第16回 数字の学習(2023年1月4日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
2023年1月4日、第16回ウガンダ学習支援として、ワキソ地区アクライトシティで数字イベントを開催しました。
新年最初の学習支援イベントは、数を数えたり、点つなぎをしたりと、数字を遊びながら学べる数字イベントを開催しました。
この地域ではぬりえイベントを2回行いましたが、数字イベントは初めての開催です。
子供たちが数字の学習も楽しんでもらえるか、私もちょっとドキドキしながらイベントをスタートさせました。
目次
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
「みんな、1から10までは数えられますか。今日は数字を数えたり、数字を使ったゲームをしたりしながら数字を学んでいきますよ」と、今日のイベント内容を伝えます。
次に私の自己紹介です。
「みんな、私の名前を覚えていますか」と聞くと、ちらほらと「Sensei(先生)」という声が聞こえてきました。
私の名前を覚えてもらうのは、私がこの地域でイベントを開始してからのテーマのひとつでもあるので、「Sensei」という声がしたのは、私もテンションが上がりました。
「私の名前を覚えている子がいるね。ありがとう」と言い、ホワイトボードに「Akemi Sensei」と書き、子供たちに復唱をしてもらいました。
「Senseiはどんな意味か覚えていますか」と尋ねると、子供たちから一斉に「Teacher」の声が上がり、子供たちに「Sensei」が定着しつつあるなと感じることができました。
みんな、Senseiを覚えてくれてありがとう。イベント中もTeacherじゃなくてSenseiって呼んでね。
1から10までの数字を数えよう
- 1から10までの数字を覚えよう
- 1か1から10までの数を数えて、表を作る練習をしよう
- 1から10までの数字を素早く数える競争をしよう
〇準備するもの
- 1から10までの数字を素早く数える競争をしよう
- 小学生用学習プリント かずしらべ(数を調べて整理しよう)5
- 小学生用学習プリント 小学1年生用-10までの数 10までの数(かずあてカード)どうぶつ 1~5 どうぶつ 6~10
1から10までの数字を数えよう
まずは、数字カードを使ってみんなで1から10までの数字を数える練習をします。
3歳の子も参加しており、10までの数字を数えることができない子もいましたが、みんなで大きな声で1から10までの数字を読み上げてくれました。
数を調べて、表を作る練習をしよう
数字カードを使って1から10までの数字を確認したら、次は、プリントを使って野菜や果物の数を調べて色を塗り、数調べの表を完成させる作業を行います。
調べる物は、トマト、ピーマン、ナス、メロン、ミカンです。
まずは、みんなで何の絵が描かれているか確認をしましたが、メロンはウガンダでは馴染みがないため、スイカと答える子が多く、「これは、スイカに似ているかもしれませんが、メロンと言って、中身は緑色です」と教えました。
次に、数調べのやり方を、最初に調べるトマトを使って、私が実際に数を数えて色を塗りながら見本を見せます。
数調べのやり方が分かったら、各自作業開始です。
子供たちの作業を見ていると、ランダムに散りばめられた野菜や果物の数を数えるのに苦戦してしまう子もいたため、一緒にそれぞれの数を数え、数の分だけ色を塗るように伝えて数調べの表を完成させていきました。
1から10まで数字を使って、カード取りゲームをしよう
数調べを終えたら、次は子供たちが大好きなカード取りゲームです。
ぬりえイベントの時も毎回カード取りゲームを行っていて、カード取りゲームはイベントをする中でも最も盛り上がりをみせているため、以前にも参加してくれた子供たちに「今からカード取りゲームをしますよ」と伝えると、みんなの表情がイキイキとし、楽しみに待っていてくれている様子がとてもよく伝わりました。
カード取りゲームのルールは、各テーブルに配られた動物カードの動物の頭数を数え、私が見せた数字と同じ頭数のカードを取るというものです。
同じテーブルの他の子供たちより早く取るには、動物の頭数を誰よりも早く数えてカードを取る必要があることを伝えると、子供たちはみんな、ゲームが始まる前にどの動物が何頭いるか数えて、ゲームを始める準備をしていました。
「Ready steady , Go!」の合図でスタート。
カードに書かれている動物の頭数は最大で10です。数を数えることに慣れていないと、10までの数を一瞬で数えるのは少し難しいかなと思いますが、それでも子供たちは素早く数を数えながらカード取りゲームを楽しんでくれました。
動物の中には、ウガンダでは見かけることがない、あるいはウガンダにも生息しているが身近ではない、コアラ、カンガルー、ペンギン、フラミンゴなども描かれており、コアラを犬、カンガルーをリス、ペンギンを鳥、フラミンゴをダチョウと言っていた子供たちに、正しい動物の名前を教えました。
みんなカードを取るのが早かったね。いろんな動物の名前も一緒に覚えて帰ってね。
1から100まで数える練習をしよう
- 10より大きい数を数える練習をしよう
- 100までの数を正確に数えられるようになろう
〇準備するもの
- 幼児用学習プリント 数字の表(1から100まで)よこのすうじでおぼえよう
- 小学生用学習プリント おおきいかず(数の並び方) かんたん 1
1から10までの数を数える学習が終わったら、次は10より大きい数を数える練習です。
まずは、1から100まで書かれている数字の表を見ながら、全員で100までの数を数える練習をします。
こちらも1から10までの数を数えた時と同様に、みんなで大きな声で途中途切れることもなく、100までの数字を読み上げてくれました。
100までの数字を確認したら、次は1から100までの数字が書かれた中に空欄がところどころある穴埋めプリントを行います。
子供たちは学校でも同じようなプリント学習をしているため、「それならできる!」
というような感じで、プリントを配るとすぐにやることを理解し、一目散にプリントに取り掛かってくれました。
100までの数字もみんなスラスラと書くことができたね。埋められなかったところがある子は、答えを確認して穴埋めを完成させてみてね。
点つなぎで遊ぼう
- 点つなぎのプリントを使って、数字の並びをおさらいしよう
- 点つなぎをしながら運筆の練習をしよう
〇準備するもの
- 海の生き物のてんつなぎ
- ふつう - イルカのてんつなぎ
- むずかしい - イルカのてんつなぎ
- とてもむずかしい - クジラのてんつなぎ、エビのてんつなぎ
数字イベントの最後は、みんなで数字の点つなぎのプリントを実施しました。
この地域の子供たちがどのぐらい点つなぎに取り組めるか分からなかったので、今回は比較的子供たちの混乱が少ないと思われる海の動物の中から、イルカやクジラ、エビなどの点つなぎに挑戦してもらいました。
今回準備した点つなぎの中で一番難しい点つなぎは、エビの点つなぎで、数字は1から182まで書かれています。
その中でも、エビの触覚の辺りなどは、数字が複雑に並んでいて、次につなぐ数字を探すのを少し迷ってしまうようになっていますが、それでもこの点つなぎに挑戦してくれた子供たちは、しっかり次の数字を見つけて点つなぎを完成させてくれました。
少し数字が飛んでしまった子もいたけど、みんな頑張って次の数字を見つけて点つなぎを完成させてくれてたね。次はもう少し難しい点つなぎも挑戦してみようね。
参加した子供たちの感想文
※感想文の一部を掲載しております。
下記のボタンから全ての感想文をご覧いただけます。
今回使用したプリント
学習プリント.comに掲載されているプリント
まとめ
今回は、数字イベントということで、数を数える練習をしたり、点つなぎのプリントをしながら、数字を学んでいきました。
この地域で初めての数字イベントでしたが、子供たちはぬりえイベントの時と同様に楽しそうに数字の学習に取り組んでくれました。
途中で子供たちに馴染みのない動物の名前を学習する場面もありましたが、子供たちはそれらの名前を繰り返し復唱しながら動物の名前を覚えようとしてくれており、子供たちみんなが前向きに動物の名前を学ぼうとしている姿勢に、私も嬉しい気持ちになりました。
この地域の子供たちは、カンパラの子供たちと違って、交通手段が不便な中で暮らしている子供たちが多く、少しどこかに遊びに出掛けるだけでも苦労するような環境にいます。
学ぶ、遊ぶが一緒になったこの学習支援イベントで、今後も子供たちが楽しみながら学べる時間を提供し、子供たちの学びの機会になってもらえたら嬉しく思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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