第22回 お金の計算・数字の学習(2023年2月19日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)|学習プリント.com

第22回 お金の計算・数字の学習(2023年2月19日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)

第22回 お金の計算・数字の学習(2023年2月19日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
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今までこの地域で行ってきたぬりえなどのイベントと違って「計算」という学校の勉強に近いような内容で、今回はイベントを行いました。
この地域では過去に2回、数字のイベントを行い、数字の数え方などを学んできました。
そのため、今回はもう少しレベルアップをして、足し算などの勉強や、お店屋さんごっこを通じてお金の計算を学ぶイベントを開催することにしました。

子供たちの住む地域は、車の通りがあまりなく、近所には気軽に野菜や果物がの買い物買える八百屋さんや、お米や日用品などが購入できるキオスクのような小さなお店が点在しており、小さいころから子供たちは一人でも買い物に出掛けています。
そのため、この地域の子供たちの「おつかいデビュー」は比較的早くから行われているように思います。

そんな子供たちに「お店屋さんごっこ」を通じて、商品を購入するだけでなく、お店屋さんの立場に立って物を販売し、お金の計算もする体験をしてもらいました。

イベントオープニング

イベントオープニング
  • イベント開始のあいさつ
  • イベントの内容説明
  • 講師自己紹介
  • 日本語のあいさつを学ぼう
  • 学校体験をしよう

今日はみんなの集まりがとてもゆっくりな日で、最初は6人の子供たちと一緒にイベントをスタートしましたが、その中に、ジョシュアくんという初めて参加してくれた子も一人含まれていたので、ジョシュアくんを中心に日本語の挨拶の練習をしながらイベントをスタートさせました。
子供たちが覚えた日本語の挨拶は「おはようございます」「こんにちは」「おやすみ」「ありがとうございました」などがあります。

ジョシュアくんにもこれらの初めての日本語の挨拶が覚えられるよう、ホワイトボードにそれぞれの挨拶を書き、みんなで復習をしていきました。
みんなで日本語の挨拶の練習をすると、ジョシュアくんもみんなと一緒に大きな声で挨拶をしてくれました。

サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

ジョシュアくんも日本語の挨拶を覚えて、お友達と一緒に使ってみてね

足し算の練習をしよう

足し算の練習をしよう
  • 数を数える練習をしよう
  • 足し算の仕組みを覚えよう

〇準備するもの

  • 小学生用学習プリント ふつうの2つの数の足し算の練習問題 足し算ふつう2

お店屋さんごっこでお金の計算をするにあたって、まずはみんなで足し算の練習をしました。
各自にプリントを渡して足し算をしてもらいましたが、足し算の勉強をしたことがない子供たちも数人いたので、ホワイトボードを使って足し算のやり方を教えることにしました。

ウガンダでは幼稚園の年中組ぐらいから徐々に足し算の勉強を始めるため、小学校に行く頃になると足し算ができるようになっている子供たちが多くいます。
学校で習う計算方法は、基本的には足し算の式に書いてある数字の数だけ〇を書いて、それを足しながら足し算をしていくやり方です。

ただし、経済的な理由もあり、イベントに参加をしている子供たち全員が幼稚園や小学校に行くことができているわけではないため、たとえば、ある程度数を数えることができても、足し算は親が教えていなければ計算ができないことになります。
そのため、そういった子供たちには、他の子供たちが学んでいるやり方と同じように、足し算の数字のところに〇を書きながら計算する方法を教えていきました。

今回は足し算の答えが12までになるプリントを用意しましたが、一度やり方が分かると子供たちは真剣にプリントに取り組んでくれ、驚くほどの集中力を見せてくれていました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

足し算のやり方を理解するのが早かったね。最初は全然問題が解けていなかったけど、ちゃんと解けるようになってすごいよ!

ウガンダのお金の種類とお金の計算の仕方を学ぼう

ウガンダのお金の種類とお金の計算の仕方を学ぼう
  • ウガンダで使われているお金の種類を確認しよう
  • ウガンダで使われているお金の特徴を学ぼう
  • 3桁の足し算を学ぼう

お店屋さんごっこでは、模擬硬貨を使って商品の売り買いをするため、みんなでウガンダで使われているお金の種類や特徴、お金の計算について学びました。

お金の種類と特徴について

ウガンダのお金の種類は下記の11種類です。
紙幣: 50,000、20,000、10,000、5,000、2,000、1,000
硬貨: 1,000、500、200、100、50(単位: ウガンダシリング)

子供たちに、ウガンダにはどの額の紙幣と硬貨があるか確認をしてみました。
子供たちは、 50,000シリング、20,000シリングなどと次々と答えを言ってくれますが、だんだん答えに困ってくると、6,000シリング、7,000シリングなどと思いつきで額を言うようになり、そのたびに周りの子供たちが「No~(違うよ~)!」と教えてあげたりしていました。

次に、今日のお店屋さんごっこでは、500、200、100シリングの模擬硬貨を使用するため、これらの硬貨に描かれている絵について子供たちに確認をしました。
ウガンダでは硬貨に描かれている絵については、幼稚園の年長組で学習をしています。

そのため、子供たちに「500シリング硬貨に描かれている絵はなんですか」と尋ねると、子供たちは口々に「Crested Crane Head (カンムリヅルの頭)」と答えてくれました。
カンムリヅル(正式にはホオジロカンムリヅル)はウガンダの国鳥で、国旗にもその姿が描かれており、500シリング硬貨にはその頭部だけが描かれています。500シリング硬貨は少し黄色がかった色をしていて、シルバーばかりの硬貨の中にあっても目立つので、財布の中に入っていても見つけやすくなっています。
他にも、200シリング硬貨は魚のティラピア、100シリング硬貨は角が長い特徴を持つアンコーレ牛が描かれていますが、これらについても子供たちはきちんと正解を答えてくれていました。

お金の計算の仕方を学ぼう

お店屋さんごっこの準備として、お金の計算の仕方についても学びました。

ウガンダの硬貨は1シリングなどはなく、また、50シリング硬貨も一般にはほとんど流通がされていないため、商品の値段は基本的には全て100シリング単位となっています。
そのため、子供たちと一緒に3ケタのお金の計算はどのようにしたらいいかを学んでいきました。

例として、トマト、ナス、ピーマンを購入した場合にいくらになるか、ホワイトボードを使いながら計算をしていきます。

  • トマト 100シリング
  • ナス 200シリング
  • ピーマン 200シリング

これらの合計を出す場合、十の位以下は00なのでそのまま00を下ろし、1+2+2のみ〇を書いて計算する方法を伝えると、子供たちは次々に、次は自分が計算したいと言って手を上げてくれました。
そのため、計算する子の年齢別に値段を大きくしたり小さくしたりしながら、3ケタの計算に挑戦をしてもらいました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

最初に足し算の計算の練習をしたから、みんなお金の計算も上手にできたね。その調子でお店屋さんごっこにも挑戦してみよう。

お店屋さんを体験しよう

お店屋さんを体験しよう
  • 物の売買の流れについて学ぼう
  • お店屋さんの立場に立って商品を販売してみよう
  • 学んだお金の計算をお店屋さんごっこで使ってみよう

〇準備するもの

  • 模擬商品(ぬりえイベントで使用している個別の物が描かれているカード)
  • 模擬硬貨(500シリング硬貨1枚、200シリング硬貨1枚、100シリング硬貨3枚)4セット
  • 値段表(食品店用、日用雑貨店用の二種類)
  • 計算用の紙と鉛筆 

お金の種類や足し算の計算の仕方を学び、お店屋さんごっこをする準備が整った子供たちと一緒に、いよいよ「お店屋さんごっこ」をスタートさせます。

お店屋さんごっこをする前に、初参加のジョシュアくんに手伝ってもらいながら、食品店用の模擬商品と値段表を使ってやり方の説明をしました。
どんな商品があるか、商品に見立てたカードの中身を確認し、値段は値段表を見ながらお客さんに知らせます。お客さんが選んだいくつかの商品の合計金額を店員さんはお客さんに伝えますが、お客さんの所持金額は1,000シリングのため、もし合計金額が1,000シリングを超えていたら購入する商品を変更する必要があります。もし、1,000シリング以内であれば合計金額を伝えてお客さんからお金をもらって商品を渡します。

お店屋さんごっこの流れが分かったところで、今回参加してくれた12名の子供たちに4チームに分かれてもらい、食品店、日用雑貨店の2店舗のお店屋さん役、お客さん役になってもらいました。
お金の計算をいかすため、複数の商品を選んでまとめて購入するように伝えましたが、実際の子供たちは、一つ商品を選んでは一回ずつお金を払うなどして、複数の商品をまとめて購入する買い方は難しそうでした。

それでも、私からの「一つずつではなくまとめて購入してみてね」という声掛けに反応し、子供たちは少しずつまとめ買いの買い方にも挑戦してくれようとしていました。

形の貼り絵をする子供たち1 形の貼り絵をする子供たち2 形の貼り絵をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

お店で商品を選んで一つずつお金を払うような買い方はあまりしないので、みんなも同じようにまとめて購入するやり方を練習しようね。

参加された子供たちとの集合写真

まとめ

今回は、お店屋さんごっこを通じて、お金の計算などを学ぶイベントを行いました。

普段、買い物にはよく行く子供たちですが、自分がお店屋さんの立場に立って商品を販売する経験はあまりないでしょうから、お店屋さんごっこをするのは少し大変な作業だったかもしれません。
しかし、足し算のやり方については小さな子供たちもすっかり身についたようで、積極的に足し算に取り組む姿勢を見せてくれたことは、イベントを開催している私にとってもうれしい出来事でした。

経済的に学校に行くことができずに、足し算を学んでいない子供たちもいますが、そんな子供たちも計算ができるように今後もサポートをして、子供たちが大きくなっても困らないようなお手伝いをしてあげられたらと思います。

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ 明美 2女のママ

2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。

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