第31回 母の日(Mother’s Day)イベント(2023年5月12日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
日本では毎年5月の第2日曜日は母の日(Mother’s day)ということで、2023年は5月14日が母の日となっていますが、日本だけでなくウガンダでも同じ5月の第2日曜日が母の日として定められています。
「学習プリント.com」では母の日を目前に「母の日・父の日用メッセージカード」を公開したため、今回はそのプリントを使ってメッセージカード作りをしました。
ウガンダでは4月末に1学期が終了し、子供たちは5月から約3週間の長期休暇に入っています。
そのため、いつも土曜日や日曜日に開催していたイベントですが、今回は金曜日に開催したことで、普段、土日は教会へ行くなどして忙しい子供たちも集まってくれました。
イベントに早く集まった子供達は他の子供達が来るまで、私が持っていた日本の絵本を見ながら他の子供達が来るのを待ちました。
ウガンダでは教科書は学校で配布されないため、自分の本を持っている子供が少なく、また、本に触れる機会すらもあまりありません。
そのため、日本の絵本に描かれている絵を見ながら「犬だ!」「ライオンだ!」などと言いながら絵本を見るのを楽しんでいました。
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
前回の長期休暇以来、久しぶりに参加した子供達もいたりして、懐かしい顔ぶれならんだ今回のイベント。
彼らはもちろん日本語の挨拶は覚えていないので、みんなで日本語の挨拶「おはようございます」「ありがとうございました」などを練習しました。
いつも参加してくれている子供達は日本語の挨拶を覚えているので、久しぶりに参加した子供達を先導しながら、みんなで一緒に日本語の挨拶を学んでいきました。
久しぶりに参加した子供たちも日本語の挨拶は思い出したかな。たまに思い出して練習してみてね
色の名前を覚えよう
- 色別カードを使って色の名前を覚えよう
- 色別に書かれた物の名前を覚え、色の違いを確認しよう
- ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう
〇準備するもの
- 色の名前が書かれた色の集合体カード
- 色別に描かれた個別の物のカード
今日は「母の日」のメッセージカードにいろいろな色を塗って仕上げていくため、まずは色の学習からスタートしました。
カードを使って色の名前を学習しよう
それぞれの色の名前が書かれた色の集合体カードを一枚ずつ子供たちに見せて、色の名前を学習していきます。
覚えていく色は「赤、青、黄、緑、オレンジ、紫」の6色。
一枚ずつカードを見せると、子供たちは次々に色の名前を答えてくれました。
全員一斉に色の名前を答えてもらった後は、1人ずつにカードを選んでもらって色の名前を答えてもらいます。
自分が選びたいと自己主張する子が多く、1人の子を選ぶのが大変ですが、私も負けじと「次はあなた」と指名していき子供達にカードを選んでもらい、色の名前を答えてもらいました。
次に、色別に描かれた個別の物のカードを見せて、何の絵が何色で描かれているかを答えてもらいます。
「Red Tomato(赤のトマト)」「Green Frog(緑のカエル)」などと言いながら、子供達はそれぞれのカードをめくるたびにそれらにテンポよく答えてくれました。
ゲームを通して色の学習をしよう
色の名前を覚えたら、次に色の名前を覚える学習に使用したカードでカード取りゲームを行います。
各色4枚ずつの個別の物のカードをテーブルに置き、私が見せる色と同じ色のカードを早い物勝ちでカードを取っていくゲームです。
「Ready Steady Go(よーい、ドン)!」の掛け声でカードを取っていきますが、子供達はなるべく早くカードを取りたいがためにカードの直ぐ上に手をかざして準備し、他の子にカードを取られないようにしているので、必ず両手を上げてスタンバイしてもらうようにしています。
それでも「Steady」と私が言った時点で、まだ取るカードの色を見せていないにもかかわらず適当なカードを取って友達に勝とうとしてしまいます。
いつもカード取りゲームはかなり白熱しますが、今日はカードの取り合いが激しすぎて何枚ものカードがビリビリに破れてしまいました。
カードを取り終わると、子供達は歓声を上げたり踊ったりして嬉しさを表現し、カード取りゲームを思う存分楽しんでくれていました。
今日は男の子が多かったから、いつも以上にカードの奪い合いが凄かったね。またカードを作り直して次回のイベントに備えておくね
折り紙でリボンを作ろう
- 折り紙で日本文化に触れよう
- 折り紙で指先の感覚や集中力を鍛えよう
- 折り紙でリボンを作ってお母さんに喜んでもらおう
〇準備するもの
- 折り紙
今日は「母の日」のメッセージカードを作るということで、デコレーションの一つとして折り紙でリボンを作りました。
前回の第30回イベントは「こどもの日」をテーマにしていたので、それに合わせて「かぶと」を新聞紙で作りましたが、今回はメッセージカードに貼るリボン作り。
「かぶと」に比べると折る工程が多いので、子供達がうまくリボンを作れるか心配しながらスタートしました。
子供達に好きな色の折り紙を選んでもらい、私が折る見本を見ながら全員で一緒に折り紙を折っていきました。
なるべく簡単な折り方のリボンを選び、一工程ずつ折り方を教えていきましたが、だんだんと「どうやって折ればいいか分からない」「ちょっと手伝ってほしい」などの声が聞こえるようになっていきました。
「ここを開くんだよ」「ここを三角に折ってね」などと説明を加えながら手伝い、全員無事にリボンを作ることができました。
リボン作りは今まで折ってきた折り紙の中で一番難しかったけど、みんな頑張ったね。カードにこのリボンを付けたら、きっとお母さんに喜んでもらえるよ
「母の日」のメッセージカードを作ろう
- ぬりえを塗って色彩感覚を養おう
- メッセージカード作りを通して創造力を養おう
- お母さんへのメッセージを書いて、文字の学習をしよう
〇準備するもの
- 文字を書き込めるカード(ぬり絵)母の日 花束 1,2 (※画用紙に貼り付け済みのもの)
- 工作カード 花束 母の日1,2 (※切り取り済みのもの)
- 両面テープ
- 糊
いよいよ今日のイベントのメインである「母の日」のメッセージカードを作ります。
最初に子供達に「今日は母の日のメッセージカードを作りますが、母の日はいつか知っていますか」と尋ねてみましたが、知っている子は1人もいませんでした。
そのため、次の日曜日の14日が「母の日」で、この日はみんなのお母さんに日頃の感謝を伝える日であることを話しました。
母の日の説明を終えた後、子供達のイメージが掴めるようにあらかじめ作っておいた見本のメッセージカードを見せて、どんなメッセージカードを作るのがいいか考えてもらいます。
「リボンはこんな感じで表紙に付けたり、カードの中は色を塗ったりお母さんへのメッセージを書いたりしてね。デコレーション用の花束もあるから糊で貼って素敵なメッセージカードを作ってね」
メッセージカードの作り方の説明をし、子供達用のメッセージカードとデコレーション用に切り取り済みの花束の工作カードを配ります。
先ほど作った折り紙のリボンには両面テープを付けて、画用紙に貼りやすいようにしてあげました。
また、ホワイトボードには文章を書くのが苦手な子供達のために「お母さんがしてくれている全てのことに感謝しています」「あなたは世界で最高のお母さんだよ」など、母の日に定番のメッセージを見本として4つ書き、カードにメッセージを書きやすいようにしておきました。
私の見本では、カードの表や裏の表紙にデコレーション用の花束の紙を貼り、中にメッセージを書いていましたが「自由にカードを作っていいよ」と伝えたので、ほとんどの子供達はカードの中に花束の紙を貼って、表紙にメッセージを書いて仕上げていました。
リボンもカードに貼り付け、お母さんへの想いのこもったメッセージカードが完成しました。
みんな家に帰ったらお母さんにメッセージカードを渡して『いつもありがとう』と伝えてね
まとめ
今回はまもなく迎える「母の日(Mother’s day)」のために、お母さんに渡す「メッセージカード」を作りました。
4月で1学期が終って長期休暇に入ったこともあり、久しぶりにイベントに遊びに来てくれた子供達も加わり、いつものイベントがさらにパワーアップした感じで私も終始、子供達と一緒に楽しい時間を過ごすことができました。
折り紙でのリボン作りの工程が多くて少し苦戦した様子ではありましたが、子供達はお母さんの喜ぶ顔を想像しながらメッセージカードを作ってくれたのではないかと思います。
子供が自分のことを思って作ってくれたんだなと思うと、どんなメッセージカードでも親は嬉しいものですよね。
子供達が作った「母の日」のメッセージカード。
子供達のお母さんが喜んでくれたら私も嬉しいなという気持ちで、子供達の帰る姿を見送りました。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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