第14回 クリスマスイベント(2022年12月23日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
2022年12月23日、第14回学習支援として、ワキソ地区アクライトシティでクリスマスのぬりえイベントを開催しました。
私の引っ越しに伴い、首都カンパラからこちらのアクライトシティへイベントの開催場所を移し、この地域で初めての学習支援を行いました。
最近のこの地域は、毎日、強風と豪雨に見舞われ、太陽が顔を見せてくれる日はほとんどない状態です。
この日も例にもれず、とても外には出れないほどの大雨で、当初案内した開催時刻から4時間ほど遅れてのイベント開催となりました。
また、開始時刻の遅れに加え、この地域での初めてのイベント開催とあって、私もどのぐらいの人数の子供たちがイベントに参加してくれるか心配をしましたが、今回は25名の子供たちがイベントに参加をしてくれました。
目次
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- 講師自己紹介
- 学校体験をしよう
今回は、全員が初めてのイベント参加。
イベントの案内をする時には、クリスマスのぬりえイベントをすると伝えてはありますが、これからどんなことが始まるのか、口数が少ない子供たちの緊張している雰囲気が、私にもひしひしと伝わってきました。
「Good afternoon,everyone! (皆さん、こんにちは!)」と、私から子供たちに挨拶をしますが、子供たちからは聞こえるか聞こえないか程度の声でしか挨拶が返ってきません。
「今日はクリスマスのぬりえをしますよ。でも、みんな、私に聞こえるように大きな声を出しながらイベントに参加してね」と伝え、イベント開催の挨拶をしました。
まずは私の自己紹介です。
子供たちは今回初めてイベントに参加しているため、私のことを知っている子は誰一人いません。
そのため、子供たちに私の名前を覚えてもらえるよう、ゆっくりと自己紹介をしました。
「私の名前はAkemiです」と言いながら、ホワイトボードに名前を書き、私の名前を音節で区切って、みんなで読む練習をします。
「私は日本人です。私の名前はAkemiですが、今日はSensei(先生)と呼んでください。Senseiは私の名前ではありません。Senseiは日本語でTeacher(先生)の意味です。Akemi SenseiはTeacher Akemiの意味になります」と説明し、みんなで「Akemi Sensei」と呼ぶ練習をしました。
Akemi senseiの呼び方をみんな覚えられるかな。何かあったら、Akemi Senseiと呼んで声をかけてね。
カードを使って色の学習をしよう
- 色別カードを使って色の名前を覚えよう
- 色別に書かれた物の名前を覚え、色の違いを確認しよう
- ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう
〇準備するもの
- 色の名前が書かれた色の集合体カード
- 色別に描かれた個別の物のカード
色の名前を覚えよう
ぬりえの前に色の集合体カードを使って色の学習をします。
初めて一緒にイベントをする子供たちなので、子供たちがどんな反応をするのか楽しみにしながらイベントをスタートさせました。
「今からカードを見せるので、カードの色が何色か分かったら教えてね」と伝えます。
最初の「Good afternoon」の挨拶の時にはあまり声が出ていなかった子供たちでしたが、色の名前を答える時には大きい子を筆頭にして少しずつ声が出てくるようになってきました。
小さい子たちもその声につられるように色の名前を答えてくれ、声だしの練習も順調に進みます。
色別に描かれた物の名前と色を答えよう
次に個別の物のカードを使って、物の名前と、それが何色かをみんなに答えてもらいます。
バナナや懐中電灯など、いろいろなカードを使って物と色の名前をあててもらいましたが、ブドウのカードを見せた時に、一人の子が「ブルーベリー」と答えているのを聞き、ブルーベリーはウガンダではあまり見かけない果物のため、よくブルーベリーの名前を知っているなと驚きました。
色別カードを使ってカード取りゲームをしよう
色の学習が終わったら、次は色別カードを使ってカード取りゲームを行いました。
カード取りゲームはカンパラの子供たちに大人気のゲームだったため、アクライトシティの子供たちにもゲームで緊張を解き、イベントに慣れてくれたらいいなとの想いで実施をしました。
「今からこのカードを配りますが、まだ触らないでくださいね。ゲームのやり方は後で説明します。」と伝えると、何が始まるか分からない子供たちは静かにカードが配り終わるのを待ってくれていました。
「ゲームのやり方は、今から私が見せるカードと同じ色のカードを取ってください。例えば、私が赤のカードを見せたら、みんなも赤のカードを探して取ります。他の色のカードを取ってはいけませんよ。これはみんなで競争して誰が一番たくさんカードを取れたか競うゲームです。やり方は分かりましたか」と説明します。
ゲームがスタートすると、最初はやり方が分からなかったのか、小さな子供たちはあまりカードを取る様子を見せずに、大きな子供たちばかりがカードを競って取っている様子でした。
そのため、もう一度やり方を説明し、小さな子供たちにもゲームに参加するよう促していきました。
カード取りゲームは楽しかったかな。少しイベントにも慣れてきたかなぁ。
モチーフに色を塗ってクリスマスツリーを綺麗に飾ろう
- 色塗りで色彩感覚を養おう
- ぬりえを通して、運筆の練習をしよう
- みんなで一つのものを作り上げる楽しみを学ぼう
〇準備するもの
- クリスマスツリー用ぬりえモチーフ(8種類)
- 飾り用クリスマスツリー
- クレヨン
- のり
さて、今回はクリスマスイベントとのことで、今回のイベントでは、大きな紙のクリスマスツリーを準備して、子供たちに色塗りをしてもらったモチーフで、クリスマスツリーに飾りつけを行っていきます。
「ここにクリスマスツリーがあります。これは私たちのクリスマスツリーです。でもこのクリスマスツリーはまだ飾りつけがされていません。みんなに飾りつけ用のモチーフを配るので、モチーフに色を塗ってクリスマスツリーを素敵に飾りつけしてくださいね。」と伝え、みんなにモチーフの色塗りをしてもらいました。
みんなが思い思いにモチーフの色塗りをし、どこにこれを貼ろうか悩みながら飾りつけをしてくれたクリスマスツリーは、とてもカラフルな素敵なクリスマスツリーに仕上がりました。
「私たちのクリスマスツリーがこんなに素敵に仕上がりました。みんな飾りつけをしてくれてありがとう」と子供たちにお礼を言い、みんなで拍手をしながらクリスマスツリーの完成を喜びました。
クリスマスツリーがとっても素敵に仕上がったね。おかげでイベント会場のクリスマスの雰囲気が一気に高まったよ。
クリスマスのぬりえを楽しもう
- クレヨンを使ってぬりえを楽しもう
- クレヨンで運筆の練習をしよう
〇準備するもの
- 幼児用学習プリント クリスマスのぬりえ
- クレヨン
さて、クリスマスツリーが完成したところで、クリスマスの雰囲気が満載の中、最後にみんなでクリスマスのぬりえを行います。
さまざまなクリスマスのぬりえを用意し、みんなに好きなぬりえを選んでもらってぬりえをスタートさせます。
子供たちがぬりえを塗っている間、さらに雰囲気を盛り上げるためにクリスマスソングも流しながら色塗りをしてもらいました。
子供たちがそれに合わせて歌を歌いながら色塗りを進めてくれるなど、みんなの気持ちもすっかりクリスマスの気分になり、楽しいぬりえの時間を持つことができました。
ぬりえも上手に塗れたね。クリスマスももう目の前。みんなクリスマスが待ち遠しいね。
参加した子供たちの感想文
※感想文の一部を掲載しております。
下記のボタンから全ての感想文をご覧いただけます。
今回使用したプリント
学習プリント.comに掲載されているプリント
まとめ
今回はクリスマスのぬりえイベントということで、最後にイベントに参加してくれた子供たちに「Merry Christmas!」と言いながら、ビスケットとアメのセットを配りました。
大きい女の子はウガンダ式のお礼(ひざを床につけてお礼を言う)で「ありがとう」と言ってくれるなど、子供たちはみんな、お菓子のプレゼントをとても喜んでくれていました。
この地域での初めてのイベントということもあり、まだまだカンパラで開催した時のような盛り上がりではありませんでしたが、子供たちは色を塗っている途中でも私に見て見てと言いながら自分の作品を見せに来てくれるなど、今回のイベントをそれぞれの子供たちで楽しんでくれている様子でした。
私もまだこの地域の子供たちが普段どのように過ごしているのか把握していないため、どんな学習支援をしていくのがいいか模索中ですが、今後この地域の子供たちと触れ合いながら、子供たちに必要な学習支援を継続できたらと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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