離乳食で「牛乳」はいつから?選び方や量と進め方のポイントも
毎日ごはんを食べて元気にすくすく育っていく赤ちゃん。
離乳食真っ最中のお子さん、もしくはこれから離乳食がはじまるお子さんをもつパパママとしても、我が子にはたくさん食べて丈夫なからだに育ってほしいと願うところ。
そのようななか、離乳食に牛乳を取り入れたいと考えているパパママもいらっしゃるかと思います。
今回は、お子さんの離乳食でぜひ取り入れたい「牛乳」について解説していきます。
牛乳は栄養が豊富で、からだを丈夫にしてくれる半面、いろいろと注意しなければいけないこともあります。
「牛乳っていつごろから与えていいの?」
「適量はどれくらい?」
「どういうふうに進めていくの?」
「注意しなければいけないことってなに?」
など、皆さんの疑問解決のヒントになれば幸いです。
目次
離乳食の「牛乳」はいつから始める?
離乳食への牛乳の使用は、離乳食中期(生後7~8ヶ月)あたりから少しずつ始めていきます。
牛乳は、血や筋肉など、からだをつくる「たんぱく質」や、歯や骨をつくる「カルシウム」が豊富に含まれています。
赤ちゃんは1歳を過ぎたころから、からだや骨の成長にカルシウムを消費するため、カルシウム不足になりがちです。
牛乳はカルシウム不足をおぎなうため、とても適した食品のひとつです。
飲み物として牛乳を飲ませるのはいつから?
牛乳を飲み物として飲ませるのであれば、1歳以降にしましょう。
生後9ヶ月頃になると、赤ちゃんの成長にとって必要な栄養素のひとつ「鉄分」が消費されやすくなり、離乳食で不足した鉄分をおぎなうことが必要になっていきます。
しかし、牛乳には鉄分はあまり含まれておらず、体内への吸収の割合も少ないため、月齢が低いうちから牛乳を飲ませていると、貧血を起こしやすくなってしまうおそれがあります。
この「鉄欠乏性貧血」に関しては、厚生労働省が提唱する「授乳・離乳の支援ガイド」のなかでもふれられています。
まずは離乳食の材料として、少しずつ始めていきましょう。
牛乳の選び方や量と進め方のポイント
牛乳の選び方について
牛乳に代表される乳飲料は成分や製法の違いにより、色々な種類があります。
- 牛乳:牛からとれた乳(生乳)を加熱殺菌したもの。成分無調整牛乳とも表記されています。
- 成分調整牛乳:生乳から水分、ミネラルなどを除いて成分を調整したもの。
- 低脂肪牛乳、無脂肪牛乳:生乳から乳脂肪分を除いてつくられたもの。
- 加工乳・乳飲料:生乳をベースとしてバターなどの乳製品や果汁などの乳製品以外のものをくわえたもの。
味や価格など種類によって違いがありますが、離乳食の材料としては、味がしっかりしていてコクもあり、からだをつくる栄養価が高い、成分無調整の牛乳から始めるとよいでしょう。
ヨーグルトは食べさせてもいい?
牛乳とよく似た離乳食の材料として「ヨーグルト」があげられます。
ヨーグルトは牛乳を発酵させた食品です。
こちらも牛乳と同じく、離乳食中期(生後7~8ヶ月)から始めても大丈夫です。
なめらかで消化もよく、離乳食の材料として適しています。
糖分の過剰摂取をひかえるため、プレーンヨーグルトがよいかと思います。
牛乳の量について
離乳食で使う牛乳は、月齢に応じて少しずつ量を増やしていきます。
はじめての牛乳
はじめて離乳食に牛乳を入れる場合は、スプーン小さじ1杯程度から始めます。
牛乳をとることで、おなかをこわしたり、アレルギーをおこしたりしてしまうことがあるため、はじめは少量で、そこから様子をみながら徐々に量を増やしていきます。
離乳食中期(生後7~8ヶ月)
1回の食事につき、牛乳55ml~75ml程度を離乳食の材料として使用します。
ヨーグルトを離乳食の材料にする場合は50g~70gを目安に使用します。
牛乳、ヨーグルト両方を使用する場合は、最初のうちはそれぞれの量を減らして使用するようにしましょう。
離乳食後期(生後9~11ヶ月)
この頃になると、朝、昼、夕、の3回食がはじまる頃です。
1回の食事につき、牛乳90ml、ヨーグルトなら80g程度を離乳食の材料として使用します。
離乳食完了期(1歳~1歳6ヶ月)
1回の食事につき、牛乳110ml、ヨーグルトなら100g程度を離乳食の材料として使用します。
1歳を過ぎると、牛乳をそのまま飲めるようになっていきます。
はじめのうちは1日300~400mlを目安に飲ませるようにしましょう。
上記の量はあくまで目安です。
お子さんによって体質の違いや、その日によっての体調の差もあるため、様子をみながら、お子さんのペースに合わせて調整していきましょう。
牛乳使用の進め方のポイント
アレルギーと乳糖不耐症
離乳食への牛乳をはじめていくのにあたって、注意しておかなければいけないのが「アレルギー」と「乳糖不耐症」です。
牛乳(乳製品)のアレルギーは、からだに入れてからすぐに発症する場合が多く、湿疹、かゆみなどの症状があらわれます。また、下痢、腹痛、嘔吐などの症状もみられることがあります。
乳糖不耐症は、からだのなかで牛乳を分解する酵素が弱いことで、下痢や腹痛、嘔吐などを起こしてしまう症状です。
一見すると、下痢や腹痛など胃腸系の症状は、アレルギーなのか乳糖不耐症なのか判別がつきづらいかもしれません。
これらの症状は、赤ちゃんの体質やその日の体調によって個人差があります。
はじめて牛乳を与える場合は特に注意が必要ですが、最初は大丈夫でも、ある日突然発症する場合もあるので、しばらくは注意して様子をみてあげてください。
最初は少量から
赤ちゃんの牛乳をはじめる際は、アレルギー等の可能性を考慮して、最初は少量からはじめましょう。
スプーン小さじ1杯程度で十分かと思います。
しばらくはそれで様子をみて、体調の変化などがなければ、徐々に量を増やしていきましょう。
あせらず徐々に増やしていく
赤ちゃんによっては牛乳の味が気に入り「もっともっと」と欲しがる場合もあるかもしれません。
ですが、前述したとおり、牛乳はアレルギーや乳糖不耐症、1歳前後では鉄欠乏性貧血を起こす可能性があるため、欲しがるがままいきなり大量に与えるのではなく、月齢に応じて徐々に増やしていきましょう。
牛乳を与えるのは平日午前がベスト
牛乳を与える時間帯は、特に最初のうちは「平日の午前中がベスト」です。
もしもアレルギーなどで体調が悪くなったとしても、すぐに小児科へつれて行けるからです。
牛乳を使った離乳食を食べたあと、もしくは直接牛乳を飲んだあとは、しばらく赤ちゃんの体調に気をくばり、少しでも変化がみられるようならすぐにかかりつけの小児科へつれて行ってあげましょう。
いきなり体中の湿疹や、嘔吐などがあるとびっくりしてしまうかもしれませんが、あわてず落ち着いて、保険証も忘れずにお持ちください。
牛乳を使った離乳食おすすめレシピ
離乳食☆中期♪きなこミルク粥
材料(1人分) | |
7倍粥 | 大2 |
きなこ | 小1 |
牛乳 | 大1 |
作り方
- 小鍋に7倍粥と牛乳を入れて伸ばすようによく混ぜる。
- 弱火で一煮したら、器にいれ、きなこをトッピングして完成♪食べるときによーく混ぜてあげてください!
離乳食の代表といえばおかゆ。
これに牛乳を混ぜて赤ちゃんにも食べやすくした甘いおかゆ「ミルク粥」。
もともとのおかゆにミルクを混ぜてお鍋で煮るだけのお手軽離乳食です。
今回はこれにきなこをトッピングしたものをご紹介。
きなこは牛乳と同じくたんぱく質やカルシウムを多く含んでおり、加えて赤ちゃんに不足しがちな鉄分などもしっかりとれる栄養満点の食品です。
牛乳離乳食デビューにぜひ試してみてくださいね。
離乳食☆中期♪きなこミルク粥
https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1230001338/?l-id=ios-share
離乳食*レンジで簡単!蒸しパン*おやつ
材料(1人分) | |
小麦粉 | 20g |
砂糖 | 3g |
ベーキングパウダー | 1g |
牛乳or粉ミルクor水 | 25g |
作り方
- 耐熱容器に全ての材料を入れて、よくかき混ぜる
- 600wで1分半、ふんわりラップをして加熱する
- きな粉を入れる場合は小麦粉15g きな粉5gで作ってみてください
おやつ感覚でおいしく食べられる離乳食「蒸しパン」。
材料をまぜてレンジで温めるだけのお手軽料理です。
材料をまぜる段階で、小さく切った野菜やきなこを入れてみたりと、なにかとアレンジがしやすく、離乳食が終わったあとも長く活躍してくれるかもしれません。
離乳食*レンジで簡単!蒸しパン*おやつ
https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1640035150/?l-id=ios-share
離乳食後期「ささみのホワイトシチュー」
材料(4食分人数) | |
鶏ささみ | 1本 |
玉ねぎ | 1/4個 |
にんじん | 1/3本 |
ブロッコリー | 1/4房 |
牛乳 | 200cc |
水溶き片栗粉 | 大2 |
作り方
- 玉ねぎ、にんじんは皮をむき、5〜8mm角に切る。ブロッコリーは房と茎に分け、茎の部分は5〜8mm角に切る。
- ささみは筋を取り、5〜8mm角に切る。
- 小鍋に玉ねぎ、にんじん、小鍋の半量程度の水を入れて沸騰させる。
- ささみ、ブロッコリーを加えて、にんじんが柔らかくなるまで煮る。
- 牛乳を加えて沸騰しないように加熱して、水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。
- 多めの分量のためフリージング容器に入れて冷凍保存も可能です。※1週間程度で食べ切ってください。
牛乳を使った料理の定番のひとつ「ホワイトシチュー」。
離乳食後期くらいから活躍してくれる料理です。
牛乳、お肉、野菜、いろいろな食材をおいしく食べられて栄養満点です。
お肉や野菜に抵抗があるお子さんでも、シチューにすることでおいしく食べてくれるようになるかもしれません。
離乳食後期「ささみのホワイトシチュー」
https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1400031760/?l-id=ios-share
まとめ
牛乳に豊富に含まれているたんぱく質やカルシウムは、赤ちゃんが丈夫なからだに成長していくのをサポートしてくれます。
パパママとしても、我が子には元気で大きく丈夫に育ってほしいと願うところ。
アレルギーなどの不安もあるかと思いますが、まずは無理せず少しずつはじめていきましょう。
お子さんの成長のため、ぜひ離乳食に牛乳を取り入れてみてくださいね。
この記事を書いた
サポーターパパ
お出かけ大好き、あそぶこと大好き一児のパパです。
児童館、学童クラブに15年勤め、現在は新たなフィールドである、会社員兼子育てwebライターとして活動しています。
子どもってかわいい!楽しい!おもしろい!子育てはとても素敵な発見と刺激を毎日与えてくれます。大変なこともたくさんありますけどね(ぐったり…)。
今までたくさんの子どもと関わってきた子育て支援員としての視点、そしてパパならではの視点で、子育て真っ最中のパパママ、これからパパママになる皆さんのお役に立てるような、いろんな情報を発信していきます。
この記事が気に入ったらシェア
歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修