イヤイヤ期の乗り越え方と先輩ママからのアドバイス:特徴・原因・対処法を解説
言葉も増え、コミュニケーションが上手になってきた頃にやってくる「いや!」「これがよかった!」「あっちいって!」の言葉に、子育て中のお母さん・お父さん疲弊していませんか?
ほんの少し手が離れた頃に見え始めるイヤイヤ期は、別名「魔の2歳児」とも呼ばれています。
つい怒りすぎてしまい自身を責めてしまったり、自信を失くしてしまったりと、日々育児の悩みは尽きないかと思います。
イヤイヤ期が訪れたということは、自我が育ってきている証拠ですので「私、子育て頑張っているな」と自分自身を労って下さい。
そうは言っても、子育て中のお母さん・お父さんにとってイヤイヤ期は大変なものかと思います。
この記事は、イヤイヤ期の原因と特徴、対応方法、先輩ママの体験談を紹介しています。
読んでくださった皆様が「試してみよう!」と思ってもらえるよう、少しでもお役に立てると嬉しいです。
目次
イヤイヤ期ってどんな特徴があるの?理解して上手に対処するポイント
イヤイヤ期の特徴
イヤイヤ期は、早い子で1歳頃から大体3.4歳頃までの期間が多いようです。
1歳頃の特徴
- 保育園に行く前に嫌がる
- おむつを替えようとすると嫌がる
- 好き嫌いが激しくなる
2歳頃の特徴
- 食事の時に座りたがらない
- 自分でなんでもしたがる
- 希望が通らないと怒る、大泣きする
3、4歳頃の特徴
- 心配やアドバイスを嫌がる
- 大人と同じようにしたがる
年齢に関わらず共通点もありますが、年齢と共に言葉や情緒が豊かになっていくため訴える内容や対処方法も変わってきます。
対処のポイント
1歳頃
1歳頃は言葉がまだまだ未分化かつ親の手の届く範囲で動き回るため、できるだけ挑戦させてみてください。
例えば、ティッシュペーパーをひたすらに出し続け止めると怒る場合には、薄いガーゼをたくさん箱に入れた代用品を作り渡してみるのも良いかもしれません。
2歳頃
2歳頃になると少し物事の理屈がわかるようになり、徐々に親のごまかしが効かなくなってくる年齢でもあります。
自分でやりたい気持ちがどんどんと芽生えている時期になるため、子どもが自身の苛立ちをどのように抱えて、発散していくかの手助けが必要です。
思うように物事が進まない苛立ちや煩わしさを言葉にして受け止めてあげてください。
落ち着いた頃に「お母さんと一緒にする?」「これはどうだろう?」など具体的な提案をしてみるとよいでしょう。
3、4歳頃
3、4歳頃になると、言語数・知識が増え、さらに感情がどんどん分化していきます。
2歳までにおよそ300語の言語を獲得し、3歳頃には1000語にも増えると言われています。
そのため、3、4歳頃になると何が嫌だったかを具体的に話すことも少しできます。
大人からの具体的な提案を少し我慢し、落ち着いてきた頃に「どうしたい?」と尋ねたり、あるいはいくつかの提案から選んでもらったりと自立心を促してみるのもよいでしょう。
このようにイヤイヤ期といっても年齢で少し違いがあります。
子どもが今どの段階にいるかをうかがいながら関わると、少し成長を楽しめるかもしれません。
イヤイヤ期の原因とは?先輩ママが体験した乗り越え方と効果的なアプローチ
イヤイヤ期の原因は、実は脳にあると言われています。
脳の前頭前野という部位がまだまだ未発達なため起こります。前頭前野とは、頭の前側にあります。前頭前野は、感情をコントロールしたり、行動を抑制したり、考えたりする部位になります。
つまり、自我がどんどん芽生えるなかで、自分の思いを表現したり、行動に移したりしたいが思うようにできないためイライラしてしまうのです。
そんなイヤイヤ期を乗り越えた先輩ママたちは、どのような関わり方で実際に乗り越えたのでしょうか。体験談を見てみましょう。
1歳、女児のお母さん
スプーンが少し使えるようになり、スプーンを握りしめ離さなくなりました。さらに思ったように使えず、ボロボロとこぼれてしまう状態に子どもがイライラしてしまうのです。
だからといって、手伝おうとするとイヤイヤと大泣きしてしまいます。
結局、子どもとは別のスプーンを持ってさりげなく手伝ったり、子どもが食べやすい器に変えたりしました。
それでも、手伝われることを嫌がるときには、とにかく手出しせず好きなように食べてもらいました。
2歳、男児のお母さん
「お風呂に入ろう」「ご飯できたから座って」と大人に指示をされると「わかってる!言わないで!」と怒るようになりました。
ただ、言わないとまだまだできないので指示すると「もう、しない!いや!」と不機嫌になってしまいます。
「○○ちゃんチームとママチームどちらが速いかな?」と競争してみたり、「ナゲットとミートボールどちらがいい?」と選択肢から選んでもらったりと、本人に主導権を握ってもらいながら関わりました。
3歳、女児のお母さん
朝の忙しい時に限って、着替えを嫌がります。そのため、前日にお店屋さんごっこをしながら服を決めてもらいます。
親が店員となり、何着か選んだ服のなかから選んでもらう、あるいはクローゼットを一緒に見て好きな服を選んでもらうようにしました。
自分で納得して選んだ服なので、比較的来てくれる日は多いです。着替えられたらとにかく褒めています。
いかがでしょうか。ほんの少しだけ先回りして用意しておく、見守る、自主性や主導権を大切にする、遊びを取り入れるなどさまざまな乗り越え方があるようです。
イヤイヤ期を乗り越えるための実践的なアドバイスと効果的なコミュニケーションテクニック
イヤイヤ期は、実は発達段階でも重要な過程となっています。
心理学者のエリクソンは、人間の生涯を8つの発達段階に振り分け、各段階において、危機と呼ばれる課題を乗り越えていくことで成長していくと考えました。
1歳から3歳にあたる時期を幼児前期と言います。徐々に「自分でやりたい!」という強い気持ちに対して、親が子どもに挑戦する機会を与えることで「自律性」が獲得できると言われています。
自律性とは、衝動をコントロールし、自身を律することです。
例えば、ルールを守る、食事やトイレなど自分でできるようになる、意見を主張できるようになるといったものです。
そんな幼児前期の子どもの成長を促し、同時にお母さん・お父さんが少しでも楽にイヤイヤ期を乗り越えるコミュニケーション方法を5つご紹介します。
共感する
「わかるよ、すごく嫌だよね。自分でしたいよね」など共感すると落ち着く時もあります。
楽しみを作る、気を逸らす
「今日はこのかばんで好きな人形さんと出かけようか」と子どもにとっての楽しみ、つまりメリットを提案するようにします。
事前に予測してもらう
大人であっても予期せぬ事態や中断は嫌な気持ちになるかと思います。「手伝ってもいい?」「もうすぐお風呂だから、これが終わったらゲーム止めてね」と先の見通しを事前に伝えるとスムーズに切り替えられる時もあります。
代弁する
お母さんやお父さんが言うとどうしても反抗したくなる時があるかもしれません。人形を使って代わりに話してもいいですし、「お医者さんがお腹痛くなるから野菜食べてって言ってたね」と第三者を話題に出してもいいでしょう。
見守る
イヤイヤモードに対して叱ったり、同じ言い方で指示をしたりすることは、かえってイヤイヤが激しくなります。どうやっても子どもがおさまらない時、親が耐えられない時は、無理をせずに少し離れて見守ってもいいでしょう。
少し落ち着いた頃を見計らって、そっと手を広げ駆け寄ってくる我が子を抱きしめてあげましょう。
まとめ
イヤイヤ期は、とにかく大変かと思います。
ダメなことはダメと伝えながらも、この記事を参考に少しでも楽しんで子育てして下さると嬉しいです。
」イヤイヤ期は、子ども達の自我が芽生えてきた証拠です。
「頑張ってるな」「自分でしたいと思う気持ち素敵」とイヤイヤと言っている背景を思い出しながら接してみると子どもを応援したくなるかもしれません。
また、「いつものイヤイヤでたな」と思っていると、実は体の調子が悪かった、おむつが不快で座りたくなかったなどのサインを見逃していることもあるので注意してみてください。
この記事が気に入ったらシェア
歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修