ウガンダってどんな国?
ウガンダがアフリカにあることすら知られていないぐらい、日本人にとってなじみの薄い「ウガンダ」。
また、アフリカにあることは知っていても、それ以上のイメージがなかなか浮かばないなど、まだまだ日本人の方々にはウガンダの知名度は低いかもしれませんね。
アフリカと聞くと、「遠い」「暑い」「治安が悪い」などのイメージを持つ方がいるかもしませんが、実際、ウガンダがどんな国なのか、ウガンダの気候や、自然、治安、交通事情などをご紹介していきます。
ウガンダの基礎データ一覧
面積 | 24.1万平方キロメートル(日本の本州とほぼ同じ大きさ) |
人口 | 約45百万人(2022年現在) |
首都 | カンパラ |
言語 | 英語、スワヒリ語、ガンダ語など |
宗教 | キリスト教(6割)、伝統宗教(3割)、イスラム教(1割) |
大統領 | ヨウェリ・カグタ・ムセベニ大統領(任期2026年まで) |
主要な産業 | 農林水産業、製造・建設業、サービス業など |
通貨 | ウガンダ・シリング(Uganda Shilling) |
<参考資料> 外務省ホームーページ
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/uganda/data.html
ウガンダの位置と気候
日本から約11,500km離れたウガンダ共和国。
アフリカの東部に位置し、国土は日本の本州とほぼ同じ面積で、人口は2022年現在で約45百万人。
国境は、ケニア、タンザニア、ルワンダ、コンゴ民主共和国、南スーダンに囲まれた内陸国です。
ウガンダにはアフリカでも7か国にしか通っていない赤道があります。
赤道直下と聞くと、とても暑いイメージを持つかもしれませんが、国土の大半が平均海抜1,200mのところに位置し、標高が高いため年間の平均気温は23度と過ごしやすいのが特徴の地域です。
日本の標高が高い場所に位置する宿泊施設などに泊まると、夏は朝晩涼しく、日中太陽の下では直射日光を強く感じたりすることがあるかと思いますが、ウガンダではそれと似たような状況が毎日のように続きます。
また、雨が降ると急激に気温が下がるため、脱ぎ着しやすいような上着を持ち歩く方が賢明です。
晴れている時は太陽が強く当たるため、体感気温は直ぐに上昇をしますが、日本の夏のような湿気がないため、日本の夏に比べると汗は掻きにくく、過ごしやすい気候です。
雨季は3月から5月ごろと9月から11月ごろまでの年二回ありますが、地球温暖化の影響による異常気象のためか、以前に比べると現在はこの時期以外でも雨に見舞われることが多くなったりしています。
大雨が降ると、土砂崩れや洪水が起きやすい状況となり、たびたびそれによる自宅の崩壊や死亡者のニュースが聞かれるようになります。
雨季が終わる12月ごろから徐々に乾季に移り、セネネと呼ばれるバッタのフライを売り歩く人たちが現れ始めるのを見ると、雨季が終わったんだなと実感でき、この風景が季節の風物詩となっています。
「アフリカの真珠」ウガンダ
ウガンダは、イギリスのウィンストン・チャーチル元首相がアフリカ旅行中に「アフリカの真珠」と表現したほど、自然豊かな国として知られています。
ナイル川と聞くとエジプトのイメージが強いかもしれませんが、その源流はウガンダにあります。
東アフリカからアフリカ北部にかけて流れるこの川は、全長6,650km。
この川の長さは世界一で、ナイル川の源流を訪れると、豪快な水しぶきと水の量に圧倒されます。
この激流の中で行うラフティングは、ここを訪れる観光客にも大人気のスポーツです。
ウガンダは、アフリカ最大の湖であるヴィクトリア湖に面しています。
ケニアやタンザニアとも共有するヴィクトリア湖の面積は約68,800㎢で、日本最大の湖の琵琶湖と比べると面積の大きさは約100倍もあります。
ウガンダの空の玄関口であるエンテベ国際空港を出ると、ヴィクトリア湖はすぐに私たちを迎えてくれます。ヴィクトリア湖を眺めながら、30㎝を超えるティラピアの魚のフライを食べることは、ウガンダ人たちの贅沢な休日の過ごし方の一つにもなっています。
首都カンパラから西に向かうと、コンゴ民主共和国との国境付近には、世界遺産にも登録されているルウェンゾリ山地があります。
最高峰の標高は5,109mあり、アフリカでは珍しい万年雪を戴く山としても知られています。
ここを登っていくと、標高ごとに珍しい様々な種類の高山植物や鳥類などが生息しており、訪れる人々を飽きさせないのも魅力です。
ウガンダといえば、絶滅危惧種にも指定されているマウンテンゴリラが生息していることでも有名です。
マウンテンゴリラの数は世界全体で約1,000頭ほどですが、そのうち約半数はウガンダに生息しています。
現在、マウンテンゴリラは国立公園内で野生の状態で保護されおり、ゴリラトラッキングなどで現地のガイドと一緒に野生のゴリラに出会うことができます。
また、アフリカと聞くと野生動物のイメージを持つ方もいるでしょう。
ウガンダには10の国立公園があり、各公園で象やキリンなどの大型の野生動物を見ることができます。
また、ウガンダではビッグ5と呼ばれる象、ライオン、ヒョウ、バッファロー、サイに出会えるため、ウガンダでサファリツアーに参加する場合は、これらを探すのが醍醐味となっています。
その他、日本でも有名になった動かない鳥としても知られるハシビロコウが生息し、湿地を訪れると時々空を飛んでいる姿も見かけることができます。
ウガンダの治安
ウガンダはアフリカの中では比較的安全な国だとされています。
だからといって、昼間でも無防備に街中を歩くことは大変危険です。
ウガンダでは、スリやひったくりなどの軽犯罪が横行し、街中でスマートフォンを手に持っていたりすると、ボダボダと呼ばれるバイクタクシーなどに奪われる恐れがあります。
また、車中でも、窓越しからスマートフォンを持っていることが見つかると、同様にボダボダなどに狙われる可能性があるため、特に渋滞中はドアのロックをし、窓を開けないよう注意を払う必要があります。
街中を歩くときは、リュックサックなども前に背負うなどして犯罪者から狙われる隙を与えないようにしましょう。
また、ウガンダの都市部ではストリートチルドレンが停車中の車両に近づいて金品を要求する場面によく遭遇します。
ストリートチルドレンたちにお金を与えることは法律で禁止されているため、何か問題が起きる前に、私たちが犯罪者にならないように気をつけなければいけません。
ウガンダの家では、防犯対策として家を高い壁で覆い、壁の上には螺旋状の有刺鉄線などを設置しているのをよく見かけます。
窓は鉄格子で覆われ、ドアも分厚い鉄のドアが設置されているため、その中で生活すると、まるで刑務所の中で暮らしているような感覚になります。
参考資料
海外安全ホームページ: 安全対策基礎データ (mofa.go.jp)
ウガンダの交通事情
ウガンダの街中にいると、日本車の多さに気が付くことでしょう。
街中を走る車両の多くは日本車で、日本から輸入してきた時と全く同じ状態で日本の会社名などが書かれているトラックやワゴン車、小型バスなどを見かけることができます。
ウガンダで自分が知っている日本の会社名の車両を見かけると、少し懐かしい気持ちになりますよね。
ウガンダ人の主な移動手段は、マタツと呼ばれるワゴン車の乗合タクシーとボダボダ(バイクタクシー)です。
マタツは日本の路線バスのように既定路線しか進まないため、目的地にたどり着くまでに何度も乗り換えをする必要があります。
また、マタツとして日本から輸入されたワゴン車は、たくさんの人数が乗れるよう座席部分を改造して使用しています。
そのため、乗客人数は最大12人と、マタツの中は人で溢れています。
マタツはとても安価な料金で乗車が可能ですが、それを不快に感じるウガンダ人たちは、もう少しお金を払って、自分専用でどこでも目的地に連れて行ってくれるボダボダを利用する機会もとても多いです。
また、三人乗りで走っているボダボダを見かけることは珍しくありません。
ボダボダは人を乗せるだけではなく、荷物も運びます。
ボダボダには運べないものはないんじゃないかと思うほど、ソファや冷蔵庫などの大きな物や、ヤギや自転車など、ありとあらゆるものを運びます。
今はほとんど見かけなくなりましたが、以前は遺体が入った棺桶なども運んでいました。
荷物が少なければ、ボダボダで荷物を運んで引っ越しをする人もいるほど、ボダボダは生活に密着しています。
首都カンパラでは交通渋滞がとても激しいため、渋滞でもスムーズに通れるボダボダはウガンダ人の生活には欠かせない移動手段となっています。
まとめ
日本から遠く離れたウガンダを訪れると、日本とは全く違った異国の世界を十分に味わうことができます。
大自然を満喫し、その魅力を感じながら食事をしたり友人たちと語らう。
それは、ウガンダだからこそ味わえる贅沢なひと時です。
いつ訪れても過ごしやすい気候のウガンダ。
現在は、中国政府からの支援で、エンテベ国際空港があるエンテベから首都カンパラまでを結ぶハイウェイが完成しており、以前よりも車でのアクセスが簡単になっています。
ウガンダを訪問し、皆さん自身の目でウガンダを見てみると、きっと、ここに書かれている以上の発見があることでしょう。
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