第36回 七夕イベント(2023年7月22日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
2023年7月22日、第36回ウガンダ学習支援として、ワキソ地区アクライトシティで「七夕イベント」を開催しました。
7月の日本の行事について学ぼうということで、今回はウガンダの子供達と一緒に「七夕」について学んでいきます。
3人の初参加の子供達も交えて、七夕が一体どんな行事なのか知ったり、お願い事を書いたり、笹に飾る七夕飾りを折り紙で作ったりして遊びました。
ウガンダの子供達にとって初めて聞く「Tanabata」の言葉ですが、織姫と彦星の七夕のストーリーを聞いた子供達は、七夕について興味津々な様子でイベントに参加してくれました。
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
子供達にイベントに参加してくれたことに感謝をしつつ、まずは私の自己紹介から始めます。
「私は日本人で名前はAkemiです。SenseiはTeacherの意味です。私のことをAkemi Senseiと呼んでくださいね」
子供達に私の名前を覚えてもらった後は、日本語の挨拶の練習をします。
「Ohayou GozaimasuはGood mornigの意味です。Arigatou GozaimashitaはThank youの意味です。ぜひ両方とも覚えて初めて参加した子達も普段の会話で使ってみてね」
そう言いながら、何度も参加して日本語の挨拶を覚えてくれている子供達と一緒に大きな声で日本語の挨拶の練習をしました。
少し言葉が長いけど、みんな大きな声で練習してくれてありがとう
七夕ってなに?
- 日本の行事について学ぼう
- 日本について知ることで、日本を身近に感じよう
〇準備するもの
- 七夕のぬりえ-ふつう 七夕のぬりえ おりひめとひこぼし4(ぬり方参考例)
※織姫と彦星を切り取って棒に付け、人形劇風にアレンジ - 七夕のぬりえ-むずかしい 七夕のぬりえ おりひめとひこぼし1(ぬり方参考例)
- 七夕のぬりえ-むずかしい 七夕のぬりえ おりひめとひこぼし4(ぬり方参考例)
- 七夕のぬりえ-むずかしい 七夕のぬりえ2(ぬり方参考例)
今回は七夕イベントということで、イベントの最初に「七夕とは何か」を学びました。
日本人が「七夕」と聞けば、すぐにそれが「7月7日の行事」であることが分かることを伝えると、子供達は「なるほど!」というようにうなずき、七夕についての説明に聞き入っていました。
子供達には「学習プリント.com」で公開されている七夕のぬりえ見本を使って紙芝居で七夕のストーリーを分かりやすく説明していきます。
七夕の物語を聞いた子供達は、織姫と彦星は結婚した後にその怠慢さから神の怒りにふれて離れ離れになったが、一年に一度、7月7日だけ会えるようになったこと、笹に飾りつけをして願い事をすると、織姫と彦星の力でその願いが叶うことなどを学びました。
織姫と彦星は結婚した後に仕事を怠けていたために一年に一度しか会えなくなっちゃったので、みんなも神様に怒られないように家のお手伝いを頑張ろう!
願い事を書いて笹に飾ろう
- 日本の行事を体験しよう
- 願い事を書いて文字を書く練習をしよう
- 願い事と一緒に絵も描いてカラフルに仕上げよう
〇準備するもの
- 短冊
- 鉛筆
- クレヨン
七夕がどんな行事なのかを理解した後は、子供達は短冊に「願い事」を書いて、それが叶うよう天に向かってお願いをしていきます。
願い事を書いて笹に飾ると願い事が叶うと聞いて、子供達はウキウキした気持ちで短冊を受け取っていました。
子供達に「何か願い事はありますか」と尋ねると「あるよ。たくさんある!」と言って、それぞれ日頃から思っている願い事を短冊に書き進めていきました。
「もう一度学校に通って、弁護士になりたい」
「よい職業につけますように」
「(離れて暮らす)お父さんが健康でありますように」
本当に願いが叶うことを祈りながら思いを込めて、子供達は自分の希望や家族を気遣う気持ちを短冊に記しました。
織姫と彦星がみんなの願いを叶える手助けをしてくれるよ。願いが叶うようにお祈りしようね
七夕の飾りを作って笹に飾ろう
- 日本の行事を体験しよう
- ハサミを使う練習をしよう
- ハサミを切り込みを入れて、どんな飾りになるか想像力を働かせよう
〇準備するもの
- 折り紙
- ハサミ
- スティックのり
七夕の飾りを作ろう
短冊を書いた後は、折り紙を使って七夕の飾りを作っていきます。
見本として作っていた「吹き流し」「くずかご」「網飾り」「貝飾り」などを子供達に見てもらうと、初めてみる切り込みの美しさに子供達からは「ワオ!」という感嘆の声が聞こえてきました。
今回はその中から、子供達と一緒に「貝飾り」を作ることにしました。
大きな折り紙で作ると時間が掛かってしまうため、小さな折り紙を用意して順番にハサミを使って折り紙に切り込みを入れていきます。
折り紙にはあらかじめ線を引いておき、子供達が切り込みを入れるのに迷いがないようにしておきました。
切り込みは線が書いてあるところで止めて、最後まで切り取ってしまわないように注意するよう伝えましたが、初めてハサミを使う子などもいたりしてどうしても切りきってしまったりするため、イベントに参加している大きいお姉ちゃんに手伝ってもらいながら、なんとか完成をさせていきました。
作った貝飾りは見本の大きな貝飾りに繋げていき、長い連続した貝飾りに仕上げました。
短冊と七夕飾りを笹に飾ろう
七夕の飾りができあがったら、みんなで外にある笹に短冊と七夕飾りを飾っていきます。
それぞれ短冊や七夕飾りなどを持って「ここに飾ろうかな」「ここでも大丈夫かな」などと言いながら、初めての七夕の飾りを楽しんでいるようでした。
綺麗に飾られた笹を見ながら子供達からは「本当に願い事は叶うかな」などと期待する声も聞こえたりして、子供達は織姫と彦星の力に思いをはせていました。
綺麗に笹を飾ることができたね。この笹を見て、きっと織姫と彦星も喜んでいるよ
七夕のぬりえで遊ぼう
- いろいろな色のクレヨンを使ってぬりえを楽しもう
- クレヨンを使いながら、運筆の練習をしよう
- いろいろな色でぬりえを塗って、色彩感覚を養おう
〇準備するもの
- 七夕のぬりえ-かんたん 七夕のぬりえ おりひめとひこぼし3
- 七夕のぬりえ-ふつう 七夕のぬりえ1
- 七夕のぬりえ-むずかしい 七夕のぬりえ2
最後は、子供達みんなで七夕のぬりえを塗って遊びます。
七夕の物語で学んだ織姫と彦星のぬりえや、笹のぬりえなど、七夕の内容が盛り込まれたぬりえを塗り、今日のイベントのおさらいをしていきました。
今までぬりえをしても、それが日本の物だとどんな色に塗ればいいのか子供達が迷うような場面もありましたが、今回は紙芝居を見たり、実際に笹に飾りつけをして実物を見たりしているため、子供達は選ぶ色をあまり迷うことなく塗り進めることができました。
今日の七夕イベントは楽しかったかな。日本の七夕行事について知ってくれてありがとう。お父さんやお母さん達にも日本の行事を教えてあげてね
まとめ
今回は、ウガンダの子供達と一緒に日本の七夕行事について学びました。
ウガンダの子供は「Tanabata」の言葉を初めて聞き、どんな行事なのかワクワクした気持ちで物語を聞いたり、笹に折り紙で作った飾りやお願い事を飾ったりと、今回は子供達にとって初めてのことが満載のイベントになりました。
子供達は見本で作ってあった美しい切り込みが入った飾りにはとても驚いたようで、貝飾り以外も作りたいなどと言って、七夕飾りに魅了されている様子でした。
短冊を書いたり、七夕飾りを作って飾ったりと、日本の行事を実際に体験できたことは、ウガンダの子供達に「Tanabata」をしっかりと記憶させてくれるきっかけになったのではないかと思います。
これからもウガンダの子供達に日本の行事について伝えていき、ますます日本を身近に感じてもらえるようになったらと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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