第35回 ぬりえイベント(2023年7月19日 ウガンダの首都カンパラ KSPH 開催)|学習プリント.com

第35回 ぬりえイベント(2023年7月19日 ウガンダの首都カンパラ KSPH 開催)

第35回 ぬりえイベント(2023年7月19日 ウガンダの首都カンパラ KSPH 開催)
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2023年7月19日、第35回ウガンダ学習支援として、ウガンダの首都カンパラにあるKSPH(Kampala School for Physically Handycapped)にて「ぬりえイベント」を開催しました。

KSPHは、身体障がいなどを持つ子供達が学ぶ学校で、6歳から21歳までの子供達を受け入れています。
ここに通う子供達は、脳性麻痺、二分脊椎症、筋ジストロフィー、ポリオ、水頭症、ダウン症など、さまざまな障がいを持っていますが、学校では一般的な教育以外にも、 タイダイ染めや、レザークラフト、ミシン、パソコン、料理などの職業技能訓練も学んだりしています。

子供達の中には手が不自由で鉛筆がうまく持てなかったり、足が不自由で車椅子に乗りながら移動したりする子がいますが、手が不自由な子が紙や鉛筆を落としてしまえば、手が使える子がそれを拾ってサポートしてあげたり、車椅子に乗っている子が移動する時には歩くことができる子が車椅子を押してあげたりと、お互いができることをして助け合いながら学校生活を送っています。

そんな思いやりのある子供達と一緒に行った今回の「ぬりえイベント」。
子供達は日頃からアートの授業で絵の具などを使って絵を描く学習をしているため、今回のぬりえイベントへの参加も楽しみにしてくれていました。

イベントオープニング

イベントオープニング
  • イベント開始のあいさつ
  • イベントの内容説明
  • 講師自己紹介

今回のイベントのサポートをしてくれたのは、JICA海外協力隊の永易亜季子さんと、この学校でアートの授業を担当しているロナルド先生。

話し出したら止まらないとっても陽気なロナルド先生は、生徒達からもとても愛される存在の先生です。
そんな明るいロナルド先生が、今回のイベントの内容や私の紹介をしてくれました。

ロナルド先生からバトンタッチされ、私も簡単に自己紹介。
「私の名前はAkemiです。Akemiと呼んでくださいね」と伝えて、子供達に名前を覚えてもらうようにしました。

サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

今日はみんな集まってくれてありがとう。普段の授業とは違うぬりえイベントを楽しんでね

色の名前を覚えよう

カードを使った色の学習色の名前を覚えよう
  • 色別カードを使って色の名前を覚えよう
  • 色別に書かれた物の名前を覚え、色の違いを確認しよう
  • ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう

〇準備するもの

  • 色の名前が書かれた色の集合体カード
  • 色別に描かれた個別の物のカード

カードを使って色の名前を学習しよう

まず初めに、色別のカードを使って色の学習をしていきます。

赤、青、黄、緑、オレンジ、紫のそれぞれのカードを見せていくと、子供達は大きな声でそれぞれの色の名前を答えてくれました。
子供達の中には言葉を発するのが難しい子もいますが、それでもみんな私がびっくりするぐらい大きな声で色の名前を答えてくれていて、その声からは子供達に障がいあるなんて思えないほどの元気な様子が伝わってきました。

次に、個別に物が描かれたカードを子供達に見せて、そのカードには何が描かれていて、その色は何色かを答えてもらいました。

いちご、すいか、ライオン、キリン、へび、椅子、車など、子供達が好きそうなもの、知っていそうなものを見てもらうと、子供達は次々に物や色の名前を答えてくれました。
私から「これは食べたことがありますか」「これは好きですか」などの質問にも「Yes!」と元気よく答えてくれ、私も子供達との交流を楽しむことができました。

ゲームを通して色の学習をしよう

色の名前を確認した後は、先ほど使用したカードを使って子供達と一緒に「カード取りゲーム」をして遊びます。

40人ほど参加している子供達は5チームに分かれて、私が見せた色と同じ色のカードを取る競争をしていきます。
全員に両手を上げてもらい「Ready steady go(よーい、ドン)!」と私がスタートの合図をすると、手が不自由な子供達も慣れた手つきで素早くカードを取っていて、その早さに驚かされるほどでした。
子供達が「キャーキャー」と言いながらカードを取っていく姿は健常者の子供達と何も変わらず、カード取りゲームを楽しんでくれている様子がとてもよく伝わりました。

カードを使った色の学習風景1 カードを使った色の学習風景2 カードを使った色の学習風景3 カードを使った色の学習風景4 カードを使った色の学習風景5 カードを使った色の学習風景6 カードを使った色の学習風景7 カードを使った色の学習風景8 カードを使った色の学習風景9
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

みんなカードを取るのが早かったね。カードを取るのがとても上手ですごく驚いたよ

色水を混ぜて色の変化を見よう

色水を混ぜて色の変化を見よう
  • 色水を混ぜて色の変化を見る実験をしよう
  • 色の変化を学び、ぬりえに塗る色を考えよう

〇準備するもの

  • 絵の具(赤、青、黄)
  • 透明の使い捨てカップ 6つ

次に子供達と一緒に色水を混ぜて色の変化を見る実験を行いました。

透明カップには、赤、青、黄の色水が入っています。
子供達に何色の色水があるかを答えてもらい「今からこの色水を混ぜるとどうなるか実験をしていきます。
手伝ってくれる子はいますか」と尋ねると、素早く数人の子供達が手を上げてくれました。

子供達に前に出て手伝ってもらいながら、最初は「赤と黄」の色水を混ぜます。
赤色の色水が入ったカップに少しずつ黄色の色水を入れていくと、少しずつオレンジに変わっていく様子を子供達と一緒に確認しました。
同様に「青と黄」「赤と青」の色水を子供達に混ぜてもらうと「緑!」「紫!」などの声があちこちから聞こえ、色の学習で使ったカードと見比べて同じ色になっているかどうかを確認していきました。

色水の実験をする子供たち1 色水の実験をする子供たち2 色水の実験をする子供たち3 色水の実験をする子供たち4 色水の実験をする子供たち5 色水の実験をする子供たち6
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

色水を混ぜるのを手伝ってくれてありがとう! 色がどんどん変わっていって面白かったね。絵の具を使う時に、また他の色でも試してみてね

クレヨンと絵の具を使ってぬりえを塗って遊ぼう

クレヨンや絵の具を使ってぬりえを楽しもう
  • いろいろな色のクレヨンや絵の具を使ってぬりえを楽しもう
  • クレヨンを使いながら、運筆の練習をしよう
  • いろいろな色でぬりえを塗って、色彩感覚を養おう

〇準備するもの

  • 「学習プリント.com」で公開されている各種ぬりえ(動物、乗り物、プリントレンジャーなど)
  • クレヨン
  • 絵の具

イベントの最後は、子供達と一緒に「学習プリント.com」で無料公開されているさまざまなぬりえで遊んでいきます。

子供達に好きなぬりえを選んでもらい、最初にクレヨンを使って色を塗ってもらいました。
普段のアートの授業で絵を描く練習をしている子供達は、ぬりえの色塗りも上手に進めてくれ、何度も私に「これだけ塗れたから見て」と言ってぬりえを見せてくれる表情がとても愛らしく、私を温かい気持ちにさせてくれました。
子供達の中には手が不自由なために足で色を塗ってぬりえを楽しむ子供もいたりして、それぞれのスタイルでぬりえを楽しんでくれていました。

クレヨンで色を塗った後は、絵の具を使って空や大地などの広い部分を塗って、クレヨンと絵の具の両方でぬりえを仕上げていきました。

塗り絵を塗る子供たち1 塗り絵を塗る子供たち2 塗り絵を塗る子供たち3 塗り絵を塗る子供たち4 塗り絵を塗る子供たち5 塗り絵を塗る子供たち6 塗り絵を塗る子供たち7 塗り絵を塗る子供たち8 塗り絵を塗る子供たち9 塗り絵を塗る子供たち10 塗り絵を塗る子供たち11 塗り絵を塗る子供たち12
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

ぬりえを塗るのは楽しかったね。手が不自由な子もとっても上手に色を塗ってくれて、とても嬉しかったよ

子供たちと集合写真

まとめ

今回は、カンパラにある身体障がいなどを持つ子供達が学ぶ学校であるKSPHで「ぬりえイベント」を開催しました。

この学校では「教育を受けた身体障がい者達が国の発展に貢献して、健常者達と共生する社会を作っていく」ことを目指しています。
そのため、通常の学校で行われている授業以外にも、さまざまな技術が身につくよう職業訓練を受けたりしています。
この日、私は、ミシンで裁縫の練習をしたり、パソコンの入力学習をしたりする子供達の様子を見学させてもらい、この学校に通う子供達がいかに将来の社会進出を目指して頑張っているかを学ばせてもらいました。

ウガンダでは子供に障がいがあると、親がその子の将来を悲観して家の中に閉じ込めてしまう傾向がありますが、ここに通う子供達は、親からも期待され、しっかりと教育を受け、社会に出て働くことを目指して、勉学のみならず技術の習得にも励んでいます。

そのため、ここに通う子供達の表情はとても明るく、初めて受ける私の授業も笑顔で参加をしてくれていました。

今回のイベントの会場となった教室には、子供達が描いた絵の作品が多数飾られていて、日頃の子供達の学習成果も見ることができました。

そんな前向きな姿勢の子供達にまた楽しんでもらえるよう、私達でできるサポートを今後も続けていければと思います。

今回のサポートスタッフ紹介

サポートスタッフ

ウガンダにJICA海外協力隊として派遣されている
永易亜季子さんの自己紹介

初めまして。永易亜季子と申します。当初中米派遣だったところ、新型コロナウイルスの影響で任国振替となり、ご縁があって2021年10月末からJICA海外協力隊としてウガンダにやってくることになりました!現在、UWESOというNGOのスタッフとして、コミュニケーション(広報PR)と青少年活動の2本を軸に活動中です。子どもたちの笑顔は世界共通、彼らからエネルギーをたくさんもらい、日々格闘中です!

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ 明美 2女のママ

2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。

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