第13回 日本語 補習授業校(2022年12月17日 カンパラ 実施)|学習プリント.com

第13回 日本語 補習授業校(2022年12月17日 カンパラ 実施)

第13回 日本語 補習授業校(2022年12月17日 カンパラ 実施)
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2022年12月17日、第13回学習支援として、カンパラ補習授業校にて、日本国籍を持つ子供たちを対象に、日本語でクリスマスのメッセージカードを書いたり、干支のぬりえを行う授業を実施しました。

この日は、2022年の年内最後の授業。
カンパラ補習授業校に通う子供たちの多くはインターナショナルスクールに通っていますが、この日は、ちょうどインターナショナルスクールが長期休暇に入ったタイミングということもあり、いつもよりも出席する子供たちが少ない日でした。

しかし、補習授業校に通う子供たちは、普段、みんながそれぞれ別々の学校に通っているため、この日も、日本語の授業を受けるためだけでなく、たまにしか会えない友達と一緒に遊べるのを楽しみにしながら、補習授業校に出席をしていました。

カンパラ補習授業校紹介

補習授業校とは

日本国外の学校に通う日本国籍を保有する子供たちが、日本の学校に編入した場合にスムーズに適応できるよう日本語で授業を行っている、日本の文部科学省が認定した在外教育施設です。

補習授業校では、漢字や文章の読み書きなど国語学習を中心に授業が行われ、他にも日本の文化を学ぶなど、日本国外に在住する日本国籍を持つ子供たちが、日本的な価値観やアイデンティティーを保持、形成する機会になっています。

カンパラ補習授業校の様子

カンパラ補習授業校は、以前は「学習会」として、ウガンダに在住する日本にルーツのある子供たちのために、日本語教育を目的とした学習の場として運営がされていましたが、2019年度に文部科学省の認定を受け、正式にカンパラ補習授業校として誕生しました。

2022年度は、15名弱の子供たちがカンパラ補習授業校に通って、月に二回、主に土曜日の午前中に日本語による授業を受けています。
現在のカンパラ補習授業校は、ひらがなクラス、小学校低学年クラス、小学校高学年以上のクラスの3つのクラスに分かれて授業が行われており、各クラスの講師は、補習授業校に通う子供たちの保護者や、在留邦人の方々の協力を受けながら、授業を実施しています。

私も普段はひらがなクラスの授業を受け持ち、子供たちに、ひらがな、カタカナ、小学校1年生の漢字の読み書き、物の数え方(一つ、一本、一冊など)など、日本語の基礎的な学習をする授業を行っています。

ひらがなクラスの子供たちは、他のクラスの子供たちとは異なり、日本の幼稚園や小学校に通ったことがない児童が多く、日本国外に居住しながら、自宅や補習授業校などで日本語での会話や文字の読み書きを習得しています。

現地の学校で英語などで授業を受ける一方で、日本語の習得もしている子供たちの努力に私も刺激を受けながら、ひらがなクラスの子供たちが、もしも日本の学校に通うことになったとしても、他の子供たちとなるべく同等レベルの学力に達成することができるよう、その子供たちの年齢レベルに応じた学習をするように努めています。

日本語でクリスマスのメッセージカードを書こう

日本語でクリスマスのメッセージカードを書こう
  • メッセージカードの宛名の書き方を学ぶ
  • 日本語で文章を書く練習をする
  • メッセージカードに色付けをして、色彩感覚を養う

〇準備するもの

  • クリスマス・お正月 冬の特別プリント企画 クリスマスメッセージカード
  • クレヨン、色鉛筆、鉛筆
学習プリント.comのクリスマスメッセージカード学習プリント.comのクリスマスメッセージカード

クリスマスが近づくこの日、普段ひらがななどの文字の読み書きを勉強しているひらがなクラスの子供たちに、日本語の文章を書く練習として、お父さんやお母さんに渡すクリスマスのメッセージカードを書く授業を行いました。
現在、学習プリント.comでは、「クリスマス・お正月 冬の特別プリント企画」として、クリスマスメッセージカードのプリントをウェブサイトで公開をしているため、事前に表紙にするプリントと、中身のメッセージが書けるプリントを印刷して、それらを画用紙に貼り付けて子供たちが書くメッセージカードを準備しました。

日本語でメッセージカードを書く練習をしたのは初めての子供たちが多く、普段、お父さんやお母さんと日本語で会話をしたり、また、一つずつのひらがななどの文字は習得していても、いざ文章を考えてそれを文字にするというのは、普段の生活で、日本語での読み書きに慣れていない子供たちにとっては、なかなか難しい作業です。

メッセージカードの表紙に宛名を書く練習をしよう

まずは、子供たちに誰にカードを渡すか、渡す相手を決めてもらい、表紙に「おかあさんへ」などと書く練習を行い、宛名は「〇〇へ」と書くことを学びます。
お父さんに渡したい子、お母さんに渡したい子、お父さんとお母さんの二人に渡したい子など、カードを渡したい相手はみんなそれぞれ。
私も、みんなが宛名を書きやすいよう、見本を書き、子供たちにはその文字を真似して宛名を書いてもらいました。
表紙には、宛名だけでなく、工夫を凝らしてクリスマスツリーやサンタクロースの絵を描いて仕上げる子もいたりして、個性あふれる素敵な表紙が続々と出来上がりました。

みんなの想いを、メッセージカードに日本語で書こう

表紙が書き終わったら、次はカードの中身に色を塗り、メッセージを書いていきます。
子供たちにどんなメッセージを書きたいか聞いて、こちらも私が見本を書いて子供たちにそれを真似してメッセージを書いてもらいました。
お母さんに「いつもやさしくしてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝える子や、お父さんとお母さんに「あなたはわたしにとってせかいでいちばんです」と普段の気持ちを伝える子など、子供たちの日頃の想いをメッセージカードに書いて仕上げてくれました。

メッセージカードにメッセージを書く子供たちメッセージカードにメッセージを書く子供たちメッセージカードにメッセージを書く子供たち
子どもたちと集合写真
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

みんなの想いがこもった素敵なカードが出来上がったね。お父さんやお母さんにメッセージカードを渡して、みんなの日頃の気持ちを伝えてね。

ぬりえで来年の干支を学び、カレンダーを作ろう

ぬりえで来年の干支を学び、カレンダーを作ろう)
  • 日本文化の一つ、干支について学ぶ
  • ぬりえで運筆の練習をする
  • オリジナルカレンダーを作って、授業の思い出作りをする

〇準備するもの

  • クリスマス・お正月 冬の特別プリント企画 お正月特別プリント オリジナルカレンダー用ぬりえ
  • クレヨン、色鉛筆

来年の干支を学ぼう

ウガンダに住んでいると、日本人家庭でも干支を意識して新年を迎える機会はあまりないかもしれません。
そのため、干支の存在を知らない子供たちも多いので、日本文化の一つでもある干支を、ぬりえを通じて学んでいきます。
「日本では、干支と言って毎年12の動物を使ってその年を表しています。どんな動物があると思いますか。」と子供たちに質問をしてみると、「ペンギン」や「ワニ」など、子供たちはたくさんの動物を想像して答えてくれました。
出てきた答えの中には「ヘビ」もあり、見事十二支の一つを答えてくれる子もいました。
「来年の干支はこの動物です。」と言いながら、子供たちにお正月のカレンダー用のぬりえを配ると「ウサギだ〜」と言いながら、子供たちは来年の干支を学んでくれました。

ぬりえを仕上げてカレンダーを作ろう

子供たちはクレヨンや色鉛筆を使って、ウサギが描かれたぬりえに色を塗り、カレンダー用のぬりえを仕上げていきました。
ぬりえにはウサギだけでなく、富士山も描かれていますが、「富士山」と聞いても富士山には馴染みがない子供たちのため、富士山を噴火中の火山に見立てて溶岩を飛び散らせるなど、オリジナリティあふれるぬりえを完成させてくれた子もいました。

塗り絵で遊ぶ子供たち塗り絵で遊ぶ子供たち塗り絵で遊ぶ子供たち
サポーターママ講師バシャ 明美
学習支援スタッフ
バシャ 明美

ウサギをピンクに塗るなど、可愛いぬりえが完成したね。カレンダーができたら、お家に飾って今日の日の思い出にしてね。



子供たちの塗り絵
子どもたちと集合写真

まとめ

今回は、カンパラ補習授業校に通うひらがなクラスの子供たちと一緒に、学習プリント.comで公開されているプリントを使って、ぬりえをしたり、日本語でメッセージを書く練習をしました。

ウガンダでは、日本語の勉強をするための教材を手に入れることは難しい環境にありますが、カンパラ補習授業校では、在ウガンダ日本国大使館を通して配られる教科書や、学習プリント.comのような無料の学習プリントサイトからダウンロードしたプリントを使ったりしながら授業を行っています。

1ヶ月で2回しか授業がないため、実際には補習授業校での授業だけでは十分な日本語の読み書きなどの習得は難しいかもしれませんが、補習授業校に通う子供たちは、同じ日本人の子供たちと日本語で会話をしながら授業を受けたり、遊んだりする機会を楽しみにし、継続的に日本語学習に触れられるチャンスを活かしながら、日本語の能力を高めていっています。

私も補習授業校の授業を受け持つ一人として、一人一人の子供たちの日本語能力のレベルアップが図れるよう、今後も子供たちの日本語習得のお手伝いをしていければと思います。

ウガンダ在住
学習支援スタッフ

バシャ明美さんのプロフィール写真 バシャ 明美 2女のママ

2012年12月よりウガンダ在住。
ウガンダ人の夫と13歳違いの娘二人とともにウガンダで生活しています。
我が家の公用語は日本語。日本に10年以上住んだウガンダ人の夫も、ウガンダで生まれた次女も、家族4人で常に日本語で会話をしているため、私の英語力よりも次女の日本語力の方が上達中です。
ウガンダ学習支援では、学校に通っている子も、経済的に学校に通うことができない子も、平等に学びの機会が得られるよう、無料プリントサイトの強みを活かし、「ぬりえ」「数字の学習」「日本文化紹介」など、さまざまな学習のサポートを実施しています。
ウガンダの小学校は義務教育でありながらも、制服代、文具費、給食費などが払えずに学校に通うことができない子ども達が数多くいます。
こういった子ども達の将来のために、少しでも子ども達の学びに貢献できるよう、ウガンダでの学習支援を続けていきたいと思います。

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