第11回 数字の学習(2022年11月30日 カンパラ 開催)
2022年11月30日、首都カンパラで第11回学習支援として、数字イベントを開催しました。
11月30日は水曜日。ウガンダでは現在エボラ出血熱が流行しており、流行拡大を防ぐ目的で、ウガンダの全ての学校が通常より二週間早い11月25日に3学期が終了しました。
そのため、いつも土曜日に開催しているイベントを、今回は水曜日に開催をいたしました。
既に学校が長期休暇に入っている子供たち。
イベント日の二日前、子供たちにイベント開催の案内をしに行くと、外で集まって遊んでいる子供たちが私の姿を見て、「Akemi Sensei~」と言って大勢駆け寄ってくれました。
私が手に持っている案内状を見て、またイベントがあるんだなと察した子供たちは、案内状を奪い取るかのように手に取り、「またイベントあるの?」「次はなんのイベント?」などと言いながら嬉しそうに話をしてくれました。
目次
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- 講師自己紹介
- 日本語の挨拶
- 学校体験をしよう
今回のイベントは数字を覚えたり、数えたりを、遊びながら学ぶ数字のイベント。
10月にも数字を学習するイベントをしたので、数字のイベントに参加するのは二回目の子供も多くいます。
近隣の子供たちには私が開催しているイベントはすっかりお馴染みになっているので、案内ができなかった子供たちも、イベントがある噂を聞きつけて参加をしてくれています。
最近のイベントでは日本語の「おはようございます」を子供たちに覚えてもらっているため、「おはようございます、あけみ先生」と日本語で挨拶をしながらイベントをスタートしました。
みんな『おはようございます。』の挨拶がどんどん上手になっていくね。
数字を覚えて、数調べをしよう
- 数字を学習しよう
- 数を数えて表を作る練習をしよう
〇準備するもの
- 数字カード(1から10まで)
- 小学1年生用-かずしらべ かずしらべ(数を調べて整理しよう)7
イベントの最初は、数字カードを見ながら1から10までの数字を全員で読んでいきます。
1から10までの数字は子供たちは既に習得済みのため、簡単な内容からイベントをスタートさせて、子供たちに思いっきり大きな声を出してもらい、リラックスした雰囲気を作るためのアイスブレイクとして取り入れています。
カードで1から10までの数字を確認した後は、数調べのプリントを行います。
これは、プリントの中にイチゴやバナナなどが複数描かれているため、その数を数えて同じ数の分だけ、同じ果物の表の所に色を塗っていくもの。
やり方を説明しましたが、数調べのプリントを初めてやった子供たちが多数いたようで、果物の数を数えずに全ての果物に色を塗って、単なるぬりえとして色塗りをしている子供たちが多くいました。
「これは全ての果物に色を塗るプリントではありませんよ。果物の数を数えて、それと同じ数だけ色を塗ってくださいね」と改めて説明し、全ての果物に色を塗っている子供たち一人一人に再度やり方を伝えていきました。
あけみ先生の説明が悪かったかな。間違えて塗ったところは✕をつけて直してみよう。
数字カードを使ってカード取りゲームで遊ぼう
- ゲームを通じて数字を覚えていこう
- 素早く数を数える力を鍛えよう
- 大勢の友達と遊ぶ楽しさを知ろう
〇準備するもの
- 数字カード(1から10まで)
- 小学1年生用-10までの数 10までの数(かずあてカード)どうぶつ1-5、6-10
毎回、カード取りゲームはイベントで子供たちが大盛り上がりを見せる内容の一つです。
今回のカード取りゲームのルールは、私が見せた数字カードに書かれた数字と同じ数の動物が描かれたカードを誰が早く取ることができるかを競うもの。
ルールを説明した後、さまざまな動物の絵が描かれているカードをそれぞれのテーブルに配ると、早くも子供たちが自分の陣地にカードを寄せて、素早くカードが取れるようにしていました。
そのため、子供たちに両手を上げてもらいながら、再度カードの置く場所を修正して不公平のないように置き場所を修正していきました。
「みんな、両手を上げてね〜。始めるよ」と言い、「Ready、 Steady、Go(よーい、ドン)!」の掛け声でゲームはスタート。
みんなの白熱した声と同時に、子供たちがカードに描かれた動物の数を数え、次々とカードを取っていきます。
各カードにはそれぞれ違う動物が描かれているため、カードを取った子供たちに何の動物が描かれているかを言ってもらい、同時に動物の名前も覚えていきました。
数を数えるのは、やはり大きい子がとても素早く、1から10までの数のうち一番たくさんカードを取った子は8枚で、他の子ども達はチャンピオンに拍手を送りました。
ものすごい熱狂だったね。カードを取るスピードも数を一瞬で数えて早かったね。
1から100までの数を学習して、点つなぎで遊ぼう
- 100までの大きな数字を学習しよう
- 点つなぎで遊びながら数字の順番を覚えよう
- 真っ直ぐな線を書く練習をしよう。
〇準備するもの
- 小学1年生用-おおきいかず おおきいかず(20よりおおきいかず) かずのならびかた (ふつう)1
- 幼児用学習プリント 点つなぎ
- 幼児用学習プリント 数字の表(1から100まで)
点つなぎは10月の数字イベントでも実施しましたが、1から50までの点つなぎは比較的簡単にできている子が多い反面、100以上の数字がある点つなぎをしている子はどこに数字があるかも見つけるのが大変で、数字を飛ばしながら近くの数字の点と繋いでいる子が多く見られました。
そのため、今回のイベントでは、まずは1から100までの数字を学び、その次に点つなぎをする流れで行うことにしました。
まずは1から100までの数字の順番を学びます。
子供たちに1から100までの数字に、ところどころ空欄がある穴あきプリントを配ります。
ウガンダでは、幼稚園の年長組になると1から100までの数字を覚える学習をします。
今回のイベントは5歳以上の子供を対象にして行いましたが、案内をしていなかった小さな子供たちもイベント開催の噂を聞きつけて参加をしていたため、やはり小さな子供たちは空欄を埋めることができずに苦戦してる様子でした。
1から100までの数字の順番を確認した後は、いよいよ点つなぎ。
点つなぎのプリントをすることを子供たちに伝えると、前回もイベントで点つなぎをした子供たちから歓声が上がり、点つなぎをするのを喜んでくれました。
「むずかしいプリントをちょうだい」と駆け寄ってくる子供たちもいましたが、100を超える数字の点つなぎは難しいだろうと思われるような子供たちもいたので、それぞれの年齢に合うような点つなぎのプリントを配って点つなぎを行ってもらいました。
前回1から始めていなかったり、数字を飛ばしたりしていた子が多くいたため、再度点つなぎのルールを説明。
- プリントは必ず1からスタートすること
- 数字は飛ばさずに必ず順番に点をつなげること
上記二点を徹底するように伝えて点つなぎをスタート。
途中、数字の続きが分からずに「次の数字はなに?」と何度も聞きながら点つなぎを進める子供がいたので、1から100までの数字の表を貸してあげて、聞かなくても自分で点つなぎが頑張れるようにしました。
今回は前回より数字の数が大きかったけど、点つなぎもだんだん慣れて上手になってきたね。
参加した子供たちの感想文
※感想文の一部を掲載しております。
下記のボタンから全ての感想文をご覧いただけます。
今回使用したプリント
学習プリント.comに掲載されているプリント
まとめ
ウガンダの子供たちは学校では英語で授業を受けていますが、家の中では家族と現地語のガンダ語で話をしています。
イベントが開始する前、他の子供たちが来るのを待っている間に、早くに集まってくれた子供たちと一緒にガンダ語で数字を数える練習をして遊びました。
私がガンダ語で数字が数えられることを知ると、子供たちはとても驚いていましたが、同時にとても喜んでくれ、何度もガンダ語で数字を数えて一緒に遊びながら他の子供たちを待ちました。
子供たちもどんどんと私に慣れていき、積極的に交流をしてくれています。
子供たちから他のガンダ語も教えてもらいながら交流をさらに深め、これからも子供たちが楽しんで学べる学習支援を続けていけたらと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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