第20回 オンラインでのトーク体験と乗り物の学習イベント(2023年2月4日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
2023年2月4日、第20回ウガンダ学習支援として、ワキソ地区アクライトシティで「オンラインでのトーク体験と乗り物の学習イベント」を開催しました。
以前、イベントに参加してくれている子供たちに「インターネットで繋いで、オンラインで日本の人たちと話をしてみようか」という提案をしたところ、子供たちから「ぜひやってみたい」という意見があったため、今回は「学習プリント.com」運営代表の田﨑とオンラインでの会話を実施することにしました。
前回のイベントの際に、次回オンラインで日本と繋いで会話を実施することを子供たちに予告しており、帰り際に「次は何日の何時からか」「私は日本語は話せないが大丈夫か」「私はテレビに出るのか」など、次々に子供たちから質問や感想が出てきたりして、子供たちが初めてのオンライントークに期待を寄せている様子が伝わってきました。
ウガンダの小学校は7年制ですが、ウガンダでは小学校を卒業する際、全ての子供たちが全国一斉の卒業試験(PLE: Primary Leaving Examination)を受けています。
この卒業試験の成績で進学できる中学校が決定されるとあって、多くの小学校では5、6年生ごろから生徒が学校の寄宿舎で寝泊まりをし、卒業試験に備えて朝早くから起きて勉強漬けの日々を過ごすようになります。
ウガンダの学校は2月6日から新学年を迎える新学期がスタートするということで「オンラインでの会話を楽しみにしていたが、この日は学校の寄宿舎に戻るため参加ができない」という子たちもいて、いつもより少し少ない人数でのイベント開催しました。
そんななか「体調が悪いが、どうしてもオンラインでの会話だけは参加したい」と言ってイベントに来てくれる子もいたりと、子供たちの期待が伝わってきました。
日本と繋いでオンラインで会話をしてみよう
- オンラインでの会話を体験してみよう
- 日本とウガンダの繋がりを感じよう
子供たちが集まる時間からオンライントークの時間まで30分ほど時間があったのでみんなで今までのイベントで練習をしてきた「こんにちは」と「ありがとうございました」という日本語の挨拶の練習をしながら時間を過ごしました。
挨拶の練習を終え、準備万端の子供たちが今か今かと待ち望むなか、オンライントークがスタートしました。
お互いに笑顔で手を振りあい、私の「せーの」という合図に合わせて子供たちが一斉に「こんにちは」と元気よく挨拶をしてくれました。
まずは田﨑の方から子供たちにホワイトボードに書いた自己紹介「I am Hiroyuki Tasaki(私は田﨑宏幸です)」「Please call me Hiro(ヒロと呼んで下さい)」を読んでもらいました。
初めて読む日本の名前を見ながら子供たちは一文字ずつゆっくり読んで名前を確認し「Hiro」と口々に呼ぶ練習をする様子が見られました。
自己紹介が終わると、田﨑から子供たちに質問を開始しました。
「みんな、日本のアニメで何か知っているものはありますか」と聞くと、子供たちからは何も知らないとの答えに、田﨑の方から「ではこのアニメは知っていますか」と『ドラゴンボール』のキャラクター達の絵を見せてもらいました。
子供たちは『ドラゴンボール』は知りませんでしたが、次に田﨑から見せてもらった『ドラえもん』は知っていると答え、会場は盛り上がりを見せました。
ウガンダでは英語に吹き替えられた『ドラゴンボールZ』や『炎炎ノ消防隊』などの日本のアニメをテレビで観ることができます。
しかし、テレビを視聴する際はテレビの受信機が別途必要で、また、受信機を販売する会社も複数あるため、各家庭ごとに契約する受信機やプランで放映されるテレビ番組が変わってきます。
隣り同士の家でも観ているテレビ番組が全く違ってくるので、学校でテレビ番組の話題で盛り上がるようなケースは日本よりは少ないかもしれません。
アニメの質問のあとに田﨑から「みんなの好きな食べ物を教えてください」と質問を受けると、「ライス」「マトケ(調理用のバナナ)」「ジャガイモ」「サツマイモ」「ポショ(トウモロコシの粉を練ったもの)」」など普段食べているものの名前が次々にあがってきました。
次は子供たちの方から田﨑への質問タイムです。
質問をしてくれたのは、イベントに参加してくれている子供たちのリーダー的存在を務めるハッピーちゃんと、いつもお姉ちゃんの助けを借りながらプリント作業を進めてくれているアルビンくんの二人。
二人からは「家族構成を教えてください」「好きな食べ物は何ですか」などの質問があり、田﨑が「好きな食べ物は寿司です」と答えると、子供たちは「寿司は知らない、聞いたことがない」とのことだったので、田﨑から寿司の写真を見せてもらいました。
すると、子供たちからはその寿司の美しさに「Wow(ワォ)!」の声があがり、「ぜひ食べてみたい」と言って、寿司に強い関心を寄せていました。
他にも質問がある子がいないか聞いてみましたが、みんな初めてのオンライントーク、そして、初めて話す見知らぬ相手ということもあり、恥ずかしがって子供たちが顔を伏せてしまいました。
田﨑の方から一番ノリのいいパビンくんへ指名があり、パソコンの前に来てもらいましたが、何も話すことができずに終始顔を隠す様子を見せ、恥ずかしそうにしていました。
30分程の時間ではありましたが、最後にみんなで「ありがとうございました」の挨拶をして、子供たちが楽しみにしていたオンライントークを終えました。
恥ずかしがらないでねって言っておいたけど、やっぱり恥ずかしかったかな。オンラインでも話ができるようにこれから慣れていこうね。
折り紙で紙飛行機を作って遊ぼう
- 紙飛行機を作って日本文化に触れよう
- 紙飛行機を作って手先を鍛えよう
〇準備するもの
- 折り紙
日本と繋いでオンラインで話をし、日本を少し身近に感じた子供たちに、日本文化の一つである折り紙で紙飛行機を作って遊んでもらいます。
子供たちに紙飛行機を作って遊んだことがあるか聞いてみたところ、半分ぐらいの子供たちはやったことがあると答えてくれました。
一人一人に折り紙を配り、紙飛行機の折り方を説明し、紙飛行機を作ってもらいました。
紙飛行機を作り終えた子供たちから順番に飛ばす練習をしてもらいましたが、みんなの「キャーキャー」という声が部屋中に響き渡り、子供たちが楽しそうにしている様子を見ることができました。
練習を終えると、子供たちに一列に並んでもらい誰が一番遠くまで飛ばせるか競争をしました。
「Ready Steady Go!(よーい、ドン)」の掛け声でスタートしましたが、子供たちは飛ばすのと同時に走って追いかけてしまい、誰が一番遠くまで飛ばしたのか分からない状態となってしまいます。
そのため、紙飛行機を飛ばしても走らないようにルールを設定し2回目の競争をしましたが、やはり走ってしまい、子供たちの紙飛行機を飛ばす興奮度がひしひしと伝わってきました。
紙飛行機を飛ばすのは楽しかったかな。あまりの大きな歓声が続いてびっくりしたよ
乗り物のぬりえをしながら乗り物の名前を覚えよう
- 乗り物の名前を覚えよう
- ぬりえを使って運筆の練習をしよう
- ぬりえをカラフルに塗って、色彩感覚を養おう
〇準備するもの
- 幼児用学習プリント 乗り物のぬりえ-ふつう 車のぬりえ3
- 幼児用学習プリント 乗り物のぬりえ-ふつう 飛行機のぬりえ
- 幼児用学習プリント 乗り物のぬりえ-むずかしい ヘリコプターのぬりえ
- 幼児用学習プリント 乗り物のぬりえ-むずかしい 消防車のぬりえ
- 幼児用学習プリント 乗り物のぬりえ-むずかしい パトカーのぬりえ
- 幼児用学習プリント 乗り物のぬりえ-むずかしい 新幹線のぬりえ
- クレヨン
先ほど紙飛行機を折って遊んだので、飛行機は乗り物の一つであることから、次は、乗り物の仲間のぬりえを塗りながらそれらの名前を覚えていきます。
今回用意したぬりえは「車」「飛行機」「ヘリコプター」「消防車」「パトカー」「新幹線」の6種類です。
一つずつ乗り物の名前を確認していくと、子供たちからはパトカーを「Japanese police car(日本の警察車)」と、日本スタイルの警察車両であると答えてくれる子供もいました。
「新幹線」については、その見た目から電車であることしか子供たちには分からないため、「これは日本の新幹線です。時速は300kmぐらいで走ります」と説明をして、ここでも日本について学ぶ一つとして新幹線を覚えてもらいました。
一通り乗り物の学習をしたあとは、みんなでそれぞれのぬりえを塗ってイベントを終了しました。
新幹線は日本を代表する乗り物の一つなので、ぜひ覚えてね
まとめ
今回は、初めてオンライントークも交えてイベントを行いました。
前日にイベントの案内をしに行くと「明日は教会に行く日だけどイベントに行くからね」などと言ってオンライントークを楽しみにしてくれるなど、初めて迎える経験に子供たちの胸を高鳴らせる様子が伺えました。
オンライントーク中は緊張して何も話せなかった子供たちが多くいましたが、子供たちがその時間を楽しんでいる様子は、近くで見ていた私に充分に伝わってきました。
プリント学習だけでなく、できれば今回のようなオンライントークの機会を今後も何度か設けていき、ウガンダだけでなくウガンダ国外の人たちと繋がる世界を経験して、子供たちの視野を広げるきっかけになってもらえたら嬉しく思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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