第49回 数字の学習イベント(2024年9月12日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
8月24日から始まった長期休暇は、今週末で終わり。
いよいよ来週から3学期が始まるということで、子ども達は残りの長期休暇を楽しみ、寄宿舎に入って勉強をしている子ども達は、徐々に学校に戻り始めています。
ウガンダの学校では新学期の始まりには、ノートや鉛筆などの文房具類の他に、ほうきやトイレットペーパーなど、学校生活で必要な物も持参するように通知がされます。
持ち物は学校によってさまざまなため、学校に持っていく必要がある物を一概に言うことはできませんが、こうした持ち物を揃えるため、親御さんたちは学校の始まりが近づくと持参するものを買いそろえるために買い物に忙しくなります。
寄宿舎に戻る子ども達は、洗濯石鹼や寝る時に使うマットレスなど、大荷物を抱えて学校に戻ることになるため、さらに購入するものが増えます。
こうした背景から、長期休暇の時期はスーパーマーケットなどで「Back to School」のセールが開始され、いろいろな物が値引きされている光景をよく見かけます。
街の看板やSNSなどの広告も「Back to School」のセールを大きく宣伝していて、子どもがいない家庭でも値引きの恩恵を受けることが可能になります。
ウガンダの人口の約45%は14歳未満の子ども達です。
こうしたことを考えると、子ども向けのビジネスは大きなマーケットになっているのではないかと思われます。
今回は、長期休暇中に開催される最後のイベントとして、数字の学習イベントを開催。
子ども達の学習の様子を、ぜひご覧ください。
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
いつもイベントの後半から参加していてオープニングの挨拶の時には顔を見せていない子ども達が、今回は少し早めに参加してくれたので、この子達のために、まずは私の自己紹介から始めます。
「私の名前は『Akemi』です。『Akemi Sensei』と呼んでください」
「『Sensei』は『Teacher』の意味です。あなたが『Akemi Sensei』と言うと、それは『Teacher Akemi』と言ったことになりますよ」
こんなやり取りをしながら、自己紹介を進め、次は日本語の挨拶の練習です。
「『Good morning』は日本語で『Ohayou Gozaimasu』と言います。私が『Ohayou Gozaimasu』と言ったら、みんなも『Ohayou Gozaimasu』と返してください」
このように伝えましたが、イベントに最も積極的に参加している子は、私が『Ohayou Gozaimasu』と言うと、『Osizwotya(オシゾーチャ)』と現地のガンダ語での『Good morning』の朝の挨拶を何度も返してくれ、会場を和ませてくれていました。
イベント以外の時も私を見かけたら『Akemi Sensei』と呼んでね
数字の学習をしよう
- 1から10までの数字を読もう
- 1から10までの数字の文字を学ぼう
- 1から10までの数字の順番を学ぼう
<準備するもの>
- 数字カード
イベントの最初は、1から10までの数字について学んでいきます。
1から10までの数字が書かれた数字カードを準備し、子ども達に1枚ずつ読んでもらいます。
小さな子どもや学校に行っていない子どもでも、1から10までなら数えられる子は多いので、順番に並んでいる数字を読むのはそれほど難しくはありません。
ただ、数字を読むことができない子も多いので、数字をランダムに見せると、それがどの数字なのかが分からなくなってしまう子もいたりします。
学校に行っていない子の場合、ある程度大きく成長しても、数字を読めない、書けないという子もいたりするので、学習支援イベントでも少しずつ支援していきたいと思う点になっています。
数字をうまく読めるようになったら、書く練習もしていこうね
点つなぎで数字を学ぼう
- 1から100までの数字の順番を学ぼう
- 数字を順番に繋いで、出てくる絵を想像しよう
- 点つなぎを完成させて達成感を味わおう
<準備するもの>
- レベルごとの点つなぎプリント
- 1から100までの数字表
次は「数字の点つなぎ」で数字の学習をします。
学習プリント.comでは、数字の学習レベルにあわせて
- かんたん 10以下の数字
- ふつう 50以下の数字
- むずかしい 100以下の数字
- とてもむずかしい 200以下の数字
の点つなぎを公開しているため、それぞれのレベルから子ども達にも馴染みのある、昆虫や動物などの点つなぎを準備しました。
それぞれの子どもにどのぐらいの数字までを数えることができるかを尋ね、自己申告に応じたレベルのプリントを配りましたが、数字が離れた場所にあると見つけることができずに飛ばしてしまったり、全ての数字を繋ぐのではなく見つけた2つの数字だけを繋いでいく子もいたりで、点つなぎのプリントをあまりうまく進めることでできていない様子でした。
そのため、再度、点つなぎのやり方として「最初は1の数字からスタートすること」「ところどころ繋ぐのではなく全ての数字を順番に繋ぐこと」などをおさらいしました。
数字が分からない子には数字表を配り、数字の順番を確認しながら点つなぎを進めてもらうようにしました。
数字が多いと点も多いので難しかったかな。順番に繋いで絵が完成すると達成感を味わえるよ
色の学習をしよう
- 色別カードで色の名前を覚えよう
- ゲームを通じて色を覚えよう
- ゲームで遊びながらイベントの参加意欲を高めよう
<準備するもの>
- 色の名前が書かれた色の集合体カード
- 色別に描かれた個別の物のカード
この色の学習の後に、数字を見つけながら色を塗っていく「数字ぬりえ」のプリントをする予定をしていたため、次は色の学習をしました。
赤、青、黄、緑、オレンジ、紫の色のカードを準備し、子ども達と色の名前を確認していきます。
数字よりも色の名前は簡単なので、子ども達は大きな声でカードの色の名前を答えてくれました。
色の名前を確認したら、次は全員でカード取りゲームをします。
子ども達を3チームに分け、それぞれ「キリン」や「かえる」など色別に書かれたイラストのカードを各色2枚ずつ配ります。 子ども達には私が見せるカードの色と同じ色のイラストのカードを取ってもらうゲームを開始します。
子ども達に両手を上げてもらいながら、私が「Ready Steady Go! 」と声をかけると、子ども達は大きな歓声とともにカードを取っていきました。
カード取りゲームは簡単、単純でどの子どもでも参加しやすいため、子ども達には大人気のゲームになっています。
久しぶりのカード取りゲームは盛り上がったね。カードを取るスピードがすごく早かったね
数字ぬりえで遊ぼう
- 1から6までの数字を探そう
- 数字に合う色を見つけてぬりえをしよう
- クレヨンや色鉛筆で運筆の練習をしよう
<準備するもの>
- 数字ぬりえ (アイスクリーム)
- クレヨン
- 色鉛筆
最後は、全員で数字ぬりえをして遊びました。
数字ぬりえでは、色を塗る場所が各パーツに分かれていて、そのパーツには番号が振られています。
番号には色の指定があり、例えば1番は赤、2番は青など決まった色に色を塗り進めていきます。
数字を見つけ、色を確認する作業が必要ですが、決められたとおりに色を塗る子もいれば、ルールは無視して自由に色を塗り進める子など、さまざまでした。
ルールがあまり理解できていない子には、「1はどこにあるかな」「1は何色かな」「じゃあ、1に赤を塗っていこう」などと声をかけながら塗り絵を完成させていきました。
数字と色を合わせることはできたかな。カラフルなアイスクリームの絵が完成したね
まとめ
今回は、ウガンダの子ども達と一緒に数字の学習をしました。
10歳ぐらいの子どもでも数字が読めなかったり、計算ができなかったり、学習支援イベントに参加している子ども達の中には、経済的に学校に通えないことで学習の弊害を受けている子ども達が何人かいます。
こういった子ども達の支援に繋がるよう、学習支援イベントをうまく機能させ、子ども達の将来に繋げていければと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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