルが上がるので、実際に赤ちゃんが生まれてからもスムーズに育児を始めることができるでしょう。
胎教のやり方
はっきりとした決まりはないので、おなかをゆっくり撫でたり、優しく話しかけたり、おなかの赤ちゃんとコミュニケーションをとるような気持ちでやってみましょう。
おなかに触れることでママやパパの手のぬくもりが赤ちゃんに伝わり、赤ちゃんにとって良い影響を与え、刺激になります。
また、ママの気持ちはおかなの赤ちゃんにも伝わるものです。
ストレスでイライラしたり、ネガティブな気持ちになる要因からは離れ、ママやパパの声や音楽が届きやすい静かな環境、無理のないリラックスした姿勢でおこないましょう。
初めて妊娠を迎えるママやパパの中には、おなかの赤ちゃんへの接し方が分からず、声をかけることに恥ずかしさを感じる方もいるでしょう。
具体的にどうすればいいの…?というママやパパはぜひこちらを参考にしてください。
胎児ネームをつける
まだ名前を考えていない、生まれてきた赤ちゃんの顔を見て名前を決めたいというママやパパも、おなかの赤ちゃんを呼ぶときの胎児ネーム(愛称)をつけて話しかけてみましょう。
ママやパパ以外に、おじいちゃんやおばあちゃん、上のお子さんなど皆で話しかけるのも素敵ですね。
始めは朝の「おはよう」、夜眠る前の「おやすみ」といったあいさつ、慣れてきたら日常のちょっとしたできごとを伝えてみてください。
絵本を読み聞かせる
ママが子どもの頃に読んでもらった絵本や好きだった絵本、本屋さんや図書館で目にとまった絵本、赤ちゃんが生まれたら読んであげたいと思うような絵本を選択して、声に出して読んでみましょう。
優しい色合いの絵本はママを穏やかな気持ちに、元気な登場人物が出てくる絵本は明るい気持ちにしてくれます。
音楽を聴いたり歌をうたう
芸術性の高いクラシック音楽のCDや、胎教を意識したオルゴールにこだわる必要はありません。
J-POPやロック、ジャズ、カントリーミュージック…とジャンルを広げて、ママやパパが普段聴いている好きな音楽から、リラックスできる、心地よいと感じるさまざまな音楽を選ぶと良いでしょう。
静かな場所で、ゆったりとした姿勢で歌を優しくうたってあげたり、Youtubeなどのアプリからイヤホンで音楽を聞きながらリラックスするのもいいですね。
妊娠中のママはホルモンバランスが乱れ、情緒が不安定になることも多くあります。
いい胎教をしてあげないと…と焦ったり思いつめる必要はありません。
ママが穏やかな気持ちでおなかの赤ちゃんと向き合う生活をすることが大切です。
気分がのらない時は無理に何かをする必要はありません。
「自分のおなかに赤ちゃんがいる」と赤ちゃんの存在を感じることも立派な胎教です。
胎教におすすめの絵本をご紹介
胎教に使いたい絵本や音楽が思い浮かばないという人は、こちらを参考にしてください。
たくさんあって内容まで目を通せないという人もいるかもしれませんが、難しく考えなくても大丈夫。
お祝いに絵本をプレゼントされることもあるかと思いますが、自分で購入する時は、「タイトルが気になる」「絵や色使いが好み」など、ママやパパがいいなと感じた商品を選んで試してみましょう。
『ぐりとぐら』【出版: 福音館書店、 対象年齢:3歳~】
日本が誇るロングセラーのシリーズ絵本『ぐりとぐら』は、幼い頃に読んでもらった記憶があるというママやパパも多いかもしれませんね。
赤と青のとんがり帽子とつなぎがトレードマークのふたごの野ねずみ「ぐり」「ぐら」のわくわくする日常の世界が描かれています。
童心に返って読み進めていくうちに、ほっこり温かい気持ちになれるはず。
幼稚園生、小学生になってからも一緒に楽しめる内容なので、親子の思い出の物語になるでしょう。
『じゃあじゃあびりびり』【出版: 偕成社、対象年齢:0歳~1歳】
シンプルな絵に鮮やかな色使いがパッと目を引くえほんです。
見開きのページに「みず じゃあじゃあじゃあ」のみと文章の量が少ないので、読み聞かせはやったことがないというママやパパも読むのが苦にならないでしょう。
新生児が舐めたりかじったりしても安心なハードブックタイプです。
『どんなにきみがすきだかあててごらん』【出版: 評論社、対象年齢:3歳~】
おなかにいる大切な赤ちゃんには、たくさんの愛を伝えたいものです。
こちらの絵本は、2匹のウサギがお互いに「だいすき」という気持ちを、言葉だけでなく全身を使った表現で、時には想像を膨らませながら、一生懸命伝えあうというストーリーです。
「好き」という言葉が溢れるほど出てくるので、まさに愛情たっぷりの胎教にぴったりな絵本。
ママやパパの想いと重なり、穏やかな気持ちで読み聞かせることができそうです。
『おへそのあな』【出版: BL出版、対象年齢:3歳~4歳】
お腹の赤ちゃんが、お母さんのおへそから、逆さまになっているお兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さんを覗いて見ている世界を描いたお話です。
お兄ちゃんやお姉ちゃんが、赤ちゃんが生まれるとはどういうことか、自分がどうやって生まれてきたのかを知ることができるため、上の子と一緒にお腹の赤ちゃんに読んであげたい一冊で、大人にも好評です。
『かみさまからのおくりもの』【出版: こぐま社、対象年齢:3歳~5歳】
赤ちゃんは、生まれる時にみんな一人一人「かみさまからのおくりもの」をもらえるとされています。
赤いほっぺの赤ちゃんには「よくわらう」を。
大きな赤ちゃんには「ちからもち」を。
これから生まれてくる我が子には、かみさまはどんなおくりものを贈ってくれるのか、ワクワクしながら、胎教の時に読み進めることができます。
『ちいさなあなたへ』【出版: 主婦の友社、対象年齢: 4歳~大人】
これからママになるあなたに、ぜひ手元に置いていただきたい一冊です。
赤ちゃんが生まれてから、大きくなっていく成長の過程を母親の視点から描いており、これからお母さんになる人や子育て中のお母さんの気持ち、そして、自分の母親の気持ちなど、さまざまな過程で主人公に共感をすることができる絵本で、感動が詰まった話題の作品です。
胎教におすすめの音楽をご紹介
『赤ちゃんクラシック 胎教のモーツァルト』
おそらく胎教での音楽教育と聞いて、多くのママやパパが一番に思い浮かべるのがクラシック音楽、とりわけモーツァルトの作品ではないでしょうか。
胎教のおすすめ音楽としてランキングの上位にあるのが、こちらの『赤ちゃんクラシック 胎教のモーツァルト』です。
モーツァルトの曲には小川のせせらぎや木漏れ日など自然界に存在する「1/f ゆらぎ」があり、この「ゆらぎ」がリラクゼーション効果をもたらすといわれています。
ヴァイオリンやピアノなどで奏でられており、心臓のリズムに近い穏やかな曲を厳選しているので、心身の変化でなかなか寝付けないというママにもぴったりです。
『森のオルゴール2~ジブリ&ディズニー・コレクション/α波オルゴール』
長く愛され続けているジブリ&ディズニー数々の名曲を、癒しのオルゴールの音色でアレンジしたアルバムです。
さらに心地よい森の自然音が散りばめられており、イラストが素敵なCDジャケットを見ながらこの音色を聴くと、まるで森の中を散歩しているような爽やかな気持ちを感じることができるでしょう。
普段オルゴールは聴かない、「心を落ち着かせること」に慣れていないというママやパパにもおすすめです。
『マタニティ』
「妊娠中も自分らしくいたい」、そんなママの気持ちに寄り添って完成したのがこちらのアルバムです。実際にマタニィヨガのサロンで使用されることも多く、自宅で体を動かしながら音楽を楽しむのにぴったり。心と体が安らぎ、おなかの赤ちゃんとの一体感も味わえますよ。妊娠初期・中期・後期、それぞれの時期をイメージした構成になっているので、妊娠中のママの強い味方になってくれるでしょう。
まとめ
おなかの赤ちゃんと過ごすかけがえのない妊娠期間はおよそ10ヶ月です。
これから生まれてくる命に思いを馳せ、ママやパパのペースで心穏やかに過ごしたいものですね。
胎教は無理のない範囲でできることから始めるのが一番のポイントです。
ぜひ胎教を上手に役立てながら、楽しいマタニティライフを送ってください。
この記事を書いた
サポーターママ
-30℃から30℃まで外で駆け回る元気いっぱいの長女、恐竜とおままごとが大好きで甘え上手な次女のママです。
沖縄出身で、海や川であそぶのが大好き。結婚を機に北海道に移住してからは、子どもと一緒に雪あそびを楽しんでいます。
大がつくほどの暑がりでしたが、最近は温泉の魅力にハマりつつあります。
子育て中のママパパはもちろん、妊活中・妊娠中のプレママパパが、妊娠や出産、子育てを前向きにイメージできるような情報をお届けしたいと思っています。
この記事が気に入ったらシェア
歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修