産後のガルガル期とは?感情の変化と乗り越える方法
「出産後かわいい赤ちゃんにやっと会えた喜びの気持ちでいっぱいなはずなのに、理由もなくイライラしたり、気持ちが落ち込んで自分の気持ちをうまくコントロールできなくなり、パパや家族に対して攻撃的な態度をとってしまった」という経験ありませんか?
「赤ちゃんに触らないでほしい」と思ったり、いつもなら気にならないのに、パパの言葉や行動にイライラして、ママ自身でも自分の感情の変化に戸惑ってしまうママもいるでしょう。
それは、もしかしたら「ガルガル期」のせいかもしれません。ガルガル期という言葉は、最近になって良く耳にするようになった言葉ですが、これは産後のホルモンバランスの崩れが原因だと言われています。
このガルガル期の原因が、ホルモンバランスの崩れだとわかっていても、自分ではどうしようもない感情の変化についていけずつらい思いをするママや、ママからきつく当たられて理由も分からず困惑するパパも多いことでしょう。
そこで、産後のママに起こるガルガル期とはどのような現象で、いつまで続くのか、そして、ガルガル期のママの感情の変化とガルガル期を乗り越える方法についてご紹介します。
目次
ガルガル期とは?
ガルガル期とは、出産後の女性の気性が荒くなることを、動物が子供を守ろうとする防衛反応で「ガルガル」と威嚇することになぞらえて付けられた言葉です。
ガルガル期の原因
このガルガル期によってママが産後にイライラしたり気性が荒くなったりするのは、母性本能や産後のホルモンバランの変化によって引き起こされるといわれています。
この精神状態は、ホルモンバランスの乱れに加えて、出産や慣れない育児で精神状態が不安定になって引き起こされるもので「マタニティブルー」の一種であるともいわれています。
ガルガル期になりやすい人
一般的に、頑張り屋さんで完璧主義者な人ほどガルガル期になりやすいと言われています。
頑張り屋さんのママは、「一人で育児をうまくやらなくちゃ!」という強い責任感を持っているので、些細なことにもイライラとストレスを感じてしまいます。
「慣れない赤ちゃんのお世話をきちんとしないと」と、プレッシャーを感じ、そのストレスから攻撃的な態度をとってしまいます。
また、パパが育児や家事に非協力的だったり、ワンオペ育児で疲れがたまっていたりすると起こりやすくなるとも言われています。
いつからいつまで続くの?
ガルガル期に悩んでいるママは、「一体いつになったら落ち着くのか」「自然に治まるものなのか」気になりますよね。
ガルガル期はいつからいつまで
ガルガル期の時期や期間は人によってさまざまです。なかにはガルガル期がない人もいます。
一般的に、ガルガル期は出産後すぐから始まり、早くて1ヶ月~3ヶ月ほどで落ち着くと言われています。
特に、授乳期間中はホルモンバランスに左右されやすく、イライラのピークを迎えるママが多いようです。
しかし、ガルガル期の原因であるホルモンバランスが元に戻っても、ガルガル期が終わるとは限らず、なかには半年以上続く人もいます。
ママの置かれている状況やママの性格によっても違いがあると言われているガルガル期ですが、真面目なママは特に長引く傾向にあるようです。
一方で、周囲にサポートをしてくれる人が多いママは、ガルガル期が比較的短くなるようです。
このガルガル期ですが、「時間が経てばいつかは解決する」と思っても、ガルガル期が長引いてしまうと、ママやパパ、周りの人もつらいですよね。
そこで、ガルガル期に見られる感情の変化とガルガル期を上手に乗り越える方法を紹介します。
感情の変化と乗り越える方法
精神的にも不安定になっているガルガル期、睡眠不足でストレスが溜まったり、気持ちが落ち着かない日が続いたりすると、ママも体調を崩してしまいます。
まずは、ママ自身がガルガル期であることを自覚することが大切です。そのうえで、少しずつでも解消できるような、ガルガル期の乗り越え方を紹介します。
ガルガル期のママの感情の変化
些細なことでイライラして攻撃的になる
今までは全く気にならなかったパパや周りの家族の言動が気になり、イライラして、きつく当たってしまったり、子育ての先輩として意見やアドバイスをしてくる実母や義母、家族や親族の言動が気に障ったりすることがあります。
赤ちゃんを触られるのを嫌がる
赤ちゃんが生まれるまでは、たくさんの人に抱っこしてもらいたいと思っているママも多いでしょう。しかし、赤ちゃんが生まれガルガル期になると自分以外の人に赤ちゃんを抱っこされたり、触られたりするのを嫌がる傾向にあります。ママによっては、「パパに触られるのも嫌!」となることもあるようです。
これは、本能的に「赤ちゃんを守らなければ」とママが感じているからです。
赤ちゃんに触れる人の衛生状態が気になる
出産後は普段以上に、衛生状態に神経質になるママも多いいようです。
慣れない育児の不安が膨らむ
赤ちゃんのお世話を他の人に任せられないという気持ちになり、他の人が赤ちゃんをあやして赤ちゃんが喜ぶと、自分の育児に自信がなくなったり、眠っている姿を見ると気分が沈んだり、不安な気持ちになったりすることがあります。
上の子への配慮ができなくなる
ガルガル期の矛先が上の子に向いてしまうことがあります。ママは生れたばかりの赤ちゃんのお世話で忙しいなか、上の子も赤ちゃんのお世話を手伝おうとしたり、ママの興味を引いたりすることに必死です。
育児や家事で疲れているなか、上の子の気持ちに配慮ができず、ついつい上の子にイライラしてしまったり、ついつい冷たく当たってしまい罪悪感を感じたりするママも少なくありません。
これは、2人以上出産したママの多くが経験をしています。
自分だけとは思いつめないようにしましょう。
ガルガル期の乗り越え方
頑張りすぎない
「全部自分でやらないと!」と頑張りすぎてしまうママも多いでしょう。
しかし、産後のママの身体は想像以上にダメージを受けています。
疲労やストレスを抱え込んでしまうと、体の回復も遅れてしまいます。
頼れる人に頼って、活用できるサービスを上手に使いママの心の余裕を確保し、まずは身体の回復に努めましょう。
パートナーに気持ちを伝え、理解してもらう
ガルガル期という言葉は専門用語ではありません。男性にとってはどうして強く当たられるのか理解できにくいものです。
特に初めての育児の場合、「良いママにならなきゃ!」と育児や家事に強いプレッシャーを感じストレスをため込んでしまいがちです。
そんなママのガルガル期の軽減には、パートナーの理解が特に大切といわれています。
パパは家事や育児などの分担は勿論、心理的なサポートを心がけましょう。
リフレッシュする時間を確保する
育児の合間にできるだけ休息をとるようにしましょう。
「赤ちゃんが寝ているスキに溜まった家事をやろう!」と思う事もるかもしれませんが、体が疲れを感じているのであれば無理をせずに、思い切って休むことも大事です。
また、パパがお休みの時や家族に協力をしてもらい、ママが自分自身の為に使える時間を少しでも確保しましょう。
近くのカフェでお茶をしたり、買い物や映画、美容院に行ったりするなど、ママがリフレッシュすることで、赤ちゃんとの関わり方も変わってきます。
上の子との関わり合いを意識的にする
ガルガル期に上の子にガルガルしてしまい、罪悪感でいっぱいになってしまった時は、上の子を褒めることを意識的にしてみるようにしましょう。上の子は、どんな時もママが大好きです。パパや家族に協力してもらい上の子だけとの時間を過ごすのも良いでしょう。
短い時間でもママを独り占めできる時間を大切にすれば、上の子とも良い関係が築けることでしょう。
悩みを相談する
イライラや悩みを一人で抱え込まず、子育ての悩みや不安を家族や友達に相談してみましょう。話を聞いてもらうだけでも、悩みやストレスは軽減されます。
助産師や保健師などに相談するのもいいでしょう。
まとめ
産後ママが、周囲に対しイライラしたり攻撃的になったりすることをガルガル期といいます。
これは、「赤ちゃんを守ろう」という動物的本能とも言われ、ホルモンバランスの崩れや育児疲れ、睡眠不足、ストレスなど、さまざまなことが原因です。
産後のママはただでさえ出産で身体的にも大きなダメージを受けています。休息とストレス解消を心掛けて、パパや家族、地域の支援サービスなど、周りにサポートしてもらいながらガルガル期を乗り越えていきましょう。
この記事を書いた
サポーターママ
3姉妹のママです。現在は、隙間時間を見つけてライターの仕事をしています。
第1子は、初めての育児で育児書通りのガチガチ育児を経験、第2子は、2歳差育児に奮闘して頑張りすぎ育児を経験、第3子は、完全ゆるゆる育児を実践中です。
私自身も、これまで多くの世のママさんたちの言葉を道しるべに育児をしてきました。
今度は、少しでも頑張っているママさんたちの力になれれば良いな。という思いで発信していきたいと思っています。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修