第37回 ぬりえで色の学習(2023年8月5日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
赤道直下にあるウガンダですが、気候はどちらかというと南半球に近い感じでしょうか。
8月頃からは徐々に雨が降る日が増えセーターが必要なほど気温が下がり、年が明けた1月頃からは天気の良い日が多くなり暑さが増してきます。
そのため、イベントを実施した前日や前々日は大雨に見舞われ、イベント当日の天気を心配しましたが、当日は雨もなくお天気に恵まれた一日となりました。
歩いてイベント会場に来る子供達は、雨が降ると家の周りの赤土がぬかるんで外に出ることが困難になるため、イベントに来ることができなくなりますが、お天気が味方をしてくれたおかげもあり、今回はいつもより多い19名の子供達がイベントに参加をしてくれました。
下は2歳から上は14歳まで、初めて参加をしてくれた子供もいたりと、大勢の子供達が今回のイベントを盛り上げてくれました。
目次
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
イベントを開始する前に、みんなで日本語での挨拶の練習をします。
今回の日本語の挨拶の練習は「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございました」の3つです。
ホワイトボードに「Ohayou Gozaimasu」と書き、全員で音節で区切りながら読む練習をしていきます。
何度か練習しているこの日本語の挨拶ですが「ありがとうございました」と混同して「おはようございました」と子供達が言ってしまうことがしばしばあるため、毎回軌道修正しながら「おはようございます」と言えるように練習をしています。
次の「こんにちは」もホワイトボードに書いて練習しますが、これは言葉が短いためか子供達はすぐに「こんにちは」を覚え、朝に会っても「こんにちは」と言って私に挨拶をしてくる時がよくあります。
「こんにちは」は「Good afternoon」の意味なので午後に使ってねと毎回伝えますが、私に日本語で挨拶をしてくれようとしている子供達の努力を見ていると、とても嬉しい気持ちになります。
最後に「ありがとうございました」を練習し、これは「Thank you very much」の意味なので、イベントが終わったらみんなでまた言う練習をしようと話して、日本語の挨拶の練習を終えました。
日本語の挨拶を覚えたら、それぞれのシチュエーションに合わせて普段でも使ってみてね
色の名前を覚えよう
- 色別カードを使って色の名前を覚えよう
- 色別に書かれた物の名前を覚え、色の違いを確認しよう
- ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう
〇準備するもの
- 色の名前が書かれた色の集合体カード
- 色別に描かれた個別の物のカード
カードを使って色の名前を覚えよう
カードを使って色の名前を学習しよう
今回は8月のカレンダー制作イベントということで、ぬりえを塗ってカレンダーを作っていくため、まずは色の学習から開始をします。
「赤、青、黄、緑、オレンジ、紫」の色が描かれたカードを用意し、子供達と一緒に色の名前を学習します。
それが終わると、次に動物や野菜などそれぞれの物が描かれたカードを子供達に見せ、それが何で、何色で描かれているかを答えてもらいます。
「赤のロボット」「黄のバナナ」「緑のヘビ」「紫のぶどう」などが描かれたカードでそれらを答えてもらいましたが、ぶどうは大きなスーパーマーケットなどでしか手に入らないため、ぶどうを見たことがない子供達も多くいました。
それでも知らない果物を学んでもらうきっかけになるため、みんなで「Purple Grapes」と何度も声を出して練習をし、覚えてもらいしました。
ゲームを通して色の学習をしよう
色の名前を学習したら、次は色の学習で使用したカードを使ってカード取りゲームをしながら学習を定着化させます。
二つのテーブルに個別の物のカードを4枚ずつ分けて配ります。
カード取りゲームのルールは、私が見せた色のカードと同じ色のカードを子供達が探して早い者勝ちで獲得していくというものです。
カードをテーブルに置く際、いつもはカードを表向きにしていますが、今回は子供達からの提案でカードを裏向きにして置き、カードを裏返さないと何色のカードなのか分からないようにしました。
不正がないよう子供達に両手を上に挙げてもらってから「Ready steady go(よーい、ドン)!」の掛け声と同時にカードをめくって、私から指定された色のカードを見つけていきます。
いつもよりハードルが高いカード取りゲームに、子供達は白熱した様子でゲームを進めてくれました。
子供達が生き生きとゲームを楽しむ様子を見ていると、私も子供達と一緒にゲームを楽しむことができ、毎回子供達から元気をもらっています。
今回はカードが裏向きでちょっと難しかったけど、それでもみんなで白熱しながらゲームを楽しむことができて楽しかったね
色水を混ぜて色の変化を見よう
- 色水を混ぜて色の変化を見る実験をしよう
- 色の変化を学び、ぬりえに塗る色を考えてみよう
〇準備するもの
- 絵の具(赤、青、黄)
- 使い捨てカップ 6つ
今回は久しぶりに色水を混ぜて色の変化を見る実験を行いました。
透明の水が入っているカップに子供達の目の前で「赤、青、黄」の絵の具をそれぞれ別の透明カップに入れていきます。
絵の具が出る様子を見て子供達から「ヘビみたい」などと声が上がるなか、その絵の具を溶かし、それぞれの色の色水を作りました。
ホワイトボードに「Red × Yellow」「Yellow × Blue」「Blue × Red」と書き、混ぜる色の確認をします。
「これからこの組み合わせで色水を混ぜて色の変化を見る実験を行います。誰か手伝ってくれる人はいますか」と聞くと、大勢の子供達が手を上げてくれました。
「Red × Yellow」を担当するのはジョイスちゃんです。
何も入っていない透明カップに赤の色水と黄の色水を少しずつ入れて混ぜてもらいました。
すると子供達からすぐさま「オレンジ」という声が上がりました。
同様に「Yellow × Blue」はデビッドくん、「Blue × Red」はアルビンくんとウェンディちゃんに手伝ってもらい、それぞれの色の変化を色のカードを使いながら確認をしました。
色の変化を見るのは面白かったね。みんな積極的に手伝ってくれてありがとう!
カレンダー制作用のぬりえを塗って遊ぼう
- いろいろな色のクレヨンを使ってぬりえを楽しもう
- クレヨンを使いながら、運筆の練習をしよう
- いろいろな色でぬりえを塗って、色彩感覚を養おう
〇準備するもの
- 2023年2月カレンダー用特別プリント(かんたん・ふつう・むずかしい)
「学習プリント.com」では、2023年7月25日(火)から2023年8月20日(日)まで「お子さんのぬりえやイラストで2023年8月のオリジナルカレンダーを無料で作ろう」という企画を実施しています。
そこで、今回はウガンダの子供達もこの企画に参加して、自分達が塗ったぬりえと一緒に写真を撮ってカレンダー制作を行うことにしました。
今回のカレンダー用特別プリントのぬりえは「夏」をテーマにしているため、水の中で遊ぶ子供達やイルカに乗った子供達などのぬりえがあります。
ウガンダは内陸国のため海はありませんが、プールはホテルやプレイグランドなどの施設にあり、泳ぐときはそういった施設に出掛けて泳ぎます。
プールに泳ぎに出掛けることができるのはある程度経済的に余裕がある家庭が中心になってくるため、イベントに来ている子供達はあまりプールで泳いだ経験がありません。
また、日本の夏の過ごし方はもちろん知らないため、日本の8月はウガンダの乾季の暑さに比べると何倍も暑くなること、暑い時はプールや海で泳いだりすることを子供達に伝えました。
日本の夏をイメージしてもらったところでぬりえを開始します。
子供達に塗りたいぬりえを選んでもらい、色塗りを進めていき、塗り終わった子から順番にカレンダー用の写真撮影をしてイベントを終了しました。
日本の夏は汗がよく出てとても暑くなるよ。ぬりえを見ながら日本の夏を想像してみてね
まとめ
今回は色の学習をしたり、カレンダー制作用のぬりえを塗りながら日本の夏について学びました。
毎回イベントでは、日本語の挨拶をしたり日本の文化を学んだりと、日本に関係する内容を取り入れています。
イベントに参加している子供達は日本について知るとともに、日本について興味を抱きつつあるようで、今回はイベントが終わると「もっと私たちに日本語を教えてください」とリクエストまでありました。
子供達が日本について関心を高めてくれるのはとても喜ばしく、ウガンダ以外の国に目を向けて幅広い視野を持てるようになるのは、子供達の将来のことを考えるとプラスに作用してくるのではないかと思います。
これからも子供達との交流を図り、子供達の成長の助けになるようなイベントを続けていけたらと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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