第5回 数字の学習(2022年10月15日 カンパラ 開催)
2022年10月15日、首都カンパラで学習支援第5回数字イベントを開催いたしました。
今回はいつものぬりえイベントとは趣向を変えて、少し頭を使いながら学べる「数字とぬりえを組み合わせたイベント」を実施しました。
ウガンダの保育園や幼稚園では、数字の学習は年少組から始まり、年中組では足し算、引き算、そして年長組では二桁の足し算や三つの数字を足す足し算を学ぶなどして、子供たちは早くから数字に慣れ親しんだ教育を受けています。
そんな子供たちに、単に数を数える、計算をするという観点とは少し違う、数字の点つなぎや数字ぬりえなどを通して、数字を遊びながら学べる内容のイベントを開催しました。
目次
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 学校体験をしよう
今回は22名の子供たちが参加し、イベントを盛り上げてくれました。
会場に集まってくれた子供たちに、今日は数字とぬりえのイベントをすることを伝えると、「ぬりえもするの~?」と、子供たちから嬉しそうな声が聞こえてきます。
「そうです。今日は数字も学ぶし、ぬりえでも遊びますよ。」と子供たちの関心を引くようイベントの内容を伝えました。
そして私の自己紹介に移ります。
「自己紹介をします。」と言うと、子供たちは一斉に「Akemi Sensei~」と声を上げて私の名前を叫び、何度も参加してくれている子供たちは、もう名前は知っているよと言わんばかりに私の名前を呼んでくれます。
ホワイトボードに「Akemi」と書くと、子供たちが続けて「Sensei」と言うなどして、私の名前が子供たちには馴染みの名前となっています。
初めて参加してくれた子供たちにも分かるよう、「『Sensei』は日本語で、英語の『Teacher』の意味です。だから、今日は私を『Sensei』と呼んでくださいね」と伝え、挨拶を終えます。
今日は暑いけど、お水を飲みすぎないように注意してね。
数字カードで数字を覚えよう
- 1から10までの数字を覚える
- 数字カードを見ながら指出しゲームを行い洞察力を高める
今回は数字の学習ということで、数字カードを用意して子供たちと一緒に1から10までの数字を学びました。
先ずは、数字を見ながら子供たちと一緒に数字を読む練習をします。
学校に通っている子供たちは、学校に通っていない子供たちをリードしながら数字を読む練習です。
最初は1から10まで順番に、そして次はランダムに数字を入れ替えて数字を読む練習をしました。
そして数字カードの裏には、例えば「1」の裏には「one」、「2」の裏には「two」などと文字でも数字が書かれています。
こちらの文字で数字を読む練習も先ほどの1から10までの数字を読む練習の時と同様に、順番に読んだり、ランダムに読んだりしながら読み進めていきます。
この文字で数字を読む学習も学校に通う子供たちは年中組から行っているため、文字を見ながらでも、子供たちはスラスラと数字を読み進めていくなど慣れた様子を見せていました。
文字を読む練習が終わった後は、指を使った1から5までの簡単なゲームを実施しました。
子供たちがきちんと数字を理解できていることを確認するために、カードに書かれている数字と同じ数だけ指を出すゲームです。
数字バージョン、文字バージョンとそれぞれ指出しゲームを行い、みんながカードの数字と同じ本数の指が出せているか確認をしていきます。
最初は一枚のカードだけで実施しましたが、同時に二枚のカードを一度に出し、右側は3、左側は2などのカードを見せて、両手でもカードと同じ本数の指が出せているかを確認していきました。
こちらのカードを二枚使って行ったゲームの方も、多くの子供たちは正しくできていましたが、片方は正しいけどもう片方は一本多く出している子供もいたりして、指の本数を修正しながら楽しくゲームを進めることができました。
日頃から数字を勉強しているから、このゲームは簡単だったかな?
数字の点つなぎプリントで遊ぼう
- 数字の順番を覚える
- 線で繋げて何の絵が出てくるか想像力を高める
- 点つなぎをしながら集中力を高める
- 運筆の練習をする
日本では点つなぎの遊びはあまり珍しくありませんが、子供たちの学校での様子を見ていると、点つなぎの遊びはウガンダではあまり一般的ではないように見受けられます。
しかし、ウガンダの子供たちは幼稚園で、年少組では1から10まで、年中組では1から30まで、年長組では1から100までの数字を数えられるよう勉強をしているため、子供たちがその成果を試せるよう、様々な数までの点つなぎを用意して配りました。
先ずはやり方として、数字の所に描かれた点を1から2,3,4,5と順番に線でつなぐこと、もし色が違う点があれば、同じ色同士で数字を線でつなぐことのルールを説明しました。
大きな小学生の子供たちには1から145までのティラノサウルスの点つなぎを用意しましたが、これがなかなかの苦戦。
1から50ぐらいまでの点つなぎをしている子供たちは比較的簡単に点つなぎができていましたが、1から145までとなると、どの数字がどこにあるのかを見つけられず、数字を順番につないでいくことが難しい子供たちが続出しました。
そのため、数字の順番を考えずにとにかく近くにある点をつないでいる子供たちが多くいたので、数字を探す手伝いをしながら、なんとか点つなぎを完成させていきました。
初めての点つなぎは楽しかったかな。次は一人でも1から順番に点が繋げられるよう練習していこう!
カードを使って色の違いを学ぼう
- 色の違いを認識するため、カードを使って色の名前を覚える
- 色別に書かれた物の名前を言い、色の違いを区別して色の知識を深める
数字を学んだあとは、色の違いを勉強しました。
赤、青、黄、緑、オレンジ、紫の6色の色カードを使って、それぞれの色の違いを学びます。
ここでは、みんなでカードに描かれている色を答えていき、色の名前を覚えます。
次に、色別の物のカードに描かれている物の名前と、それが何色かを答えていきます。
子供たちは次に何の絵がでてくるかを楽しみ待ち、「Basket(カゴ)!」「Perple(紫)!」など、カードに描かれた物の名前や色を次々に言い当てていきました。
みんな元気に物の名前と色を答えることができたね。
数字ぬりえで遊ぼう
- 数字と色を組み合わせながら塗ることで、集中力を高める
- 色を塗りながらできあがりの想像力を高める
- 運筆の練習をする
数字と色の違いを覚えたあとは、その二つを組み合わせた数字ぬりえで遊んでいきます。
今回用意した数字ぬりえはアイスクリーム。ウガンダの子供たちも大好きなスイーツです。
アイスクリームの絵がパズルのように細かく線で区切られ、1から6までの数字がその中にランダムに並んでいます。
絵の下には、1は赤、2は青、3は黄などと色が指定されていて、先ほど色カードで学んだ6色の色が番号ごとに振り分けられています。
子供たちに、番号の所に塗られている色と同じ色をぬりえに塗るよう伝え、ぬりえを開始しました。
アイスクリームの絵には、番号ごとに指定された色を塗るよう説明をしましたが、自由に好きな色を塗っている子供たちも多く見受けられました。
そのため何度か番号と同じ色を塗るんだよと説明をするような場面がありしたが、子供たちは周りの友達のぬりえと見比べながらぬりえを完成させていきました。
最後はみんなで数字ぬりえの答えを見ながら、同じ色になっているかを確認して数字ぬりえの色塗りを終えました。
カラフルなアイスクリームが完成したね。みんな上手に数字と色を組み合わせることはできたかな。
参加した子供たちの感想文
I loved it so much. It is so nice to day.
とても気に入りました。今日はとても素敵です。
It is a nice event . I love I event.
いいイベントです。 大好きなイベントです。
※感想文の一部を掲載しております。
下記のボタンから全ての感想文をご覧いただけます。
今回使用したプリント
食べ物のぬりえ
まとめ
今回は初めて数字を学ぶイベントを行いました。
中でも点つなぎに苦戦する子供たちが多く、次の数字を探すこだわりがあまり見られずに安易に隣りにある数字と線を結ぶなど、初めての点つなぎで慣れない様子が伺えました。
特にいろいろな色の点がある点つなぎは、同じ色の点同士で点をつなぐことの理解が難しかったようで、うまく完成させることができなかった子供たちが多い印象だったため、もう少し分かりやすい点つなぎプリントを用意してあげたらよかったなと反省をしました。
数字を使って楽しく遊べる遊びは他にもいろいろあるかと思います。
学校では数字の順番を暗記したり、足し算などの計算の勉強が中心の子供たちに、イベントを通じて数字を使った遊びを伝え、子供たちが楽しく数字を学んでくれるようになってくれたら嬉しく思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
この記事が気に入ったらシェア