第28回 基礎学力の向上(2023年4月1日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)|学習プリント.com

第28回 基礎学力の向上(2023年4月1日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)

第28回 基礎学力の向上(2023年4月1日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
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今回の基礎学力向上イベントでは、今までの色や数字の学習イベントのように私が伝えたことを子供達が覚えていくのではなく、知育の要素を含めて、勉強の基礎となる考える力や判断力をを向上させることを目的としてイベントが開催されました。

<基礎学力向上イベント実施内容>
1. 指示ゲーム (※枠外参照)
上下左右を理解し、指示された場所がどこかを判断してその場所にカードを置いていくゲーム

2. 点描写ぬりえ
プリントの左右二か所に、それぞれ縦16マス×横13マスのマス目が書かれた用紙を用意する。一方のマス目には見本として描かれた絵があり、そのマス目の中のどのマス目にどの色が配置されているかを判断し、もう一方のマス目の同じ場所に同じ色を塗っていく

現在、弊社はTwitterアカウントとして「学習プリント.com(@StudyPrint_com)」と「学習プリント.com 海外学習支援活動(@OverseasStaff)」の2つを運営しています。
そこで、指示ゲームについては、弊社の双方のTwitterアカウントのフォロワーさんである、タイ在住の「ヨッシー(@yoshindn)」さんが今回の指示ゲームを使ってタイ人と日本人のハーフのお子さん達に日本語を教えられていた投稿を拝見し、ヨッシーさんからの承諾を得て今回のイベントでそれを再現させていただきました。

イベントオープニング

イベントオープニング
  • イベント開始のあいさつ
  • イベントの内容説明
  • 講師自己紹介
  • 日本語のあいさつを学ぼう
  • 学校体験をしよう

今日は初めてイベントにやってきた男の子、愛称「ミスター」くんが参加をしてくれました。
ミスターくんは「ミスター」の愛称から、イギリスのコメディアン「ミスター・ビーン」の名前で冗談交じりで呼ばれたりしており、ミスターくんの参加で今日も会場は盛り上がりを見せています。

他の子供達にはお馴染みになっている日本語の挨拶ですが、ミスターくんは初めて日本語の挨拶を聞くため、今日も「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございました」などをホワイトボードに書き、ミスターくんに一緒に覚えてもらいました。

サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

ミスターくんも今日は日本語の挨拶を覚えて帰ってね

指示ゲームを通じて上下左右を覚えよう

色の学習
  • 上下左右の方向を学んで理解する
  • 指示を聞いてその通りに行動ができるようになる
  • 指示された場所がどこなのか判断する力を養う

〇準備するもの

  • 動物カード 
  • 色別に描かれた個別の物のカード(動物、野菜、果物など)
  • カードを貼り付ける画用紙 (縦5マス×横5マス)

今日は基礎学力向上イベントということで、最初に指示ゲームを行いました。
指示ゲームは、子供達に上下左右を学んでもらいながら、私の上下左右の指示に従ってその通りに自分たちが持っているカードを画用紙に貼り付けて進めていきます。

指示ゲームの進め方

今回の指示ゲームは「サファリツアー」をテーマとしました。
ゲーム内で、子供達はバスに乗ってサファリツアーで動物を見に行くという設定でストーリー展開をさせています。
カードを貼り付ける画用紙は縦5マス×横5マスの合計25のマスに仕切られており、真ん中には子供達が乗るバスのカードがあらかじめ貼り付けられています。
サファリツアーに出発したバスは、いろいろな動物に会いにいきます。
「最初にバスはサルを見つけました。サルのカードを持っている人は、バスの左に貼ってください。」
などという私の指示を聞いて、該当のカードを持っている子が指示された場所がどこなのかを判断してカードを画用紙に貼り付けます。
途中、動物がバナナやリンゴを食べる様子などのストーリーが出てくるので、果物や野菜などのカードも画用紙に貼り付けていくことで、この指示ゲームのストーリーに膨らみを持たせました。

ゲーム開始

ゲームを始める前に、子供達が上下左右を理解していないとゲームが進まないので、みんなで上下左右がどちらの方向なのかを確認しました。
また、貼り付けるカードに描かれている絵が何の絵なのかも分かっていないと、指示されたカードがどのカードなのか分からなくなってしまうため、カードに描かれている絵も一枚ずつ全員で確認をしました。

子供達に動物や果物などのカードを一人あたり2枚か3枚配り、ゲームを開始します。
「最初にバスはサルを見つけました。サルのカードを持っている人は、バスの左に貼ってください。」
の指示を聞き、サルのカードを持っている子が前に出てバスの左を探しますが、子供達は正確に左右を覚えておらず、周りの子供達も「ここが左だ」、「いやこっちが左だな」などと言いながら、該当のカードを持っている子に助け舟を出したりしてゲームは進んでいきました。
「キリンの右で象が遊んでいる」「サルは左にあるバナナを食べている」などのストーリーを聞き、子供達はあっちだこっちだといいながら指示通りに画用紙にカードを貼っていき、ゲームを楽しみました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

指示ゲームで上下左右は確認できたかな。しっかり覚えて間違いをなくしていこう

点描写のぬりえで考える力を高めよう

色の変化を見る実験をしよう
  • 点描写のぬりえで空間認知力を養おう
  • 点描写のぬりえを通して集中力を養おう
  • 点描写のぬりえを通して図形の感覚を身に着けよう
  • 点描写のぬりえを塗ることで、色彩感覚を養おう

〇準備するもの

  • 点描写のぬりえ (かんたん、ふつう、むずかしい)

点描写のぬりえとは

一般的に点描写とは点と点で結ばれた見本の図形と同じ図形を、もう一方に書き写して進めていきますが、今回は点をマス目に変えて見本に描かれている絵と同じ図形を、もう一方のマス目の同じ場所に同じ色を塗って描写をしていく点描写のぬりえバージョンを準備しました。
点描写のぬりえには、「かんたん」「ふつう」「むずかしい」の三種類があり、どれも見本の絵は同じです。
違いは、

  • 「かんたん」は描写をしていく方のマス目に、見本と同じマス目の場所に同じ色の点をつけてあります。そのため「かんたん」は空間認知力が養っていない小さな子供でも、見本と同じ色の絵を描くことが可能です。
  • 「ふつう」は描写をしていく方のマス目に、見本と同じマス目の場所に黒い点が付けられています。「かんたん」と違って、見本と同じ場所がどこかは分かるものの、そこに塗る色は見本と見比べないと同じ色で塗ることができません。
  • 「むずかしい」はもう一方のマス目の方には何も書かれていないため、自分の力でどの場所にどの色を塗るか判断して、見本の絵と同じ絵を描いていく必要があります。

点描写ぬりえをしている子供達の様子

今回の点描写ぬりえは、まだ学習プリント.com内では公開されていない、ウガンダ学習支援イベント用に制作した知育プリントです。
縦16マス×横13マスの中に、今回はチューリップの花の絵を見本として描いたものを使用しました。
こういった知育プリントは子供達は初めて実施するため、まずはやり方を説明するのにとても苦労しました。
子供達が描写をしやすいようにマス目には縦と横それぞれに数字が書かれており、例えば縦の3と横の3の延長線で交わるところは赤を塗るということがわかるように描かれています。

ただ、子供達はその数字の交わりの場所を理解するのが難しかったようで、「かんたん」のぬりえならなんとか色を塗れても、「ふつう」になると途中で挫折してしまったりして、点描写ぬりえの目的があまり果たせなかったように思いました。
そのため、次回同じ点描写ぬりえをするような機会があれば、もう少しマス目の数を少なくして、簡単な絵を描写してもらおうと反省しました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3 形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

点描写ぬりえは難しかったよね。どの場所にどの色を塗ればいいかもっと分かりやすいプリントをもう一度作るから、また挑戦しようね



子供たちの貼り絵作品一覧 参加された子供たちとの集合写真

まとめ

今回は、勉強の基礎となる考える力や判断力を向上させることを目的とした基礎学力向上イベントを実施しました。

今までに子供達の考える力などを向上させる、知育に繋がるようなイベントはしたことがなかったので、今回が初の試みでした。
ウガンダの小学校の授業では、先生が黒板に書いたことや言ったことをそのままノートに書き写して覚える教育が主体となっています。
そのため、子供達の考える力を伸ばす教育というのはほとんど実施されていません。
こういった背景から、考えることを主体とした教育は子供達は不慣れなため、今回のイベント内容はウガンダの子供達には難しかった可能性があります。

点描写ぬりえについては、初めてこういったプリントに取り組む子供達でも前向きに進められるような簡単な絵にしていくことが必要だと分かったので、今回の経験を活かして、今後、知育プリントに慣れていない子供でも進められるようなプリント制作に取り組んでいけたらと思っています。

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ明美さん 2女のママ

2012年12月からウガンダに住み、ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダ生活を楽しんでいます。
次女はウガンダで生まれましたが、小さい時から日本語で育ててきたため、私との会話を日本語でしています。
これからも次女に日本語の読み書きなどを教え、日本で生活しても問題ないようなレベルになってくれたらと日々奮闘中です。
経済的に学校に通うことが困難な子ども達にも学習機会が持てるよう学習支援活動をしてまいりますので、毎回のレポートを楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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