第3回 ぬりえで色の学習(2022年9月24日 カンパラ学校 開催)
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2022年9月24日、首都カンパラで学習支援第3回ぬりえイベントを開催いたしました。
1回目、2回目は自宅の駐車場で机と椅子を並べて学習支援イベントを行いましたが、今回は、近隣の学校の協力を得て教室を借りることができたため、雨の心配もなく、炎天下でも気にせずにイベントの開催をすることができました。
今回は、近隣住民の方なら誰でも知っている学校での開催、そして椅子の数も十分にある状態とのことで、今まで以上に多くの子供たちにイベントの案内をして集まってもらいました。
経済的に学校に通うことができない子供たちにもなるべくたくさん参加してもらおうと、あちこちのお宅に訪問をしてイベントの案内をしました。
しかし、「学校に通っていないため、ぬりえのやり方が分からないかもしれない。」と、子供の参加に躊躇するお母さん方の声も聞かれたため、「クレヨンの持ち方や色の塗り方も学べますよ。」とお伝えすると、「ぜひ子供を参加させたい。」と、子供たちのイベントの参加に前向きになってくれるなどして、総勢20名の子供たちが今回のイベントに参加をしてくれました。
目次
イベントオープニング
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- イベント開始のあいさつ
- 講師自己紹介
- イベントの内容説明
- 学校体験をしよう
「皆さん、おはようございます。今日はぬりえイベントに参加してくれてありがとう。」と伝え、イベントの始まりを子供たちに知らせます。
「では、私の自己紹介を始めますね。」と子供たちに伝えると、参加経験のある子供たちから「Sensei~(先生~)!」「Sensei~!」と、あちこちから声が聞こえてきます。
参加経験のある子供たちにはすっかり定着した「Sensei」の呼び名。
子供たちにはおなじみの呼び名になってきました。
初めて参加する子供たちもいるため、黒板に私の名前を書いて改めて自己紹介をします。
『私の名前は「Akemi」です。』と伝え、黒板に「Akemi」と名前を書きます。
普段子供たちは学校で音節で区切って読む練習をしているため、私もそれに習って「A」「ke」「mi」と区切りながら読み方を伝えます。
そして、続けて「Sensei」と黒板に書いた後に、「Sensei」は日本語で「Teacher」の意味であることを伝え、「Se」「n」「se」「i」と読み方を教えます。
それに続いて、子供たちは私の読みに合わせるように大きな声で「Se」「n」「se」「i」と呼び方の練習をしてくれました。
子供たちに、『何か私に用事があれば、「Sensei、トイレに行きたいです。」などと言ってくださいね。』と伝え、自己紹介を終えました。
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バシャ 明美
みんな、Senseiの呼び方忘れないでね~。
カードを使った色の学習
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- 色の違いを認識するため、カードを使って色の名前を覚える
- 色別に書かれた物の名前を言い、色の違いを区別して色の知識を深める
赤、青、黄、緑、オレンジ、紫の色カードで色の違いを学習します。
色カードにはそれらの色にちなんだリンゴやブドウなど、様々な色別の物の絵が書かれています。
それぞれのカードには物の絵の他に「Red」「Blue」など色の名前も書かれているため、子供たちにその読みも一緒に教えます。
色の違いを勉強した後は、物が一つずつ書かれたカードを使って物の名前と色をみんなで順番に答えていくクイズをしながら色の名前を覚えていきます。
カードを見せるたびに子供たちは一斉に大きな声で、「Apple(リンゴ)」「Red(赤)」などと答えてくれ、色の学習をしていきました。
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バシャ 明美
みんな、物の名前や色を答えるのは得意だね。
色別のカードを使ってゲームをしよう
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- 覚えたカードを使ってゲームで遊ぼう
- ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう
今回は室内でのイベントということもあり、いつもは外で走り回りながらカードゲームを楽しんでいますが、今回は外への移動が大変なため、室内でカードゲームを行いました。。
室内でカードゲームをするにあたって、机を4つのグループに分けて、座りながらカードが取れるよう机を配置しています。
色別カードは6色、各8枚ずつ用意してあり、「まだ触っちゃだめだよ~。」と言いながら子供たちが座る各テーブルに1色2枚ずつカードを配りました。
ゲームのルールは、私が先ほど「色の違い」を伝える際に使ったカードのうちの一枚を見せ、その色に合わせて子供たちが同じ色のカードを取る早いもの勝ちの競争です。
子供たちにルールが理解できたか確認したら、いよいよゲームはスタート。
私が「Ready(準備は)?」と言うと、子供たちは一斉に「Yes(いいよ)!」と大きな声で答えます。
続けて「Steady(いくよ)!」「Yes(いいよ)!」「Go(スタート)!」の合図で私が一枚の色カードを見せると、子供たちは大歓声をあげながら同じ色のカードを取っていきます。
「取った!」「取った!」とカードが取れた子供たちは自慢げにカードを上に掲げて私にカードを見せてくれます。
年齢の小さな子供たちはルールに関係なく好きなカードを取ったりしていましたが、同じグループの子供たちが「それは違うカードだよ。」と教えてあげながら、ゲームの修正をしてくれていました。
6色すべてのカードを取り終えた後、みんなに何枚カードが取れたかを聞き、6色全てのカードが取れた子供たちに拍手を送りました。
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バシャ 明美
カードを取るときの歓声がすごいな。
みんな大きな声を出しながらゲームを楽しんでくれてありがとう。
色水を使って実験をしよう
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- 色水を混ぜて色の変化を見る実験
- 色の変化を学び、ぬりえに塗る色を考える
次は、絵の具を溶かして作った色水を混ぜて色の変化を見る実験です。
用意した色水は、赤、青、黄の三色。
それぞれ、赤と黄、黄と青、赤と青を混ぜて子供たちに色の変化を見てもらいます。
この実験は第1回目の学習支援で行った実験と同じで、その時は私が色水を混ぜて子供たちに色の変化を見てもらいましたが、その際、子供たちが色水の色の変化を見ることに強い興味を示してくれていたため、今回は子供たちに手伝ってもらって色水を混ぜることにしました。
「これから色水を混ぜますが、手伝ってくれる人はいますか?」と聞くと、子供たちが一斉に手をあげます。中にはその気持ちが勇んで、手を挙げながら私の目の前に出てくる子供たちもいます。
最初に赤と黄の色水を混ぜるのは9歳のラフマちゃんです。
ラフマちゃんは第2回目の学習支援イベントにも参加してくれ、色水を混ぜる手伝いをしてくれる子がいるか尋ねた時に一番最初に手を挙げてくれました。
「ゆっくり少しずつこのカップに色水を入れてみてね。」と言うと、ラフマちゃんは慎重に赤と黄の色水をカップに注いでくれました。
少しずつ色が変わる様子を見て、子供たちが一斉に「Orange(オレンジ)!」と答えてくれます。
次に黄と青の色水を混ぜてくれたのは6歳のカバリくんです。
一番最初にイベント会場にやってきて、イベントの参加をとても楽しみにしてくれていました。
カバリくんも慎重に少しずつ色水を混ぜていき、自ら一番に「Green(緑)!」と答えてくれました。
最後に赤と青の色水を混ぜてくれたのは6歳のティディくんです。
ティディくんは普段学校に通うことができておらず、このようなたくさんのお友達と一緒に学ぶような機会には慣れていませんが、色水を混ぜるにあたって積極的に手を挙げて参加をしてくれました。
ティディくんは少し緊張した雰囲気で手を震わせながら色水を混ぜてくれましたが、周りのお友達と一緒に「Purple(紫)」と答えてくれ、色の学習をしてくれました。
全てを混ぜ終えた後は、色カードでそれぞれの色水の色の名前を復習し、色水を混ぜる実験を終了しました。
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バシャ 明美
みんな目の前まで出てきて、色水の色の変化を楽しんでくれてありがとう~。
ぬりえを塗って遊ぼう
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- いろいろな色のクレヨンを使ってぬりえを楽しむ
- クレヨンを使いながら、運筆の練習をする
- いろいろな色でぬりえを塗って、色彩感覚を養う
今回用意したぬりえは動物や昆虫など、子供たちにおなじみの絵ばかりです。
その他にもプリントレンジャーのぬりえも用意して、子供たちにぬりえの見本を見せながら、どのぬりえを塗りたいか聞いていきました。
するとみんな、塗るぬりえを決めてもやっぱりこっちのぬりえを塗りたいなど、何度も自分が塗るぬりえを変えながらぬりえを選んでいました。
先ほど色水を混ぜる実験に協力してくれたティディくん。
ワニのぬりえを選んで色を塗ってくれましたが、初めてクレヨンを持つようで、クレヨンを親指が上、小指が下のグー持ちで持っていたので、指三本で持つ三点持ちのクレヨンの握り方を教えてあげました。
しかし三点持ちはなかなか難しいようで、持ち直してすぐにグー持ちに変えるなどしていて、ティディくんは初めてのクレヨンに少し手こずった様子を見せていました。
今回は会場の時間の制約の関係で一人一枚のぬりえしか塗ることができませんでしたが、みんないろいろな色のクレヨンを使ってぬりえを楽しんでくれました。
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バシャ 明美
色とりどりのぬりえが完成したね。
今度はもっとたくさんのぬりえで遊ぼうね!
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参加した子供たちの感想文
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I love coloring event so so so much.
私はぬりえイベントがとても好きです。
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Fruits and hearts
フルーツとハート
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※感想文の一部を掲載しております。
下記のボタンから全ての感想文をご覧いただけます。
今回使用したプリント
動物のぬりえ
昆虫のぬりえ
プリントレンジャーのぬりえ
まとめ
今回は暑さと戦うこともなかったおかげか、イベント中、今までで一番大きな歓声を聞きながらイベントを進めることができました。
イベントが終わると、みんな口々に「次のイベントはいつですか。」と聞いてくれたり、たまたま会議で学校にいた先生からも「次は私の子供を参加させてもいいですか。」と聞かれるなど、イベントを楽しみにしてくれる人たちが徐々に増えているように感じています。
学校の勉強とは違う、楽しみながら学べる機会をこれからも増やしていき、ウガンダの子供たちの学習支援につなげていけたらと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ

2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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