第34回 ぬりえで色の学習イベント(2023年6月22日 マスリタチルドレンズビレッジ 開催)
マスリタチルドレンズビレッジ (Masulita Children’s Village (MCV)) でのぬりえイベントの開催は、昨年の10月に実施して以来2回目の開催です。
前回のイベント記事は下記からご覧ください。
当時はこの施設に約300人の子供たちがいましたが、比較的大きな子供たちは他の施設に移動するなどして、現在ここには108人の子供たちが様々なことを学びながら、みんなで一緒に生活をしています。
子供たちの人数は減っても、ここの子供たちの元気の良さは健在で、みんなでフラフープをしたり、木にぶら下がって遊んだりと、子供たちはみんなで一緒になって活発に遊ぶ様子を私に見せてくれました。
施設の詳しい紹介はこちらイベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- 講師自己紹介
- イベントの内容説明
今回のぬりえイベントには、30人程の子供たちが参加をしてくれました。
イベントの進行を手伝ったくれたのは、このマスリタチルドレンズビレッジで日本のJICA(独立行政法人 国際協力機構)からボランティアとして派遣されているJICA海外協力隊の永易亜季子さんと、英語が分からない子供たちのために通訳をしてくれたルースさんです。
ルースさんは子供たちがイベントを一層楽しめるよう、通訳をするだけではなく、子供たちに掛け声を掛けて遊びを交えながら統率するなど、今回のイベントでは大活躍をしてくれました。
そんなルースさんの力を借りながら、このマスリタチルドレンズビレッジでのイベントをスタートさせていきます。
まずは私の自己紹介、そして今回のイベントの内容説明などをします。
子供たちはあまり字が読めないと事前にルースさんから聞いていましたが、読む練習にもなるので、私の名前を「Akemi」とホワイトボードに書いて、音節で切りながら私が読むのに続けて子供たちに私の名前を読む練習をしてもらいました。
子供たちは大きな声で私の名前を復唱し、イベントの開始を盛り上げてくれました。
みんなで私の名前を覚えて、イベント中に私の名前を呼んでみてね
色の名前を覚えよう
- 色別カードを使って色の名前を覚えよう
- 色別に書かれた物の名前を覚え、色の違いを確認しよう
- ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう
〇準備するもの
- 色の名前が書かれた色の集合体カード
- 色別に描かれた個別の物のカード
カードを使って色の名前を学習しよう
イベントの最初は色の名前を覚えていきます。
子供たちに色の名前が書かれた色の集合体カードを見せ、それぞれの色の名前を答えてもらいました。
赤、青、黄、緑、オレンジ、紫の6色のカードを用意しましたが、子供たちは時折、永易さんから絵を描いたりする授業を受けているため、どの色もスムーズに名前を答えてくれました。
次に、色別に描かれた個別の物のカードを見てもらい、物の名前と、それが何色で描かれているかを答えてもらいます。
「赤いトマト」「青い長靴」「黄色いバナナ」など、子供たちが知っていそうな物が描かれているカードを選んで「これは何か」「これは何色で描かれているか」などを質問していきます。
子供たちがそれぞれの質問に「Red」「Tomato」などと答えてくれた後は、それを一つの言葉のように繋げて「Red Tomato」と私が言うのに続いて、子供たちは何度もそれを真似て声を合わせながら復唱をしてくれました。
途中で、私が「この食べ物は好きですか」「この動物を見たことはありますか」などと質問すると、みんなが一斉に「Yes」と答えてくれたりしたため、私も子供たちとの交流を大いに楽しむことができました。
ゲームを通して色の学習をしよう
色の名前を覚えたら、次は先ほどの色別のカードを使って「カード取りゲーム」を行います。
人数が多いので、ルースさんの協力を得ながら4つのグループに分かれて円を作ってもらいました。
それぞれのグループに各色2枚ずつのカードを配って、ゲームがスタートです。
私が見せるカードの色と同じ色のカードを取るよう遊び方を説明し、その後、子供たちが公平にカードを取れるよう、みんなに両手を上げてもらってからゲームをスタートさせます。
「Ready Steady Go(よーい、ドン)!」というと、子供たちは声をあげながらカードを取っていきました。
カードが取れた子供たちの表情はうれしさで満ち溢れ、笑顔を見せてくれています。
最後に子供たちが何枚のカードが取れたかを確認して、ゲームを終えました。
カード取りゲームは楽しめたかな。色の名前だけじゃなく、物の名前もしっかりと覚えてくれてありがとう!
大きなぬりえを塗って遊ぼう
- いろいろな色のクレヨンを使ってぬりえを楽しむ
- クレヨンを使いながら、運筆の練習をする
- いろいろな色でぬりえを塗って、色彩感覚を養う
〇準備するもの
- 大きなぬりえ (マスリタチルドレンズビレッジ用に制作)
- クレヨン
今回はマスリタチルドレンズビレッジで2回目のぬりえイベントということで、学習プリント.comで公開されているぬりえではなく、1回目の時に撮影した子供たちの全体写真をA4用紙25枚分の大きさにした、記念のぬりえを用意しました。
今回の大きなぬりえが、1回目に撮影した全体写真とほぼ同じものであることを確認してもらうために、前回のイベントの全体写真も子供たちに見てもらいました。
そうすると「あっ、これはこの子だね」「ここにアキコがいるよ」などと、写真と見比べながらどこに誰がいるかを探すのを楽しんでいる様子でした。
子供たちに大きな輪を作ってもらい、その輪の真ん中に大きなぬりえを置いてからクレヨンを配ると、一斉に子供たちがそのクレヨンを手に取って色を塗り始めます。
クレヨンの数や色の種類にも限りがあるため、実際の写真と同じように塗るのは難しい状況ではありましたが、子供たちは手に取ったクレヨンで自分の目の前にあるぬりえをカラフルに色付けしてくれていました。
また、大きなぬりえの輪に入れずにあぶれてしまった子もいたため、その子たちには自由にお絵描きをしてもらえるように個別に紙を渡して、それぞれの子供たちでお絵描きを楽しんでもらうようにしました。
子供たちが色とりどりに塗ってくれた大きなぬりえは、そのまま子供たちにプレゼントをして施設の壁に貼ってもらうようにしました。
そのため、この大きなぬりえを見るたびに今回のイベントのことを思い出すきっかけになってくれたらいいなぁと思います。
素敵なぬりえが完成したね。このぬりえを見たらみんなでイベントに参加した時のことを思い出してね
まとめ
今回は、路上で保護された子供たちが暮らすマスリタチルドレンズビレッジで、2回目のぬりえイベントを開催しました。
人数が少なくなったとはいえ、それでも100人以上の子供たちが一緒にこの施設で、ミシン操作など簡単な職業訓練のようなことを学んだり、読み書きなどの授業を受けたりしながら日々生活しています。
前回、昨年10月にイベントを実施した際は、施設に来てまだそれほど期間が経っていない子供たちが多い中で、多くの子は私達と「一緒に遊んでほしい」という気持ちを前面に出し、大人に甘えるような素振りを見せてくれている印象でしたが、今回の訪問では、子供たちが以前よりも秩序ある行動をしたりして、子供たちの成長した姿を見れたように感じました。
そんな成長を私に感じさせた子供たちは、永易さんとルースさんの指導のもと、今回のぬりえイベントにもとても意欲的に取り組んでくれました。
事前に永易さんから「子供たちはぬりえが大好きなんですよ」と聞いていましたが、私が用意したぬりえにも楽しんで塗ってくれている姿はとても印象に残るものでした。
引き続き、子供たちの学ぶ姿勢を応援し、私達でできる支援を続けていければと思います。
今回のサポートスタッフ紹介
ウガンダにJICA海外協力隊として派遣されている
永易亜季子さんの自己紹介
初めまして。永易亜季子と申します。当初中米派遣だったところ、新型コロナウイルスの影響で任国振替となり、ご縁があって2021年10月末からJICA海外協力隊としてウガンダにやってくることになりました!現在、UWESOというNGOのスタッフとして、コミュニケーション(広報PR)と青少年活動の2本を軸に活動中です。子どもたちの笑顔は世界共通、彼らからエネルギーをたくさんもらい、日々格闘中です!
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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