第18回 数字ぬりえイベント(2023年1月20日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
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2023年1月20日、第18回ウガンダ学習支援として、ワキソ地区アクライトシティで「数字ぬりえイベント」を開催しました。
前回のかたちイベントの際に、途中で友達と喧嘩したのか、あるいは何か嫌なことがあったのか分かりませんが、自分が仕上げたプリントをぐちゃぐちゃにして泣いている女の子がいました。
どうしたのか尋ねても心を閉ざしたまま話をせず、ずっと泣いたまま。
周りの子供たちに聞いても「どうしたのか分からない」との答えで、結局原因が分からないままイベントが終わってしまいました。
ずっとその子が気になっていましたが、今回のイベント開催の案内をしに行くと、トウモロコシの皮を剥きながらしっかりと家のお手伝いをしている様子が確認できました。
「明日イベントがあるから来てね」と伝えると、首を縦に振り元気そうな様子。
実際、その子は今回のイベントもいつも通り友達と一緒に参加し、元気な姿を見せてくれ、一安心しながらイベントをスタートさせました。
イベントオープニング
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- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
毎回子供たちと一緒にオープニングで日本語の練習をしています。
最初は「Sensei(先生)」で始まり、次は「Ohayou Gozaimasu(おはようございます)」を覚えた子供たち。
現在はこの2つの日本語を練習済みですが、前回のイベントの際に「次回はまた別の日本語を教えますよ。みんなもっと日本語を覚えたいですか」と尋ねると、一斉に子供たちから「Yes(はい)」の答えが返ってきたため、今回は「Good Afternoon」や「Hello」の意味を持つ「Konnichiwa(こんにちは)」を練習しました。
日本語を教える時は、音節で区切りながらホワイトボードに文字を順番に書いて一文字ずつ読む練習をしています。
そのため今回も子供たちが理解しやすいように「Ko」「n」「ni」「chi」「wa」と一文字ずつ書いて読む練習をしてもらいました。
始めは小さな声でホワイトボードを読んでいた子供たちですが「もっと大きな声で言ってみて」と伝えると、一人の女の子の大きな声を筆頭に部屋中に響くような元気な「Konnichiswa」が返ってきました。
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バシャ 明美
その調子で大きな声で日本語で挨拶できるよう、みんなで毎回練習していこうね。
カード取りゲームで数を数える練習をしよう
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- 1から10までの数字を覚えよう
- 1から10まで数を数える練習をしよう
- 動物の名前を覚えよう
〇準備するもの
- 数字カード
- 動物カード
まずは、みんなで1から10までの数字を数える練習をします。
1から10までの数字が書かれたカードを一枚ずつ子供たちに見せて、みんなで一斉に読む練習です。
数字の確認のため、ランダムに数字を見せたりもしながら、カードの数字が何かを子供たちに答えてもらいます。
数字カードの裏には数字の読み方が「One」「Two」などと書かれているため、こちらの裏側のカードでもみんなで数字を読む練習をしました。
次に数字カードと動物カードを使って、カード取りゲームをします。
動物カードには、キリンが1頭、ライオンが2頭、ゾウが3頭などというように、いろいろな動物が1頭から10頭まで描かれています。
前回までの数字イベントでは、子供たちが知らない動物も混ざったカードを使ってカード取りゲームをしていましたが、今回からは、子供たちが知っている動物だけが描かれたカードを使ったため、動物に疑問を持つことなくカード取りゲームに取り組むことができた様子でした。
ゲームのルールは、先ほど練習した数字の読み方「One」「Two」などが書かれたカードを子供たちに見せ、それと同じ頭数の動物カードを早い者勝ちで取っていくというものです。
今回は一つの数字に対して該当のカードは1グループ一枚しかないため、子供たちの激しい争奪戦が繰り広げられます。
カードを取っては「私の方が早かった」と言いながらカードを引っ張りあう場面があちこちで見受けられるなど、カード取りゲームの盛り上がりに終始圧倒されてしまいました。
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バシャ 明美
みんなちゃんと数字を読み、数を数えてカードを取ることができたね。今回は何の動物が描かれているか全部分かったかな 。
数字ぬりえで遊ぼう
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- 1から6までの数字を探そう
- 数字に合う色を見つけてぬりえをしよう
- クレヨンで運筆の練習をしよう
〇準備するもの
- 数字ぬりえ
- クレヨン
カード取りゲームの後は、数字ぬりえをしていきます。
パズルのように区切られたアイスクリームの絵に、数字が1から6まで振られており、番号ごとに指定された色を塗っていく「数字ぬりえ」を今回は準備しました。
「1は赤」「2は青」などと色が指定がされたプリントを配り、子供たちにルールを説明し、色塗りがスタート。
パズルのように絵の中が細かく仕切られていますが、子供たちは数字と色を合わせながら懸命に色を塗ってくれました。
まだあまりルールが分かっていない小さな子供たちもいるので、私も「これはどの数字かな」「どの色を塗ればいいかな」などと話しかけ、どの番号にどの色を塗るかアドバイスをしていきました。
時間が余った子は、余白の部分にも色を塗って塗り絵を完成させるなど、カラフルなアイスクリームが次々とできあがりました。
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バシャ 明美
きちんと数字と色を合わせることができたかな。答えを見て間違いがないか確認してね。
点つなぎで大きな数字を勉強しよう
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- 10以上の大きな数字を学ぼう
- 数字の順番を学ぼう
- 点つなぎをしながら運筆の練習をしよう
〇準備するもの
- 幼児用学習プリント 動物のてんつなぎ-かんたん ひよこのてんつなぎ
- 幼児用学習プリント 動物のてんつなぎ-ふつう うさぎのてんつなぎ
- 幼児用学習プリント 動物のてんつなぎ-ふつう 熊のてんつなぎ
- 幼児用学習プリント 昆虫のてんつなぎ-むずかしい バッタのてんつなぎ
- 幼児用学習プリント 海の生き物のてんつなぎ-むずかしい サメとコバンザメのてんつなぎ
- 幼児用学習プリント 動物のてんつなぎ-とてもむずかしい ゴリラのてんつなぎ
イベントの最後は、みんなで点つなぎのプリントをして数字の確認をしていきます。
以前に行った数字イベントでは、すぐとなりに次の数字があるようプリントばかり用意しましたが、比較的子供たちが順調に点つなぎをすることができていたので、今回は少し離れたところにも数字があるような難しいプリントも準備をして子供たちに挑戦をしてもらいました。
ウガンダは、絶滅危惧種にも指定されているマウンテンゴリラが生息していることでも知られているため、子供たちはゴリラについてよく知っています。
少し難しいですが、そんなゴリラの点つなぎも今回は取り入れながら、最大で150ぐらいまでの数字が書かれたプリントを用意し、それぞれの年齢に応じたプリントを各自選んで数字を順番に繋いでいく練習をしました。
ルールとして、かならず1から始めること、数字は飛ばすことなく順番通りに点を繋いでいくことを説明しましたが、数字をうまく数えられない子がいたり、次の数字を見つけられず、どこに次の数字があるか私に聞きにくる子がいたりと、みんな試行錯誤しながら点つなぎのプリントを進めてくれました。
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まとめ
今回は、数字を学びながら色塗りをしたり、点つなぎで10以上の数字を学んでいきました。
子供たちの年齢は4歳から12歳までと幅が広く、当然学習レベルもそれぞれ大きく差があるため、全員が同じ内容でイベントを進めていくのはとても大変ですが、プリントのレベルを変えたり、プリントのやり方を個別で再度伝えたりして、子供たちの学習をカバーしています。
そんな中、兄弟姉妹で上の子が下の子の世話をして色や数字を教えてあげたりと、全ての子供たちを一度に教えられない私の役割を代わりに担ってくれているお兄ちゃんやお姉ちゃんの存在はとても頼りになります。
私は毎回そんな子供たちに助けてもらいながらイベントを進めており、大きな年齢の子供たちに感謝をしています。
前回イベント中に泣いていた女の子ですが、今回もイベントが終わってから一人で建物の裏側に行って「お腹が痛い」と大声で泣いて一人でしゃがんでいました。
なぜ一人でその場所に行ったのか不明でしたが、毎回イベントの時に涙を見せているので、引き続き彼女の行動を見守っていけたらと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
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2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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