第21回 世界の大陸と国旗の学習イベント(2023年2月12日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)|学習プリント.com

第21回 世界の大陸と国旗の学習イベント(2023年2月12日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)

第21回 世界の大陸と国旗の学習イベント(2023年2月12日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
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今回の「世界の大陸と国旗」を学習するイベントは、私が一度は子供たちと一緒にやりたいなぁとずっと願っていた学習イベントのひとつでした。

ウガンダでは、ウガンダ人が飛行機に乗ってどこか別の国に行くというのは、ある程度の収入が確保されている家庭に限られ、イベントに参加してくれている子供たちのような家庭では、ウガンダ以外の国に行くというのは現実を帯びた話として語られることはあまりないのではないかと思います。
でも、せっかく日本人の私と知り合い、このようなイベントに参加してくれているのであれば、子供たちと一緒に世界地図を広げながら話をすることで、子供たちのグローバルな感覚を少しでも養うきっかけになってくれたら嬉しいなぁとの想いがありました。

日本人が開催するイベントに参加していても、日本がどこにあるのかもわからないまま、常に受け身の体制でイベントに参加してくれている子供たちですが、今回のイベントで、日本や、ウガンダに関係が深い国々の場所や国旗を覚えて、世界に目を向けた思考を持てるようになってくれたらうれしいなぁと、私もワクワクしながら世界大陸の地図や国旗カードの準備に励みました。

イベントオープニング

イベントオープニング
  • イベント開始のあいさつ
  • イベントの内容説明
  • 講師自己紹介
  • 日本語のあいさつを学ぼう
  • 学校体験をしよう

子供たちには「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございました」の挨拶を日本語を教えてありますが、ウガンダでイベントを開催している午前の時間帯は、日本では午後の時間帯になっていることを伝えてあるため(日本とウガンダの時差は-6時間)、子供たちはいつも私に「こんにちは」と言いながら会場に入ってきてくれています。

最近はイベントの開始時刻よりも早く会場に来てくれている子供たちが多いので、他の子供たちを待つ時間は少し手持ち無沙汰な状態になり、ついついテーブルに顔を伏せて眠そうにしてしまう子もいたりします。

そのため、今回はその状況を表現する日本語として、みんなで「おやすみ」の挨拶を練習しました。
みんなが眠そうにしているなか、私がホワイトボードに「Oyasumi」と書いた後「これは『Good night』の意味ですよ」と伝えると、どの子供たちもすかさず顔を伏せて寝る真似をしだしました。

そして、次に私が「おはよう」と言いながら子供たちを起こし、挨拶とジェスチャーをセットにして恒例の日本語の挨拶の学習を進めていきました。

サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

みんな朝から眠そうだね〜。今日も大きな声を出してイベントやっていくよ

世界の大陸と10ヶ国の国旗の名前を覚えよう

世界の大陸と10ヶ国の国旗の名前を覚えよう
  • 世界の7大陸の位置と名前を覚えよう
  • 10ヶ国の国の国旗のデザインを覚えよう
  • 世界地図でウガンダ以外の国の場所を確認しよう
  • 世界に目を向けたグローバルな視点を養おう

〇準備するもの

  • 世界の7大陸の色別地図
  • 10ヶ国(日本、中国、インド、オーストラリア、アメリカ、イギリス、ドイツ、南アフリカ、ナイジェリア、ウガンダ)の国旗のカード 大、小サイズ

今回はイベント用に、世界の7大陸が色別に仕切られた世界地図を用意しました。
この地図はA4用紙9枚を張り合わせて作った大きな地図になっています。この地図を広げると子供たちからは「Wow(ワォ)!」という感嘆の声が聞こえ、子供たちから期待の表情を見ることができました。

「これは世界地図ですが、このような地図を見たことはありますか」と尋ねると、小さな子供たちを中心に見たことがないとの反応が返ってきました。
「この地図は7つの大陸を色別に分けて描いています。どんな大陸が世界にあるか確認していきましょう」と伝え、みんなで大陸の名前を復唱していきました。

次は、10ヶ国の国旗を覚える学習です。

今回イベント用に用意した国旗は、日本、中国、インド、オーストラリア、アメリカ、イギリス、ドイツ、南アフリカ、ナイジェリア、ウガンダの10ヶ国です。
ウガンダでは、アジア人=中国人と認識されるほど中国の印象は強く、私が街を歩いていても「ニーハオ!」などと常に声をかけられます。
また、ウガンダには中国製品だけでなくインド製品も数多く輸入されており、インドも身近な存在の国の一つになっています。
そんな、ウガンダに馴染みのある国を含めた10ヶ国の国旗を用意して子供たちに各国の国旗を学んでもらいました。

もちろん子供たちはウガンダの国旗は知っていますが、それ以外の国の国旗を学ぶ機会は少ないため、どの国旗のカードを見せても「知らない」の回答ばかりでした。
学習用の国旗カードは、表面には国旗のデザインが、裏面には国の名前が書かれており、一ヶ国ずつの国旗と国の名前を覚えていく学習をしました。

ここまでの大陸や国旗を学ぶ学習は知らないことばかりだったため、子供たちは少し難しく退屈そうな表情で学習を進めていましたが、次に私が「それぞれの国がどこにあるかこの地図で教えてください」と言うと、子供たちは息を吹き返したように立ち上がり、自分がそれを示したいという感じを主張しながら手を上げ始めました。

一人ずつ子供たちを指名し、地図上でそれぞれの国の場所を教えてもらうと同時に、その国の場所に小さな国旗のカードを貼り付けてもらいました。
この小さな国旗カードを貼り付けてもらう作業は、子供たちがどの国がどの場所にあるのかを把握し、また、どの国がどの国旗なのかを理解するのにとても役立ったようで、最後に地図上でそれぞれの国旗と国名を答えてもらうときには、みんながスラスラと答えることができるようになっていました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

最初は全く国旗と国名が答えられなかったけど、みんな全部覚えちゃったね。すごいね! これからも国旗を忘れないようにたまに思い出してね

世界の国旗を使ってカード取りゲームをしよう

世界の国旗を使ってカード取りゲームをしよう
  • 10ヶ国の国の国旗カードを使ってカード取りゲームをしよう
  • カード取りゲームで10の国の国旗を覚えたか確認していこう
  • みんなでゲームをしてイベントの参加意欲を高めよう

〇準備するもの

  • 10ヶ国の国旗カード 大、中サイズ

せっかく子供たちが10ヶ国の国旗を覚えてくれたので、覚えた国の国旗のカードを取って遊ぶカード取りゲームをしました。

やり方は、私が見せた「国名」に合う国旗のカードを取っていくというものです。
子供たちは2つのテーブルに分かれており、それぞれのテーブルに10ヶ国のカードを配りゲームを開始します。
「Ready Steady Go(よーいドン)!」の掛け声で私が国名を見せ、子供たちが国旗カードを取っていきますが、早い者勝ちのカード取りゲームのため、とりあえず合っているか関係なく目の前のカードを取っていく子供たちが多くいました。
それでも、子供たちは歓声をあげながらカード取りゲームを楽しみ、遊びながら国旗を確認していきました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

国名と国旗をちゃんと合わせられたかな。カードの取り合いで喧嘩をしないようにしようね。

自分の家のオリジナル旗を作ろう

自分の家のオリジナル旗を作ろう
  • 国旗の学習を活かし、自分の家のオリジナルの旗を作ってみよう
  • 自分の家の旗はどんな感じの旗がいいか想像してみよう
  • クレヨンで色付けして色彩感覚を養おう

〇準備するもの

  • 中央に〇が描かれたA4用紙
  • 鉛筆、クレヨン

いろいろな国の国旗のデザインを学んだので、最後に自分の家のオリジナル旗を作ってみることにしました。

全ての国に国旗があるように、自分の家についても自分の家を象徴するようなオリジナルの旗を作ろうという企画です。
ウガンダも日本も、国旗の中央には〇があります。
そのため、子供たちにも同じように中央に〇が描かれた紙を渡し、その〇を活かした自分の家の旗を描いてもらうように促しました。

子供たちは、中央の〇の中に家族の絵やウガンダの国旗を描いて、〇の周りにも色をつけるなど、思い思いに絵を描いていき自分の家の旗を完成させてくれました。

形の学習をする子供たち1 形の学習をする子供たち2 形の学習をする子供たち3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

いろいろな絵が描かれた旗ができあがったね。みんなの家の旗だから、家で飾ってみてね。



子供たちの貼り絵作品一覧 参加された子供たちとの集合写真

まとめ

今回は、子供たちと一緒に世界の大陸と国旗を覚えるイベントを開催を実施しました。

以前、ウガンダの冗談話で、学校の先生が授業で日本についてある生徒に質問をしたところ、その生徒は何も答えることができず悔しい思いをし、家に帰ってそれをお父さんに話したところ、お父さんは「日本なんて一生行くことができない国なんだから、そんな国のことは知らなくて大丈夫」と言って、大声で笑いながら子供を慰めたという話がありました。
これは冗談話の一つとしてラジオで紹介されたものでしたが、実際にそう思っているウガンダ人は数多くいるのではないかと思います。

ウガンダ人たちは、日本という国があることは知っていても、実際に行くこともなければ、日本なんて遥か遠い国のことだという感覚を持っているかもしれません。
それは、日本だけの話ではなく、アメリカでもオーストラリアでも、どの国においても同じ感覚を持っていることでしょう。

しかし、子供たちには可能性があります。現実を見れば上記は正しいのかもしれませんが、子供たちの可能性を最初からむしり取る必要はありません。
世界のさまざまな国のことを知り、子供たちが世界に目を向けるきっかけ作りの一つとして今回のイベントが役立ってくれていたら嬉しく思います。

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ明美さん 2女のママ

2012年12月からウガンダに住み、ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダ生活を楽しんでいます。
次女はウガンダで生まれましたが、小さい時から日本語で育ててきたため、私との会話を日本語でしています。
これからも次女に日本語の読み書きなどを教え、日本で生活しても問題ないようなレベルになってくれたらと日々奮闘中です。
経済的に学校に通うことが困難な子ども達にも学習機会が持てるよう学習支援活動をしてまいりますので、毎回のレポートを楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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