第46回 時計の学習イベント(2024年6月22日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)|学習プリント.com

第46回 時計の学習イベント(2024年6月22日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)

第46回 時計の学習イベント(2024年6月22日 ワキソ地区アクライトシティ 開催)
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2024年6月22日、第46回ウガンダ学習支援にて、ワキソ地区アクライトシティで「時計の学習イベント」を開催しました。

今回は、ウガンダ学習支援では初めての「時計の読み方」を学習するイベントを実施しました。

私がウガンダに初めて来た時、現地語のガンダ語では時計の読み方が私が知っている読み方とまったく違っていることに驚きました。

なぜなら、私たちは9時の時刻を見れば「9時」と読むし、英語でも9時は「9 o’clock」と読みますよね。
しかし、ガンダ語では9時は「3時(saawa satu)」、10時は「4時(saawa nnya)」というように、時刻を6時間ずらして表現をします。

東アフリカ諸国でよく話されるスワヒリ語でも同様に時刻を6時間ずらして表現するため、ガンダ語もその影響を受けていると言えるかもしれませんね。

このことについて、昔、私がウガンダで長女と一緒に長期滞在した時の話ですが、私の子どもがまだ生後9ヶ月頃、お手伝いさんに子どもを預けて仕事に出掛ける際に「夕方になったら子どもをお風呂に入れてください」と伝えてから出掛けたことがありました。
仕事から帰り、お手伝いさんに「何時に子どもをお風呂に入れましたか」と尋ねると、お手伝いさんはガンダ語で「10時です」と答えたため、私は「夕方になったら子どもをお風呂に入れてねと伝えたにも関わらず、なぜ朝の10時にお風呂に入れたんだろう?」と、とても不思議に思ったことがあります。
ガンダ語の10時は4時。そう、お手伝いさんはちゃんと子どもを夕方4時にお風呂に入れてくれていたんですよね。

このように、私たちが知っている時間の表し方と、ウガンダでの時間の表し方が違っているため、仮に私たちが1から12までのガンダ語の読み方を学んだとしても、ウガンダでの時間の表し方を知らなければ、ウガンダでは時間のやり取りに相違が生まれるんだなということをこの時に学びました。

イベントに参加してくれている子ども達は、日頃はガンダ語優位で生活をしています。
しかし、私は英語で学習支援イベントを行っているため、今回は英語での時間の表し方を学習します。

今回イベントに参加してくれた8名のほとんどの子ども達は、学校に通うことができずに英語が不慣れです。

そんな子ども達がどんなふうに時間の読み方を学んだのか、そのやり取りをぜひご覧ください。

イベントオープニング

イベントオープニング
  • イベント開始のあいさつ
  • イベントの内容説明
  • 講師自己紹介
  • 日本語のあいさつを学ぼう
  • 学校体験をしよう

この日、子どもたちの集まりはとても遅く、9時開始と伝えていたにも関わらず子ども達が集まり始めたのは11時頃と、しっかりとウガンダタイムを実行してくれました。
そのため、オープニングでの挨拶は「おはようございます」と日本語の挨拶を練習する程度にとどめ、早々に今日のイベントの内容説明をすることになりました。

日頃、事前にしているイベントの開催のお知らせは、英語とガンダ語の両方で開始時刻を案内していますが、子ども達は時計を見ながら時間管理をして生活はしていないため、時間通りに集まってもらうのにはとても苦労をしてしまいます。

サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

今日は時計の読み方を勉強するよ。ちょっと難しいかもしれないけど、頑張って時計が読めるように練習していこう

時計の読み方を学ぼう

色の学習
  • 英語での数字の読み方を学習しよう
  • 英語での時計の読み方を学習しよう
  • 自分で時刻を表せるようになろう

<準備するもの>

  • 時計盤の見本

日本では、6月10日は「時の記念日」です。
671年6月10日に天智天皇が日本で初めて「漏刻(ろうこく)」と呼ばれる水時計で時を知らせたという記述が『日本書紀』にあったことから、この日を記念して6月10日は「時の記念日」と制定されました。

その6月10日の「時の記念日」にちなみ、ウガンダ学習支援でも今回は「時計の学習」を実施しました。

恐らくですが、今回参加してくれた子ども達の家にアナログ時計があるという子どもは1人もいないと思われます。
皆さんの中にも、時刻を知るために時計を見るよりスマホを見る方が多いという方がいるのではないかと思いますが、実はウガンダでも全く同じことが起きています。
ウガンダと聞くと貧困のイメージが強いかもしれませんが、それでも携帯電話の普及率はとても高く、自宅に電気や水道がなくても携帯電話は持っているという人はとても多くいます。
そのため、多くの方が時間は携帯電話で確認しており、アナログ時計は不:必要なものとされるケースが多くあります。

そのためか、子ども達に「今日は時計の読み方を学習しましょう」と話しながら紙で作ったアナログ時計の見本を見せると、子どもたちからは「えっ?」という声があがりました。

最初に長針、短針の役割について話をし、その次に時計の読み方を進めようと思いましたが、子ども達と話をしていると、そもそも英語で1から12までを読むことができないことが分かりました。
そのため、時計の学習の最初は英語で数字を読む練習からスタートとなりました。

子ども達は、数字を読むのではなく、何も見ずに記憶だけで1から12までの数字を言うことはできます。そのため、時計盤の数字を1から順に指を指せば読むことは可能ですが、例えば突然「7」だけ指をさしても、すぐには読むことができません。

このような感じで、最初は時計を読むより数字の読み方を学習する方が優先となりました。

それでも子ども達に数字に「o’clock」を付けて「1 o’clock」「2 o’clock」などの「何時」の読み方を伝えると、とても楽しそうに全員で声をあわせながら時刻を読んでくれていたのが、とても印象的でした。

子ども達の理解を確かめるために、私が指定した時刻を時計盤で表すように伝えると、みんなで力をあわせながら時刻を作り、積極的に時計盤の針を動かして時刻を学んでくれていました。

その後、少しハードルが高くなりますが、「何時」の読み方を練習した後には、この後の学習の都合もあり「何時半」の読み方も学んでみることにしました。

例えば「9時30分」は、英語では「half past nine」または「nine thirty」と読みますが、今後「何時何分」の読み方も学んでいくことを考慮して、今回は「nine thirty(9:30)」の読み方と書き方を学習しました。

数字の読み方に慣れてない子ども達は、もちろん「thirty」の読み方にも慣れていません。
それでも、時計盤にある「30」の文字を見ながら読み方を覚え、必死に声をあわせてみんなで練習をしてくれていました。

このように、この時間では「時計を読む」「数字を書いて時刻を表す」「時計盤で時刻を表す」などの学習で、子ども達は時計の学習の理解を深めていきました。

時計を勉強する子供たち1 時計を勉強する子供たち2 時計を勉強する子供たち3 時計を勉強する子供たち4 時計を勉強する子供たち5 時計を勉強する子供たち6 時計を勉強する子供たち7 時計を勉強する子供たち8
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

時計の読み方は難しかったかな。次は数字の読み方をもっと練習してから時計の学習を進められるようにしていくね

カード取りゲームをして遊ぼう

メッセージカードの色を塗ってメッセージを書こう
  • 遊びながら時計の読み方を学ぼう
  • 何時と何時半の違いを区別しよう
  • ゲームを通して、イベントの参加意欲を高めよう

<準備するもの>

  • 時刻を表した時計盤の用紙
  • 時計盤の時刻を数字で表した用紙

時計の読み方を学習した後、次は時計盤を使ったカード取りゲームを行いました。

ゲームのやり方は、例えば私が「2時」を示す時計盤の絵を見せたら、子ども達が「2:00」と書いてあるカードを取るといった流れです。

さまざまな時刻の時計盤の用紙を準備しましたが、子ども達には「何時」と「何時半」の読み方しか教えることができなかったため、今回は「2時」「12時」「3時30分」「10時30分」の4種類のみのカードを使ってゲームを行うことにしました。

子ども達は数字を読むのが難しいながらもカード取りゲームに白熱して、毎回大きな歓声をあげてゲームを楽しんでくれていました。

カード遊びをする子供たち1 カード遊びをする子供たち2 カード遊びをする子供たち3
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

今回は取るカードの種類が少なかったけど、次はたくさんの種類のカードが取れるように時計の読み方を学習していこうね

時計の読み方のプリント学習をしよう

折り紙でシャツを作ろう
  • プリントで時計の読み方をマスターしよう
  • 時刻の書き方をマスターしよう

<準備するもの>

  • 小学1年生用-なんじ なんじはん(時計の読み方)何時1
  • 小学1年生用-なんじ なんじはん(時計の読み方)何時半1

最後は、子どもたちにプリントを配って時計の読み方がどのぐらい理解できたかを確認していきました。

プリントは、最初は全員に「何時」の時刻を読むプリントを配り、それができた子は「何時半」のプリントを解くといったステップアップ方式です。

多くの子どもは1から12までの数字を書くこともままならないため、数字の書き方、時刻の表し方などの見本を見せながら、プリントを進めていきました。

子ども達は日常の中で、数字の練習をすることはあっても、時刻を紙に書くなんて経験はなかったため、「9:00」「10:00」などと「:」の書き方だけでも苦労をしていました。

今回は8人中3人が「何時」の時刻を読むプリントをクリアして次のステップに進んでくれ、しっかりと時刻の読み方を学んでくれたようでした。

時計を勉強する子供たち1 時計を勉強する子供たち2 時計を勉強する子供たち3 時計を勉強する子供たち4 時計を勉強する子供たち5 時計を勉強する子供たち6 時計を勉強する子供たち7 時計を勉強する子供たち8 時計を勉強する子供たち9
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

時刻の表し方を学んでくれてありがとう。プリントにたくさんの文字を書いたので、数字や時刻の書き方をしっかりと覚えられたかな

参加された子供たちとの集合写真

まとめ

今回は、ウガンダの子ども達と一緒に時計の学習をしました。

私が想定した以上に子ども達が数字の読み方に苦労していたので、最初はどうなるかと思いながらのスタートでしたが、最後のプリント学習では短針がどの数字の場所にあるかを確認して、見本を見ながら正しい時刻を書いてくれていました。

学校にも通っていないため、現状は実生活でそれほど強く時刻を意識していないかもしれませんが、今後社会に出るにつれて時刻を使う場面は数多く出てきます。

子ども達とは、今後も時計の読み方を学習する機会を設け、時計の読み方にも慣れてもらえたらと思っています。

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ 明美 2女のママ

2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。

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