離乳食期における食事の悩みを解決するためのコツとアドバイス
離乳食は、大人が食べるものとは違い手間暇がかかります。
食材を食べやすい大きさにカットしたり、潰したり、煮込んだり…準備が大変ですが、赤ちゃんにとってはとても大切な食事です。
そんな離乳食に関する悩みは尽きないものです。
幸い、我が家の娘たちはよく食べてくれたので、作り甲斐がありました。
しかし、量を食べている割には体重増加が少なく、よく保健師さんに指導されていました。
今回は、そんな離乳食の栄養面、必要摂取量、アレルギー対策の仕方などをご紹介したいと思います。
目次
離乳食期の成長や栄養素に必要な食材について
離乳食時の成長を支える栄養素は大きく5グループに分けられます。
この5グループを毎食バランスよく取ることが大切です。
炭水化物
例)ごはん、パン、麺類、いも類など
からだや脳のエネルギーとなり、赤ちゃんの元気の源となります。
主に主食となる食材に多く含まれている栄養素です。
ビタミン、ミネラル
例)野菜、果物、海藻など
身体の調子を整え、代謝や吸収を助けてくれます。
副菜として野菜や果物を足せば、彩りもきれいに仕上がり、見た目の楽しさも増します。
たんぱく質
例)魚、肉、卵、大豆製品、乳製品など
赤ちゃんの筋肉や骨などの成長には欠かせない栄養素です。
主菜となる食材に多く、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があります。
鉄分
例)魚、肉、ほうれん草など
血液の赤血球の中にある酸素を運ぶ物質『ヘモグロビン』は、鉄によってつくられます。
鉄が不足するとヘモグロビンがたりなくなり、体のさまざま組織に悪影響を及ぼす心配が出てきます。
特に赤ちゃんは離乳食で鉄分を補わないと、鉄不足になりやすいそうです。
カルシウム
例)牛乳、乳製品、小魚など
赤ちゃんの成長は著しいため、多くのカルシウムが必要となります。
カルシウムは、骨や歯を形成するのに欠かせないものです。
ほかにも神経や筋肉を調整する働きなども持っています。
主食・主菜・副菜(プラスでフルーツ)が毎食あるように意識してみるといいでしょう。
バランスよく栄養が取れる離乳食は、赤ちゃんの身体にとってとても大切なことです。
味付けは同じだけど使う食材を変えてみたり、忙しい朝はパンにしてみたりと、負担にならない程度に頑張ってみてください。
また、離乳食中は母乳やミルクも赤ちゃんの栄養となります。
まだ体の小さな赤ちゃんは、離乳食だけでは十分な栄養を摂ることができません。
特に1歳になるまでは毎食後、母乳やミルクを与えてあげましょう。
母乳メインで育てている方は、鉄分やカルシウムがミルクに比べて不足してしまうので、離乳食で補ってあげてください。
私は保健師さんに、卒乳後は牛乳やヨーグルトを1日400gは取らないといけないと言われました。
意外と摂取量が多いので、離乳食で補えるように工夫してみてください。
食べる量や種類に関する問題と解決法
離乳食の量や種類は、離乳食の段階によって変わります。
ここでは、段階ごとに分けて詳しく解説していきたいと思います。
離乳食初期(生後5-6ヶ月ごろ)
初期の離乳食は、1日1回からはじめましょう。
まずは10倍がゆからスタートして、次にすりつぶした野菜をあげていきます。
初めてあげる食材はスプーンひとさじから始めて様子を見て徐々に量を増やしていきます。
野菜に慣れてきたら果物、豆腐や白身魚、卵黄などのたんぱく質も試しましょう。
量の目安として、開始から1〜2カ月で主食を5さじ、野菜・果物を5さじ、たんぱく質を3さじくらいまで増やすイメージで進めていきましょう。
初期はまだ母乳やミルクが赤ちゃんの食事のメインとなります。
離乳食をうまく食べなくても、母乳やミルクが飲めていれば大丈夫だそうです。
離乳食後もきちんと飲ませてあげましょう。
離乳食中期(7-8月ごろ)
中期の離乳食は、1日2回食になり、舌でつぶせる固さのものが食べられるようになります。
離乳食中期の一食分の量は以下を目安にしてください。
一食分の量(目安) | |
---|---|
穀類 7倍がゆ | 50〜80g |
野菜・果物 | 20〜30g |
たんぱく質 | 10〜15g |
肉 | 10〜15g |
豆腐 | 30〜40g |
卵 卵黄 | 1個〜全卵3分の1個 |
乳製品 | 50〜70g |
細かく書きましたが、あくまで目安です。
食べられるものも増えるので、魚と豆腐を使う、2種類〜3種類の野菜を使うなど、複数の食材を組み合わせて使うこともあると思います。
その時は量を調整するようにしてください。
ご飯に食材を混ぜて混ぜご飯にすると、赤ちゃんも食べやすくなります。
また、中期もまだ離乳食だけでは栄養が足りません。
離乳食の後には必ず母乳やミルクを与えるようにしましょう。
離乳食後期(9-11ヶ月ごろ)
後期の離乳食は、1日3回食になり、歯茎でつぶせる固さのものが食べられるようになります。
離乳食後期の一食分の量は以下を目安にしてください。
一食分の量(目安) | |
---|---|
穀類5倍がゆ | 80~90g |
野菜・果物 | 30~40g |
魚 肉 | 15g |
豆腐 | 45g |
卵 全卵 | 2分の1個 |
乳製品 | 80g |
食べられる食材が増えるので、レシピを考えやすくなると思います。
食材を複数組み合わせて作るといいでしょう。
片栗粉などでとろみをつけると食べやすくなります。
後期もまだ母乳やミルクで栄養を補う必要があります。
徐々に卒乳を考える方もいると思いますが、この時期はできるだけ離乳食後も母乳やミルクを与えてあげましょう。
離乳食完了期(12-18ヶ月ごろ)
完了期の離乳食は、1日3回の食事と1〜2回の補食で、必要なエネルギーや栄養素をほぼ補えるようになります。
形のある食べ物をかみつぶせるようになるので、手づかみ食べが上手になります。
そして、だんだんとスプーンやフォークを使うことを覚え、自分で食べる準備をしていく時期になります。
離乳食完了期の一食分の量は以下を目安にしてください。
一食分の量(目安) | |
---|---|
穀類 軟飯もしくはご飯 | 80〜90g |
野菜・果物 | 40〜50g |
魚 肉 | 15~20g |
豆腐 | 50~55g |
卵 全卵 | 2分の1〜3分の2個 |
乳製品 | 100g |
完了期は味付けにも慣れ始める時期なので、離乳食のレパートリーも増えていきます。
私たち大人が食べる料理を真似て、食材を小さく切り味付けを薄くして出してあげるといいでしょう。
この時期になると母乳やミルクからの栄養はなくても大丈夫になります。
ただし、その分カルシウムを補わなければなりません。
牛乳を飲ませたり、ヨーグルトを食べさせたり、料理に牛乳を使用したりして補ってみてください。
食事のリズムや手作り食材の作り方、アレルギー対策など
ここでは、食事のリズムの作り方、手作り食材の作り方、アレルギー対策について書いていきます。
食事のリズム
なるべく決まった時間にあげるように心がけましょう。
決まった時間に食事を摂ることで、生活リズムも身についていきます。
離乳食初期は1回食ですが、初めて口にするものが多い時期なので、なるべく午前中に食べさせましょう。
アレルギー症状などが出た時に、病院に行けるようにするためです。
病院がやっていない日は、新しい食材を試すのを避けましょう。
離乳食中期は2回食になります。
午前に1回、夕方ごろに1回あげると、授乳やミルクのタイミングと合わせやすくなります。
まだ2回食なので、大人と同じタイミングで食べるというよりは、授乳やミルクのタイミングに合わせてあげた方がいいでしょう。
離乳食後期・完了期は3回食です。私たち大人と同じ時間に、一緒に食べるようにしましょう。
一緒に食べることで生活リズムがとりやすくなります。
また、赤ちゃんも一緒に食べると嬉しい、楽しいという気持ちが芽生えます。
手作り食材の作り方
月齢にあった形、固さにしてあげましょう。
もしくは、赤ちゃんの歯の本数で形や大きさを変えてあげるといいでしょう。
離乳食初期は、基本すりつぶします。
すり鉢やブレンダーなどで潰して、滑らかな状態にしてあげましょう。
また、食材同士は混ぜすに、単品であげるといいでしょう。
アレルギー対策にもなります。
離乳食中期は、豆腐ぐらいの固さで、舌ですりつぶせるぐらいにしましょう。
みじん切りやほぐした状態で、まだドロドロに近い形で大丈夫です。
アレルギーの心配がない食材は、混ぜて調理してもいいでしょう。
離乳食後期は、バナナぐらいの固さで、歯茎で潰せるぐらいがいいでしょう。
野菜などは5-7ミリぐらいの角切りにして大丈夫です。
片栗粉でとろみをつけてあげると食べやすくなります。
離乳食完了期は、手づかみ食べをたくさんさせてあげましょう。
手づかみ食べは、手を使う練習にもなり、脳も刺激してくれます。
歯茎で噛めるぐらいの固さを基本とし、野菜などは1センチ角ぐらいの大きさにします。
ごはんは一口サイズに丸めてあげるといいでしょう。
おかずは、複数の食材をおやきにしたり、いも類と丸めてだんご状にしたりしてあげると、手づかみ食べを促してあげられます。
アレルギー対策
アレルギー対策としては、アレルギーの出やすい食材はなるべく少量からスタートさせることが大切です。
特に卵は、アレルギーが出やすいので、ゆっくり進めていきましょう。
固ゆでした卵黄を耳かき1杯程度の量から始め、離乳中期に卵黄1個~全卵1/3個、離乳後期に全卵1/2個、離乳完了期に全卵1/2~2/3個を食べられるように進めていきましょう。
食物アレルギーは食べたらすぐ症状が出ます。
離乳食を食べた後に赤みはないか、発疹はないかをよく確認してください。
もし症状が出た場合は、すぐに病院へ行きましょう。
アレルギーが出やすい食材は、なるべく病院が開いている時間に試してみると、症状が出ても安心できるかと思います。
まとめ
今回は離乳食にまつわることをいろいろと書かせていただきました。
離乳食の進め方は、よく月齢ごとにアドバイスがされていますが、赤ちゃんの成長具合や状態によって、多少ずれても問題ありません。
あまり神経質にならないようにしてください。
赤ちゃんにとってもママにとっても、離乳食が楽しいものになるといいなと思います。
この記事を書いた
サポーターママ
みんなにちやほやされすぎて、すっかり甘えるのが上手になった次女と、そんな次女を溺愛してやまない、家族一しっかり者の長女がいます。
私は昔から工作や絵を描くことが好きで、長女とよくかわいいプリンセスの絵を描いたり、簡単なおもちゃを作ったりして遊んでいます。
また、なるべく低コスパで、みんなが楽しめるようなものを考えて作るよう、工夫しています。
自分のアイデアやほかの人のアイデアを吸収して、これからも2人のかわいい娘のママとして成長していきたいと思っています。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修