妊娠中の仕事|働き方の工夫と体調管理のポイント
妊娠がわかって嬉しい気持ちでいっぱい。でもこれまでどおり働き続けて大丈夫なの……?
働くママの多くは、きっとこのような不安を感じたことがあるのではないでしょうか。
つわり、大きくなるおなか、乳腺の発達で痛む胸、コントロールできない体調。
体も心も大きく変化する妊娠中に働き続けることは簡単なことではありません。
今回の記事では、妊娠と仕事の両立について考えるときに押さえておきたいポイントをまとめています。
これから妊娠を考えているという人、おなかの赤ちゃんのために負担の少ない働き方を模索しているというママやパパ(パートナー)、ぜひこの記事を読んでお役立てください。
目次
妊娠中の働き方の工夫
妊娠後も仕事を続けるには、これまでの働き方を1つ1つ見直すことが必要です。
妊娠中はママの体と心に、どちらにも負担がかかりやすいため、無理をしてはいけません。
何かトラブルがあってからでは遅いので、ママが安心して働くため心がけたいこと、あらかじめ職場に相談しておいたほうがいいことをご紹介します。
通勤手段の見直し
毎朝の通勤、特に満員電車・バスを使う通勤は妊娠中のママの体に負担です。
まずは通勤手段や経路を見直してみしょう。
どうしてもラッシュの混雑を避けるのが難しい場合は、上司に相談して、時差出勤に切り替えるのも1つの方法です。
また、おなかが大きくなるにつれ、歩くペースが落ちたり、膀胱が押されてトイレが近くなったりすることもあるため、妊娠前より少し早めに家を出るよう心がけましょう。
業務内容の見直し
ママとおなかの赤ちゃんを守るために、転倒や事故のリスクが高い作業はできるだけ避けましょう。
また、「これまでやってきたのだから……」と、妊娠前と同じ働き方をしていては、疲労がたまって思わぬ事故を招く可能性もあります。
気になる場合は無理せず、「残業や休日出勤、深夜勤務を外せるか」「時短勤務、在宅勤務に変更できるか」「配置転換は可能か」などを上司と話し合ってみましょう。
私の場合は、ほとんど接客(立ち仕事)ばかりだった業務に、裏方(座り仕事)が加わり、体調に応じて選んでいいという働き方に変わりましたよ。
マスクで対応を
妊娠してから匂いに敏感になったというママもいるでしょう。
特につわりの時期は、周囲からただよう食品や化粧品、たばこなどの匂いが気になったり、吐き気をもよおすきっかけになったりする場合も。
そんなときはマスクを持ち歩くようにするのがおすすめです。
接客業務のような、さまざまな匂いのある環境に身を置く場合は、お気に入りの香りをしみこませたマスクやハンカチで気分転換を図りましょう。
妊娠中の体調管理のポイント
「つわりがひどくて動けない」「出血している」「おなかが張っている」などといった、妊娠前には経験しなかった体の不調が出た場合には、ママ自身も「休まなきゃ」と判断しやすいのですが、見落としがちなのがストレスや疲労の蓄積です。
どんなに働きやすい環境、慣れた業務であったとしても、妊娠中にトラブルが起きる可能性はゼロではありません。
できるだけ無理をしないよう心がけて過ごしましょう。
薄着を避けて体を冷やさない工夫を
体が冷えるとおなかが張りやすくなったり、風邪をひいて体調を崩しやすくなったりします。
冬はもちろんですが、春・秋の朝晩の冷え込みや、夏のエアコンでの冷えにも注意しましょう。
カーディガンやひざ掛けがあると、気温や室温にさっと対応できるので便利です。
雨予報の日は、濡れないように折りたたみ傘などを忘れずに持ち歩きましょう。
座りっぱなしを避ける
同じ姿勢で仕事を続けるのは、おなかの張りや腰痛の原因になることがあります。
特に妊娠をきっかけにデスクワークに携わるようになったママは、前の立ち仕事と比べると体に負担がかからないため、体の不調に気づきにくい場合もあります。
業務のきりがいいタイミングで立ち上がって少し歩いたり、休憩時間に体を軽く動かしたりしましょう。
キャンディーやチョコで対策
空腹になるとつわりの症状が強く出やすいママは、出先でもさっと口に運べるものを持ち歩くようにすると急場をしのげますよ。
私はバッグにキャンディーやグミ、チョコなどを常備していました。
また、妊娠がすすんで小腹がすきやすくなった時期には、ドライフルーツやナッツもおすすめです。
妊娠中の体にやさしい装いを
妊娠中の体調不良の症状やタイミングは人それぞれですが、身につける洋服や靴を工夫することもママができる予防の1つです。
体を締め付けるデザインの服やヒールの高い靴は、体に負担をかけたり気分が悪くなったりすることもあります。
できるだけゆったりとした服装、ローヒールのパンプス(スニーカー、スリッポン)を心がけましょう。
なお、妊娠中のママ向けに、専用のボディサポートアイテム(マタニティブラ、マタニティショーツ、妊婦帯、骨盤ベルト)やマタニティウェアもあり、こちらを着用すると快適に過ごせるのでおすすめです。
惣菜や宅配サービスの利用
買い物や料理、食器の片づけといった家事が負担に感じるママは、お総菜や宅配サービス、家事代行サービスなどを検討するのも1つの方法です。
住んでいる市区町村によっては、産前産後のケア事業として、これらを利用する場合に助成が受けられる場合もあります。
ぜひご自身の街で使える制度がないか確認してみてくださいね。
妊娠中の仕事と周囲とのコミュニケーション
よく「妊娠は病気ではないのだから」と耳にしますが、妊娠前と同じような働き方をしていては、ママの心身に大きな負担がかかってしまいます。
「吐き気をもよおした」「おなかが張っている」「クラクラする」など体調が悪い場合は無理をせず、早めに上司に事情を説明して仕事を調整してもらえないか相談してみましょう。
職場に迷惑をかけたくない、同僚にしわ寄せがいくので申し訳ないと感じるママもいるかもしれませんが、おなかの赤ちゃんを守れるのはママだけです。
「赤ちゃんが第一」と覚悟を決め、周囲に無事出産するまで力を貸してほしいとお願いしましょう。
また、上司との交渉が苦手で自分の希望を言い出しにくいというママは「母性健康管理指導事項連絡カード」を活用しましょう。
このカードは、働き方に関する困りごとを通院先の医師に相談、必要な措置を記入(指導)してもらい、それを職場(事業主)に提出することで必要な対応をしてもらうというものです。
カードは母子手帳に乗っているほか、通院先で入手、厚生労働省の関連サイトからもダウンロードできます。
通勤や作業の制限、勤務時間、休憩(休業)、作業の制限などさまざまな項目があるので、制度をうまく利用して自分に合う負担が少ない働き方の希望を伝えるようにしましょう。
妊娠中の体調は波があり、場合によっては突然休むというときもあります。
いつ休んでしまうかわからない状況だからこそ、これまで以上に業務の共有が必要です。
また、サポートしてくれる上司や同僚にはきちんと言葉にして感謝の気持ちを伝えるように心がけましょう。
まとめ
「働くママ」と一口に言っても、ママ自身の希望や妊娠の経過などもあり、産休に入る時期は一人ひとり異なります。
職場の上司や同僚、ときには取引先(お客さま)の協力を得ながら仕事を続けるのも素敵ですし、妊娠がはっきりした段階で早めに仕事を休み、出産までの期間をゆったりと過ごすのも貴重な経験でしょう。
そしてそのどちらの場合でも、無理をせず、心身をいたわれる環境であることが大切です。
ぜひ、配偶者(パートナー)と相談、協力しあいながら、出産までの日々を気持ちよく過ごしましょう。
この記事を書いた
サポーターママ
-30℃から30℃まで外で駆け回る元気いっぱいの長女、恐竜とおままごとが大好きで甘え上手な次女のママです。
沖縄出身で、海や川であそぶのが大好き。結婚を機に北海道に移住してからは、子どもと一緒に雪あそびを楽しんでいます。
大がつくほどの暑がりでしたが、最近は温泉の魅力にハマりつつあります。
子育て中のママパパはもちろん、妊活中・妊娠中のプレママパパが、妊娠や出産、子育てを前向きにイメージできるような情報をお届けしたいと思っています。
この記事が気に入ったらシェア
歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修