第2回 ぬりえで色の学習(2022年9月10日 カンパラ開催)|学習プリント.com

第2回 ぬりえで色の学習(2022年9月10日 カンパラ開催)

第2回 ぬりえで色の学習(2022年9月10日 カンパラ開催)
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2022年9月10日、首都カンパラで、学習支援第二回目のぬりえイベントを開催いたしました。

現在雨季で毎日非常に雨が多いウガンダ。
天気予報とにらめっこしながら、イベント日はなんとか晴れてほしいと、イベント前日に、最近絵本で学んだばかりの「てるてる坊主」を5歳の娘が作ってくれ、二人で「てるてる坊主」の歌を歌いながら当日を迎えました。

「てるてる坊主」の効果はテキメン。
イベント当日の夕方は土砂降りの雨が降りましたが、イベント時間の午前中は日差しの強いとてもいいお天気に恵まれ、娘と二人で「てるてる坊主」に「ありがとう」を伝えました。

イベントオープニング

イベントオープニング
  • イベント開始のあいさつ
  • 講師自己紹介
  • イベントの内容説明
  • 学校体験をしよう

今回参加してくれた子供たちは、3歳から12歳の20名。

前回に引き続き第一回目に参加してくれた子もいれば、イベントの案内をした子供たちが友達を誘ってくれたり、通りがかりにぜひ参加されてほしいと来てくれた子もいて、20席用意した椅子は満員御礼状態でした。
子供たちのイベント開始のワクワクした顔を見ながら、私も「今日はイベントに参加してくれてありがとう。
今日のぬりえイベントを楽しんでくださいね。」と挨拶をします。

そして、今回も忘れていません。
ウガンダでは経済的な理由で学校に通えない子供たちもいるため、その子供たちに学校体験をしてもらいたいと、今回も私を日本語で「Sensei(先生)」と呼んでもらえるよう、それをホワイトボードに書いて説明をします。

「Sensei」と呼ぶことに慣れていないためか、なかなか私を「Sensei」と呼べない子供たちもいましたが、「Sensei」が「Teacher」の意味だと理解した子供たちは、「なんだか今から学校の授業みたいなことが始まるぞ。」という空気を感じてくれたように思います。

サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

みんな、今日のイベント中は私を「Sensei」って呼んでね~。
呼べそうかな?

カードを使った色の学習

  • 色の違いを認識するため、カードを使って色の名前を覚える
  • 色別に書かれた物の名前を言い、色の違いを区別して色の知識を深める

まずは、ぬりえの前にみんなでカードを使って色の違いを認識し、色の名前を覚えます。

今回用意しているカードは、赤、青、黄、緑、オレンジ、紫の合計6色のカードです。
それぞれの色のカードにはその色にちなんだ物の絵が8つずつ書いてあります。

例えば、緑なら「カエル」や「ピーマン」、紫なら「ナス」や「ブドウ」などです。
それぞれの色別の物の集合体カードを子供たちにみてもらい、それが何色の集合体カードか答えてもらって、みんなで色の名前を覚えていきます。

カードを見せると子供たちは一斉に「Green(緑)!」などと大きな声で答えてくれます。
小さな子供たちは、大きなお兄ちゃんやお姉ちゃんたちの後に続き、自分が色を理解したことをアピールするために一生懸命に手をあげて、一人で「Green!」と答えるなど、みんな積極的に色の違いを学習してくれました。

次は、物が一つだけ書かれている個別のカードを子供たちに見せます。
子供たちに「今から見せるカードに何が書かれていて、それが何色か教えてください。」と伝えると、子供たちは一斉に「Eggplant(ナス)! Purple(紫)!」などと答えてくれます。

カードに描かれている絵はウガンダの子供たちにもおなじみの物ばかりのため、この時も自分が答えたいと、全員で答えた後でもあちこちから手が上がるなどして、子供たちは積極的に答えを言って参加をしてくれました。

カードを使った色の学習風景1カードを使った色の学習風景2カードを使った色の学習風景3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

手を上げて積極的に答えてくれてありがとう。
次はこのカードを使ってもっと楽しいゲームをするよ~。

色別のカードを使ってゲームをしよう

色別のカードを使ってゲームをしよう
  • 覚えたカードを使ってゲームで遊ぼう
  • ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう

カードを使って色の違いや名前を覚えた後は、先ほど使った集合体カードと個別の物のカードを使ってみんなでゲームをします。

ゲームのルールは、私が集合体カードのどれか一色のカードを見せたあと、子供たちは地面に散りばめて置かれた全ての個別カードの中から、その集合体カードの色と同じ色の個別カードを探し出して拾うというもの。

なるべく多くの子供たちがカードを拾えるよう、一人が拾えるカードは一色あたり一枚というルールでスタートしました。

先ずは散りばめられたカードの周りにみんなで大きな円を作ります。

みんなで円を作るときは、私が「Make a circle(円を作ろう)!」と掛け声をかけると、子供たちが「Circle!」と答えながら円を作っていきます。
これはウガンダの子供たちが幼稚園などで円を作る際に掛けられている掛け声で、少し節がついています。

学校に通っている子供たちはこの節のついた掛け声をよく知っているので、私の掛け声に合わせて「Circle!」と元気よく答えますが、学校に通っていない子供たちはよく分からずに黙ったまま。
でも、黙っている子供たちを見つけたお兄ちゃんが、『「Make a circle!」と言われたら「Circle!」と答えるんだよ。』としっかり教えてあげています。

そんな子供たちに助けられながら、私はさらに節をつけながら「Make a big circle(大きな円を作ろう)!」と言って、もっと大きな円を作るよう子供たちに呼びかけます。

円が完成したら、いよいよゲームスタート。

「Ready, Steady」「Go!」で裏返しにして隠していた集合体カードの一枚を前に向けて子供たちに探す色を示します。

それを見た子供たちは一斉に駆け出し、同じ色のカードを探し始めます。

一部風で裏返しになったカードもあるので、それをひっくり返しながら子供たちは私が見せた色のカードと同じ色のカードを、「これでもない、これでもない。」と言いながら一生懸命に見つけようとしています。

小さな子供たちはルールはお構いなしに別の色のカードを拾っていくので、またまたお兄ちゃんたちは、「今は赤を拾うんだよ。それは青だよ。」などと教えてあげる様子が伺えました。

こうして6色全ての色のカードの対戦が終わり、一番多くカードを拾えた子供たちに拍手をし、ゲームは終了です。
個人対抗戦のゲームとあって、小さな子供たちには少し難しいゲームとなってしまったかもしれませんが、同じ色で二枚取ってしまった子どもは他の子どもに分けてあげるなど、物が豊富ではないウガンダで親御さんや先生たちが子供によく言っている「Share is good(分けることはいいことだ).」の精神が現れているように感じました。

色別のカードを使ったゲーム風景1色別のカードを使ったゲーム風景2色別のカードを使ったゲーム風景3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

ゲームは楽しかったかな。
カードがたくさん取れた子たち、おめでとう!

紫玉ねぎの汁で色の実験をしよう

紫玉ねぎの汁で色の実験をしよう
  • 身近な食べ物の汁で色の変化を見る
  • 身近にあるもので科学の実験ができることに気づく

ゲームの後、少し心を落ち着かせて、次は紫玉ねぎの汁を使った実験を行いました。

日本では紫玉ねぎはあまり一般的ではありませんが、ウガンダでは玉ねぎと言えば紫たまねぎ。
どの子供たちも毎日のようにスープなどにして食べている食材の一つです。
そんな紫たまねぎの汁を使って色の変化を見る実験を行いました。

用意したのは、

  • 紫玉ねぎの汁
  • お酢
  • 重曹+お水

の3つです。

紫玉ねぎには「アントシアニン」という色素が含まれていて、酸性になると赤っぽい色、アルカリ性になると水色や緑色などの青っぽい色になるとのことで、それを子供たちの前で実験として見てもらいました。

先ずは子供たちに玉ねぎを見せて紫色であること確認してもらい、イベント開始前の朝に玉ねぎを切ってお湯につけていたことを説明します。
そして、子供たちに玉ねぎが入った水を見せ、私が手に持っているものが正真正銘の玉ねぎ水であることを確認してもらいます。

次にお酢の瓶を見せて子供たちに匂いを嗅いでもらいます。

最初、子供たちは私が手に持っているものは食用油だと答えていたので、「匂いを嗅いで確かめてみて。」と伝えると、子供たちの手が一斉に上がって、「匂いを嗅いでみたい。」と言ってきます。

それぞれに匂いを嗅いでもらった後に、「これの正体は分かりましたか。」と聞くと、みんなが、「Vinegar(お酢)!」「White vinegar(透明のお酢)!」などの答えが返ってきました。

次は重曹の出番です。
小さな子供たちはあまり自分で料理をすることがないため、重曹の箱を見てもそれを重曹だとは直ぐには気づきませんでしたが、一人の子供がしっりかりと「Baking soda!」と答えてくれました。

重曹水を作るときも、水だとはっきり分かるように予め用意した水ではなく、子供たちに飲料水として用意したミネラルウォーターを使用して、普通の水を混ぜていることを子供たちに見せるようにしました。

3つのカップにそれぞれ、紫玉ねぎの汁、お酢、重曹水をいれ、実験はスタート。

先ずは、お酢に紫玉ねぎの汁を入れてみます。
子供たちに変化を尋ねると、「赤になった!」と答えてくれます。
最初の紫玉ねぎの薄い紫の色が、くっきりとした赤みがかった色に変化したことが確認できました。
次は重曹水に紫玉ねぎの汁を入れてみます。

今度は色がどうなったか子供たちに尋ねると、次々に「Green(緑)!」と答えてくれます。
最初の紫玉ねぎの汁を真ん中に置き、横にはお酢を混ぜたもの、重曹水を混ぜたものを置いてはっきりと色の変化の違いが分かるようにしました。
この実験では色の変化の原理までは説明していませんが、小さな子供よりは年齢の高い子供たちの方が大きく興味を示し、色の変化に驚きを見せている様子でした。

紫玉ねぎの汁を使った色の実験風景1紫玉ねぎの汁を使った色の実験風景2紫玉ねぎの汁を使った色の実験風景3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

身近にあるものでこんな色の実験ができるなんて、びっくりだね。
みんなも家で自分で試してみてね。

クレヨンで大きな「ぬりえ」を塗ろう

クレヨンで大きな「ぬりえ」を塗ろう
  • いろいろな色のクレヨンを使ってぬりえを楽しむ
  • クレヨンを使いながら、運筆の練習をする
  • いろいろな色でぬりえを塗って、色彩感覚を養う

次は今回のイベントのメインの「ぬりえ」を楽しみます。
でも今回のぬりえは、1人ずつ一枚のぬりえを塗るのではなく、複数人で大きな一枚のぬりえを塗ることに挑戦します。
色を塗るぬりえは、第一回目の学習支援で絶大な人気があった「プリントレンジャー」のぬりえです。
今回も「レンジャー」のぬりえを前に、子供たちは大はしゃぎ。
「このぬりえを今から塗りますよ。」と伝えると、「早くこのテーブルに置いて~。」と子供たちにせがまれるなど、みんな色塗りを楽しみにしてくれていた様子です。

大きなテーブルに座っている子供たちにはA4サイズ9枚をつなぎ合わせた特大サイズのぬりえを、もうひと回り小さなテーブルに座っている子供たちにはA4サイズを4枚つなぎ合わせたぬりえを置き、ぬりえがスタート。

みんな、様々な色のクレヨンを手に取り、次々と「プリントレンジャー」のぬりえを塗っていきます。

今回、20名の子供たちが参加してくれたこともあり、塗る場所に困っていた子供たちには背景の色塗りをお願いし、とってもカラフルなぬりえが仕上がっていきました。

みんなで大きな塗り絵を塗っている風景1みんなで大きな塗り絵を塗っている風景2みんなで大きな塗り絵を塗っている風景3
サポーターママ講師バシャ明美さん
学習支援スタッフ
バシャ明美さん

ダイナミックなぬりえが完成したね。
いろいろな色をしたレンジャー、かっこいいね!

みんなで塗った大きな塗り絵作品1みんなで塗った大きな塗り絵作品2
参加された子供たちとの集合写真

参加した子供たちの感想文

学習支援イベントの感想

I am so happy

私はとても幸せです。

学習支援イベントの感想

I am happy

私は幸せです。

学習支援イベントの感想

This event was good and I thank those who organisod it.
I have enjoyed shading and I have known how to shado.
I and now I can diffrecict colours.

このイベントは良いものであり、主催者に感謝します。
私は塗り絵を楽しみ、塗り絵の方法を知りました。
そして、今では色を区別することができるようになりました。

学習支援イベントの感想

This event was good and I wish we do it again thank you.
Akemi Sensi

このイベントは良かったので、またやりたいです。
明美先生

※感想文の一部を掲載しております。
下記のボタンから全ての感想文をご覧いただけます。

子供たちから頂いた喜びの感想文

今回使用したプリント

まとめ

今回のイベントでは、ぬりえ以外にも、カードを使ったゲームや、色に絡ませた紫玉ねぎを使った実験を行いました。

ウガンダの学校では先生が黒板に書いたものを写すだけなど、座学中心の授業が多いため、このような体験型のイベントは少し新鮮に感じたかもしれません。

特に紫玉ねぎを使った実験は、子供たちに大きな驚きを与えたようでした。
今後も、子供たちが自ら体験できるような内容をイベントに盛り込んで、子供たちの想像力を高めてあげられたらと思います。

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ明美さん 2女のママ

2012年12月からウガンダに住み、ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダ生活を楽しんでいます。
次女はウガンダで生まれましたが、小さい時から日本語で育ててきたため、私との会話を日本語でしています。
これからも次女に日本語の読み書きなどを教え、日本で生活しても問題ないようなレベルになってくれたらと日々奮闘中です。
経済的に学校に通うことが困難な子ども達にも学習機会が持てるよう学習支援活動をしてまいりますので、毎回のレポートを楽しみにしていただけたら嬉しいです。

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