第48回 ぬりえで色の学習・日本文化(2024年8月28日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
学校に通っている子ども達は、8月23日に2学期の最終日を終え、今はちょうど長期休暇の真っ最中です。
普段は、子ども達の学校の休みを考慮して土曜日にイベントを開催していますが、長期休暇に入ったため、今回は水曜日に開催をしました。
そのため、土曜日だと教会に通う必要があってイベントの参加が難しい子ども達も今回は大勢参加してくれ、20名ほどでイベントを楽しみました。
今回のイベントでは、久々に子ども達とぬりえを楽しみながらカレンダー制作のための写真を撮ったり、忍者になるための手裏剣を折り紙で折って遊んだりしました。
子ども達がぬりえや手裏剣作りを楽しむ様子を、ぜひご覧ください。
イベントオープニング
- イベント開始のあいさつ
- イベントの内容説明
- 講師自己紹介
- 日本語のあいさつを学ぼう
- 学校体験をしよう
子ども達と朝の挨拶「おはようございます」を日本語で練習します。
子ども達にはすっかり慣れた挨拶となり、とても上手に「おはようございます」と挨拶できるようになっています。
今回の参加は20名程でしたが、その約半数の子ども達はイベントの後半から参加したため、参加した子ども達全員で日本語の挨拶を練習することができませんでした。
後半から参加した子ども達は、日頃イベントには参加できていない子ども達だったので、また機会があれば、この子ども達も含めて練習したいと思います。
大きい子達はみんな、とっても日本語の挨拶が上手になってきたので、小さい子達も日本語の挨拶ができるように、練習していこうね
9月のカレンダー用のぬりえを塗ろう
- ぬりえで日本文化「お月見」について学ぼう
- ぬりえをして運筆力を高めよう
- たくさんの色を使って色の想像力を高めよう
<準備するもの>
- 「お子さんのぬりえやイラストで2024年9月のオリジナルカレンダーを無料で作ろう」企画対象のぬりえ 「かんたん」「ふつう」「むずかしい」
- クレヨン
- 色鉛筆
イベントの最初は、子ども達全員で、9月のオリジナルカレンダー制作用のぬりえを塗って遊びました。
現在、学習プリント.comでは「お子さんのぬりえやイラストで2024年9月のオリジナルカレンダーを無料で作ろう」企画を2024年8月6日(火)〜 2024年9月1日(日)の期間で開催をしています。
ウガンダの子ども達はたびたびこの企画に参加し、子ども達の顔写真が入ったカレンダーを受け取っていて、子ども達や、お父さん、お母さんにも好評のため、今月のイベントでもカレンダー企画に参加することにしました。
今回のカレンダー企画のテーマは「十五夜・お月見」です。
ぬりえを塗る前に子ども達に、
「十五夜は、日本の伝統的な行事の一つで、毎年秋に行われます。今年の十五夜は9月17日で、この日は満月が1年で最も美しく見えるとされており、日本では月を眺めながら、感謝の気持ちを込めてお供え物をします。お供え物には、お団子や、秋の収穫物であるススキやお米などが使われ、自然を大切にし、季節の移り変わりを楽しむ日本の文化を象徴しています」
という内容の説明をしました。
「日本では、月にはうさぎが住んでいて、月の模様が「うさぎが餅つきをしている姿」に見えると言われていますが、その模様を見たことがある人はいますか」
と、その様子を描いたぬりえを見せながら尋ねてみると、一人の男の子が元気よく手を上げたりして、周りの友達たちを笑わせていました。
そんな日本文化の「十五夜・お月見」の説明をしながら、なぜ今日はうさぎのぬりえをするのかを理解し、みんなでぬりえを楽しみました。
クレヨンや色鉛筆などの筆記具が家にない子どもも多く、ぬりえを家でする機会がほとんどないため、小さい子ども達の中にはぬりえをどうやってすればいいのか分からない子もいます。
そのため、小さい子たちに好きな色のクレヨンを選んでもらい、私が子どもの手を持ちながら「カネネ、カネネ(たくさん、たくさん)」と声をかけて色を塗り進めていきました。
私が「カネネ、カネネ」と声をかけながら色を塗っているのが面白かったようで、周りの子ども達も「カネネ、カトノ(たくさん、すこし)」などと反対言葉を混ぜながら大合唱で色塗りが進められ、とても楽しい時間となりました。
最後に一人ずつカレンダー用の写真を撮ったので、後日カレンダーが出来上がり次第、子ども達に届けたいと思います。
みんなも次に月を見る時は、月にいるうさぎが見えるか確かめてみてね
折り紙で手裏剣を作ろう
- 折り紙を折って指の運動能力を鍛えよう
- 折り紙で日本文化に触れよう
<準備するもの>
- 単色折り紙
ぬりえのあとは、みんなで折り紙を折って「手裏剣作り」をして遊びました。
使った折り紙は、学習プリント.comで公開している「単色折り紙」です。
学習プリント.comでは、JIS S 6006に準拠した日本の色鉛筆と同じ色の折り紙が46色公開されているため、それぞれ一枚ずつ印刷して、子ども達に好きな色の折り紙を選んでもらうことにしました。
子ども達に、
「今日は手裏剣を折り紙で折ります。
手裏剣は『NINJA』が使うものですが、『NINJA』を知っていますか」
と尋ねると、多くの子ども達が手を上げながら「知ってるよ〜」と答えてくれました。
「NINJA」はテレビアニメなどにもたびたび登場するため、ウガンダの子ども達も「NINJA」がどんな人物なのかを知っているようでした。
「今日は『NINJA』が使う手裏剣を折り紙で作ります。今日はみんなで『NINJA』になりましょう」
と伝えると、子ども達は嬉しそうに歓声をあげました。
子ども達に2枚ずつ折り紙を選んでもらい、折り方の見本を見せながら、1工程ずつ子ども達と一緒に折り進めていきます。
1枚の折り紙を半分に切って折る折り方もあるかと思いますが、今回は、この手裏剣を使ってこの後に忍者ごっこをする予定をしていたため、手裏剣に強度を持たせるために1枚を半分に折って作ることにしました。
手裏剣を折るための工程は、ウガンダの子ども達には少し複雑なため、折ったり、2つの折り紙を重ね合わせたりするところは、私が手伝い、なんとか1人一つずつの手裏剣を作ることができました。
できあがると、早速投げて遊ぶ子どももいたりして、みんな自由に遊んでいました。
手裏剣を折るのは大変だったかな。かっこいい手裏剣ができあがったね
手裏剣でつまずっきーを倒そう
- 手裏剣をなげて、物への距離感や方向感覚を身につけよう
- つまずっきーを倒して、達成感を味わおう
- 手裏剣を使って忍者がどのように敵と闘っていたのか、創造力を養おう
<準備するもの>
- 折り紙で折った手裏剣
- 「つまずっきー」の人形
最後に、折り紙で折った手裏剣を使って、忍者の気持ちを味わいながら「つまずっきー」の人形を倒すゲームをしました。
「つまずっきー」とは、勉強が大っ嫌いで、子ども達を困らせてばかりいる学習プリント.comの悪役キャラクターです。
そんな子ども達を困らせる「つまずっきー」を退治して、勉強の邪魔をさせないようにするために、今回は手裏剣を使って「つまずっきー」を倒します。
子ども達に一列に整列してもらい、それぞれの子ども達が折った手裏剣を使いながら、1人2回ずつ手裏剣を投げて「つまずっきー」を倒していきます。
手裏剣を投げても「つまずっきー」にあたらなかったり、あたっても「つまずっきー」が倒れないなどがあったりしましたが、「つまずっきー」を倒せた子は喜んだ様子を見せていました。
全員が投げ終わると、今度は自由に子ども達が手裏剣を投げて「つまずっきー」を倒して遊び、忍者遊びを終えました。
つまずっきーを倒すのは楽しかったね。これでもう、つまずっきーに邪魔されずに勉強ができるだろうから、これからも頑張ろう!
まとめ
今回は、9月のカレンダー用のぬりえに色を塗って遊んだり、手裏剣を折り紙で作って忍者ごっこをしたりしました。
小さい子の参加も多いため、イベントの際中には飲み水をこぼしたり、最後は紙がぐちゃぐちゃになって床に落ちたりするのが常ですが、帰る前に子ども達が積極的にモップで拭いたり、ゴミを拾ってくれたりして、清々しくイベントを終えることができました。
今回は少し折るのが難しい手裏剣ということもあり、予備で10個ほど手裏剣を折って用意していましたが、最後はそれを欲しがる子ども達も大勢いて、手裏剣の人気は上々でした。
子ども達には後日カレンダーを渡す約束をしたので、子ども達の笑顔を見に、また全員の家を訪問したいと思います。
ウガンダ在住
学習支援スタッフ
2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。
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