出産準備の一つ「水通し」必ず必要?やるべき理由。赤ちゃん服の洗い方も解説
ベビー服を買ったり育児用品をそろえたりと出産準備を進めるうえで、よく見聞きするのが『水通し(みずとおし)』という言葉です。
はじめて育児をするママやパパであれば、
- 水通しって何?
- いつどうやるの?
- なぜ水通しをしなければならないの?
- どんな洗剤が必要?
など、さまざまな疑問が出てくることでしょう。
そこで今回は、赤ちゃんを迎えるための大切な準備の一つである『水通し』の意味や目的、具体的な方法などについてくわしくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
出産準備の一つ「水通し」とは
水通しとは「新品の衣類やタオル類などを使用する前に水で洗っておくこと」を指して言います。
「新品なのにわざわざ洗うの?」とおどろかれる方もいらっしゃるかもしれませんが、販売されている真新しい衣類には、赤ちゃんの肌に刺激となる成分が含まれていることが少なくありません。
生後まもない頃の赤ちゃんの皮膚の厚さは非常にうすく、大人の半分ほどしかないため、傷つきやすく、皮膚のバリアとなっている機能が未熟で外的刺激にとても敏感です。
買ってきた洋服をそのまま着せてしまうと肌トラブルを引き起こしてしまう可能性があるため、ベビー服や肌着以外にも、シーツ、おくるみ、ガーゼ、ミトン、スタイ、タオルなど、新生児の肌に直接触れる布製品に関しては事前に水洗いをして、赤ちゃんのデリケートな肌を守ることが大切です。
布製のぬいぐるみなども衣類などと同様に水通しが必要なため、忘れずに水洗いをするようにしましょう。
水通しをやめる時期は特に決まりはありませんが、厚生労働省が「出生後24月以内の乳幼児用繊維製品のうち、おしめ等11品目に含まれる有害物質『ホルムアルデヒド』の含有量について規制」をしていることを考慮すると、2歳頃までを水通しを行う目安にするとよいでしょう。
参考・一部抜粋: https://www8.cao.go.jp/
出産準備の一つ「水通し」必ず必要?やるべき理由
基本「新品ならほこりやダニもついていなくて清潔なのでは?」と水通しの必要性に疑問を感じる人もおられることでしょう。
たしかに新しい服にたくさんほこりやダニが付着している可能性は低いかもしれませんね。
しかし、実際は水通しの目的は何もそれだけではありません。
以下で水通しをやるべき具体的な理由や、さまざまな効果について知っていきましょう。
*糊(のり)を落として吸水性を高めるため
新しい衣類や寝具などのアイテムには糊が付いているため、吸水性がよくありません。
しかし、子どもは大人以上にとても汗っかき。
吸湿性や吸水性が良くないものを身に付けていると、あせもなどの肌トラブルをすぐに引き起こしてしまう危険性があります。
ですから水通しをすることによって衣類に付着している糊を落とし、水分や汗をしっかり吸水、吸汗できる状態にしておいてあげることが大切になってくるのです。
*着心地をよくするため
糊によってパリッとさせてある新品の衣類やタオル類の肌触りはゴワゴワと固いものです。
刺激に弱く傷つきやすい赤ちゃんの肌にとっては、それもまたかぶれなどの原因となってしまう恐れがあります。
水通しをすると、ごわつきのある生地が柔らかくふわふわとした肌触りになるので、着心地がよくなるのです。
肌の弱い赤ちゃんに安心して着せてあげることができますね。
*ホルムアルデヒドを落とすため
新品の衣類には、シワ防止や防虫対策のために「ホルムアルデヒド」という化学物質が使用されていることがあります。
ホルムアルデヒドの物質の濃度が高い場合には、発疹やアレルギーなどの症状を引き起こしてしまう可能性があるため、海外の基準に比べても日本の乳幼児用の肌着や服などの商品へのホルムアルデヒドの使用には厳しい規制がされており、乳児用の衣類等を作る会社はその基準値以下になるよう製造をしています。
とはいえ、ホルムアルデヒドが全く含まれていないというわけではありません。
ホルムアルデヒドは水に溶けやすい性質なので、ゴシゴシと洗う必要はなく、優しく水洗いを行い、有害物質を除去してあげれば大丈夫です。
*色落ちや衣類の縮み防止のため
これは大人の衣類でも同じ理由で、普段の暮らしのなかで購入したばかりの洋服を水洗いしてから着ているというご家庭もあるかもしれませんね。
購入した後、着る前に洋服を水通しすることで、色落ちや衣類の縮みを防止することができます。
染料を多く使った洋服は、他の衣類と一緒に洗うと色移りする可能性があるため、分けて洗うようにします。濃い染料は赤ちゃんのデリケートな肌に刺激を与える可能性があるため、水通しをして赤ちゃんの肌への刺激を抑えるよう、あらかじめ水通しをして肌のトラブルを防ぐようにすればokです。
赤ちゃん服の水通しのやり方
赤ちゃんの敏感な肌に触れる肌着やベビー服は、着る前に一度しっかり水通しをして清潔な状態で用意しておきたいものです。
水通しはいつやっても大丈夫ですが、出産の直前に水通しをしようとすると、妊娠後期に入るママの大きなお腹には負担になってしまいます。また、妊娠中はいつ陣痛が起こるか分からないので、時間に比較的余裕のある妊娠8~9カ月ごろを目安に、早めに以下の手順を覚えて行っていくとよいでしょう。
①事前準備をする
洗面器や桶、洗濯機など、水通しに使うものが清潔な状態かをまず確認します。
とくに洗濯機内部はパッと見ただけは汚れていないように見えても、意外と雑菌や洗剤のカスなどが多いものです。
洗濯槽クリーナーなどを使って洗濯機内部の汚れを落としてから水通しをしていきましょう。
また、水通しに使用する洗濯ネットやベビー用のハンガー、ピンチハンガーなどもそろえておきます。
水通しの際には基本的に洗剤を使用せず水だけで十分ですが、気になる場合には、合成界面活性剤や蛍光剤、漂白剤などを含まない赤ちゃん用の洗濯洗剤を選んで、必要な量をきちんと量った上で使用し、しっかりとすすいで洗剤が残らないよう注意しましょう。
ふっくら仕上げたいからと柔軟剤を入れる方もいらっしゃるかもしれませんが、成分や香りが刺激となって赤ちゃんに悪い影響を与える恐れがあるので避けた方が無難です。
②洗う
*手洗いの場合
清潔な状態の洗面器や桶、ベビーバスなどに水またはぬるま湯を入れます。
水やぬるま湯だけでの水通しに抵抗のある場合には、赤ちゃん用洗剤もこのタイミングで入れてください。
そこに肌着などを浸してやさしくもみ洗いしていきましょう。
ゴシゴシ洗うと衣類が傷んだり、形が崩れたりするので注意が必要です。
水またはぬるま湯でしっかりすすぎをしたら、よく絞って水気をとり、シワをのばします。
手で絞るとシワが気になる場合には、脱水のみ洗濯機を使用するのもよいですよ。
*洗濯機の場合
赤ちゃんの衣類などは、綿100%の素材のものが多いですが、なかには洗濯機で洗うことができない素材のものもあり、特徴や洗い方が異なるため、洗濯機の使用が可能か念のため洗濯表示のタグを確認するようにします。
洗濯機本体に汚れがないか確認した後、ほかの大人の衣類とは分けて水通しをしていくと良いでしょう。
形崩れを防止するために、洗濯ネットの使用がおすすめです。
また、衣類などに紐がついている場合は、全てほどいておきましょう。
必要であればベビー用の専用洗剤を入れ、ソフト洗いコースや弱洗いコースなどで洗っていきます。
③干す
ふだん洗濯物を干す時と同じく、水通しを終えた衣類は形を整え「すぐに干す」のが鉄則です。
脱水が終わった洗濯物を濡れたまま放置してしまうと細菌やカビが繁殖してしまい、せっかくキレイにしたのが台無しになってしまうので、洗った後の衣類は伸ばしてすぐ乾かしましょう。
早く乾くように、洗濯物同士の距離をきちんと空けるようにすることも意識してください。
小さなベビー服や布小物が等間隔に並んで干されている様子を見ていると、「小さくてかわいいな」「もうすぐ会えるんだね」と幸せな気持ちに包まれることでしょう。
「#世界一幸せな洗濯」というハッシュタグをつけてSNSに投稿するのも昨今の流行り。
水通しをした洗濯物をながめながら赤ちゃんの誕生を待ちわびているママやパパの気持ちが伝わってきますよ。
ただし、外干しは季節によっては花粉やほこりが多く、PM2.5などのアレルゲンが気になることもあるでしょう。
外に干しにくい場合には、室内の日光の当たる窓際で乾かすなど工夫してみてくださいね。
乾燥機は繊維が傷み、衣服が縮んだりすることがあるため、きれいな衣類のまま使うためにも、乾燥機はできるだけ使わないほうがいいでしょう。
④保管する
せっかく水通しした衣類も、保管方法を間違えてしまうと元の木阿弥です。
ホルムアルデヒドは他の衣類から移ってしまうことがあるため、水通ししたものはベビー用タンスなどを活用し、家族の衣類とは別の場所に分けて収納しておくとよいでしょう。
「使用し始めるまで期間が空いてしまう」「化学物質が移染してしまわないか心配だ」という場合には、ジッパーのついた保存袋に入れて保管するという手もありますよ。
まとめ
ベビー肌着や服を購入したあとに行う水通しは、安心して赤ちゃんを迎えるための大切な作業です。
購入した肌着のパッケージを開けてみて「こんなに小さいんだ」、水通しをした赤ちゃんの服が並んで干してある様を見て「こんなにたくさん着替えがいるのね」、乾いたものを丁寧にたたみながら「はやく着せてあげたいなあ」、などと、あともう少しで赤ちゃんに会えることへの実感が湧いてくることでしょう。
不安なことや心配なことが多かった長い妊娠生活もラストスパートの時期。
一度にすべての水通しをする必要はないので、体調に気を付けながら、楽しく計画的に一枚一枚丁寧に水通しをしていってくださいね。
この記事を書いた
サポーターママ
教師としての経験や自身の子育て経験を元に、webライターとして活動している1男1女のママです。
北欧インテリアや雑貨、お花、ショッピング、料理などが好きで、最近は娘にも料理ブームが到来し、親子クッキングを楽しんでいます。
子育てには悩みがつきもの。
これまで私が経験してきたことや失敗してきたこと、こうすればもっと上手くできたという失敗から学んだことなどを軸に執筆した記事が、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いに思います。
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歯科医師
監修
ゆう歯科クリニック
伊藤裕章先生 監修